0001昆虫図鑑 ★2020/08/18(火) 07:50:05.01ID:CAP_USER
AFP通信(8月15日)によれば、中国の習近平国家主席が、食品廃棄の問題に取り組んで、「光盤(皿を空にする)」キャンペーンを始めた。
(略)
だが、このキャンペーンは食料廃棄の問題というよりも、今秋以降、予測される食料不足に備えるための切実な問題提起なのだ。
中国では6月初旬から2カ月近く続いた豪雨の後、8月の台風シーズンに入って、長江、淮河、黄河など主要な河川流域で大洪水が発生した。とりわけ長江下流域の湖北、湖南、安徽、江西、江蘇各省は、中国の農産物の約24%を生産する穀倉地帯で、農作物が深刻な被害をうけ、今秋の収穫が大幅に減少すると予想されている。
それに加えて、蝗害も発生した。
蝗害は世界的に発生しているが、なかでもサバクトビバッタは、アフリカで大発生し、中東、南アジアで猛威を奮い、5月上旬に約4000億匹がインドに侵入。パキスタンで全農作物の約15パーセントに被害をもたらした。
(略)
全力で警戒する中、バッタが最初に大発生したのは6月28日、雲南省普洱市だった。だが、これはサバクトビバッタとは別種で、「黄脊竹蝗」(yellow-spined bamboo locust、黄色角竹バッタ)と呼ばれるトビバッタ類だ。
フランスの国際放送局(RFI、7月3日付)によれば、同市では延べ502機のドローンを飛ばして薬剤を散布し、専門家による拡大防止策を実施したが、バッタの活動範囲は約6700ヘクタールに及び、竹や稲を食べつくした。広西省の桂林市でもバッタの大群が襲来し、公式発表で被害面積は数百ムー(一ムーは約6.67アール)に及び、四川省成都市、湖北省孝感市でも被害が発生した。
さらに、中国自生種のバッタも発生した。今春、中国の東北部では干ばつが続き、農作物が枯れていたところへ、6月初旬から一転して高温多雨になり、洪水が発生。6月初旬、吉林省、黒竜江省などで蝗害が発生した。ちなみに「蝗(イナゴ)」といっても、正確にはバッタの一種で、6月中旬に湖北、雲南、廣西、湖南各省、7月上旬には広西省に広がって、稲やトウモロコシ、柑橘類などを食べ尽くした。
中国政府は全国に「食糧生産用地」を確保する方針を打ち出し、果樹や野菜の代わりに稲や小麦を植えれば、1ムー当たり3000元の補償を与えると約束した。今後、8月から9月の台風シーズンには、さらに大量のバッタが発生すると予測され、駆除は困難を極めている。
致死率100%のアフリカ豚コレラが流行
中国農業農村部は、「今年の食糧の生産量は、かならず6億5000万トンを実現しなければならない」と強調しているが、実は心配の種は穀物以外にもある。アフリカ豚コレラ(ASF)の再発である。
アフリカ豚コレラは人間には感染しないとされ、豚熱(CSF)とは別種のものだ。しかし豚への感染力は強く、猛毒性で致死率はほぼ100%。昨年、中国で大流行して、前年比4割に相当する1億頭以上が減少した。
日本農業新聞(2019年9月22日付)によると、中国の国家統計局の発表では、2018年末の豚の飼育頭数は4億2817万頭で世界一。それがアフリカ豚コレラの蔓延で、少なくとも1億6000万頭以上の飼育頭数が減ったと推察される(アメリカ農務省の分析では、1億8000万頭)。大量に死んだ豚の始末に困った養豚業者が、道端に放置してしまう例が後を絶たなかった。
中国の2018年の豚肉生産量は5403万トンで、年々輸入が増えているが、世界の豚肉貿易量は800万トンしかない。もし中国が輸入拡大して豚肉の大量輸入に走れば、世界中で豚肉不足が起きてしまう。
今年、そのアフリカ豚コレラが再発生しているのだ。しかも豚熱(CSF)、鳥インフルエンザも流行中だ。豚肉の生産量が40%以上減少したことで、鶏肉、牛肉の需要が高まり、食品全体の価格が2割から5割も高騰している。
海外からせっせと食料を買い集める中国
アメリカ農務省は、7月10日から16日までの間に、アメリカから中国へ輸出した豚肉、トウモロコシ、木綿、大豆、米などが、総額約319億ドル(3兆4715億円)に達したと発表した。トウモロコシに限ってみれば、7月10日、中国は13億6500万トンを購入したのに続いて、7月14日にも17億6200万トンを購入し、貿易取引額としては過去最高記録を達成した。それ以外にも、大豆、ソルガム、米などを、アメリカから“静かに”買い集めているという。
米中経済戦争のさなかにも関わらず、中国はせっせとアメリカから食料を輸入しているのである。もはや中国の食料不足は明らかだろう。
全文はソースで
