期待しすぎたところはあると思いますが、主人公が元々抑圧されているという描写が弱いからか、葛藤している様が軽く思わされたことと、恋は盲目とはいえこの主人公が映画監督に恋をするかなあ…と引っかかったまま最後まで行ってしまった感じ。自分の顔を見てガラスをぶん殴るシーンもシチュエーション自体が特殊な上、それが自分自身の壁をぶち壊すことには繋がってないかなと思った。

主人公と、主人公を演じることになる女優の会話のヒリヒリ感、地雷を踏むなよ〜という感じはすごく良かったです。

「偶然と想像」「愛なのに」に続いて中島歩がいい。声も表情もいいのに、感情がのってこない感じ。

ルッキズムという言葉で片付けるには惜しい作品だと思います。観て感銘を受ける人の気持ちもわかる仕上がりになっていると思います。