全体通してカタルシスやアイデンティティが足りないので物足りなさ。現実の植民地支配を作品テーマに重ねてるからだとしてもこれはもやる。
前作はそこに対して主人公たちのそれぞれの立場のストーリーを描くことで作品の上質さを高めてたけど、それが今作はどこかにいってもうた。シュリの成長物語としても話がとっちらかっててやや薄い。

いろいろ突っ込みポイントあるにせよ、じゃあ見ないですか?って問われると全然NOで。
チャドイック亡くなった後がどう描かれるのかという視点で、残された者たちが紡いだ物語ではあるのだろうけど、受け手が待っていたMCUの超期待作としてはその役割果たせてないような。
ブラックパンサー続編には勝手にこれまでのmarvelの盛り込みすぎて消化不良のパターンを吹き飛ばしてくれるパワーを期待していたので。
シビル・ウォーのような現実世界と虚構織り交ぜたような純度の高いポリティカルアクション見たければターゲットセグメント絞ったドラマシリーズに期待していくのが良いかもしれん。

それでも見どころは豊富で、キルモンガー登場はストーリー的に必然な演出だったので全然アリだったし。
ラストの喪服を燃やす黙祷から不意打ちでチャドウィックの回想シーンは、短いながらもワイスピのポール・ウォーカー追悼と同じくらいのインパクトあった。

あと、音楽とファッションは掛け値なしでよき。