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61739
(略)
だが、このキャンペーンは食料廃棄の問題というよりも、今秋以降、予測される食料不足に備えるための切実な問題提起なのだ。
中国では6月初旬から2カ月近く続いた豪雨の後、8月の台風シーズンに入って、長江、淮河、黄河など主要な河川流域で大洪水が発生した。とりわけ長江下流域の湖北、湖南、安徽、江西、江蘇各省は、中国の農産物の約24%を生産する穀倉地帯で、農作物が深刻な被害をうけ、今秋の収穫が大幅に減少すると予想されている。
それに加えて、蝗害も発生した。
蝗害は世界的に発生しているが、なかでもサバクトビバッタは、アフリカで大発生し、中東、南アジアで猛威を奮い、5月上旬に約4000億匹がインドに侵入。パキスタンで全農作物の約15パーセントに被害をもたらした。
(略)
全力で警戒する中、バッタが最初に大発生したのは6月28日、雲南省普洱市だった。だが、これはサバクトビバッタとは別種で、「黄脊竹蝗」(yellow-spined bamboo locust、黄色角竹バッタ)と呼ばれるトビバッタ類だ。
フランスの国際放送局(RFI、7月3日付)によれば、同市では延べ502機のドローンを飛ばして薬剤を散布し、専門家による拡大防止策を実施したが、バッタの活動範囲は約6700ヘクタールに及び、竹や稲を食べつくした。広西省の桂林市でもバッタの大群が襲来し、公式発表で被害面積は数百ムー(一ムーは約6.67アール)に及び、四川省成都市、湖北省孝感市でも被害が発生した。
さらに、中国自生種のバッタも発生した。今春、中国の東北部では干ばつが続き、農作物が枯れていたところへ、6月初旬から一転して高温多雨になり、洪水が発生。6月初旬、吉林省、黒竜江省などで蝗害が発生した。ちなみに「蝗(イナゴ)」といっても、正確にはバッタの一種で、6月中旬に湖北、雲南、廣西、湖南各省、7月上旬には広西省に広がって、稲やトウモロコシ、柑橘類などを食べ尽くした。
中国政府は全国に「食糧生産用地」を確保する方針を打ち出し、果樹や野菜の代わりに稲や小麦を植えれば、1ムー当たり3000元の補償を与えると約束した。今後、8月から9月の台風シーズンには、さらに大量のバッタが発生すると予測され、駆除は困難を極めている。
致死率100%のアフリカ豚コレラが流行
中国農業農村部は、「今年の食糧の生産量は、かならず6億5000万トンを実現しなければならない」と強調しているが、実は心配の種は穀物以外にもある。アフリカ豚コレラ(ASF)の再発である。
アフリカ豚コレラは人間には感染しないとされ、豚熱(CSF)とは別種のものだ。しかし豚への感染力は強く、猛毒性で致死率はほぼ100%。昨年、中国で大流行して、前年比4割に相当する1億頭以上が減少した。
日本農業新聞(2019年9月22日付)によると、中国の国家統計局の発表では、2018年末の豚の飼育頭数は4億2817万頭で世界一。それがアフリカ豚コレラの蔓延で、少なくとも1億6000万頭以上の飼育頭数が減ったと推察される(アメリカ農務省の分析では、1億8000万頭)。大量に死んだ豚の始末に困った養豚業者が、道端に放置してしまう例が後を絶たなかった。
中国の2018年の豚肉生産量は5403万トンで、年々輸入が増えているが、世界の豚肉貿易量は800万トンしかない。もし中国が輸入拡大して豚肉の大量輸入に走れば、世界中で豚肉不足が起きてしまう。
今年、そのアフリカ豚コレラが再発生しているのだ。しかも豚熱(CSF)、鳥インフルエンザも流行中だ。豚肉の生産量が40%以上減少したことで、鶏肉、牛肉の需要が高まり、食品全体の価格が2割から5割も高騰している。
海外からせっせと食料を買い集める中国
アメリカ農務省は、7月10日から16日までの間に、アメリカから中国へ輸出した豚肉、トウモロコシ、木綿、大豆、米などが、総額約319億ドル(3兆4715億円)に達したと発表した。トウモロコシに限ってみれば、7月10日、中国は13億6500万トンを購入したのに続いて、7月14日にも17億6200万トンを購入し、貿易取引額としては過去最高記録を達成した。それ以外にも、大豆、ソルガム、米などを、アメリカから“静かに”買い集めているという。
米中経済戦争のさなかにも関わらず、中国はせっせとアメリカから食料を輸入しているのである。もはや中国の食料不足は明らかだろう。
全文はソースで
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61739