『バッハマン先生の教室』(Herr Bachmann und seine Klasse) ドイツ中央西部ヘッセン州のシュタットアレンドルフ。人口約21,000人のうち70%が移民の背景を持ち、うち約5.000人がイスラム教徒という工業都市。そんなシュタットアレンドルフのとある中学校で、定年を間近に控えた教師ディーター・バッハマンは、12歳から14歳、12か国の子どもたちが在籍する6年B組を担任する。母語もメンタリティーも多様な生徒たちと、音楽やジャグリングで遊びながら授業するバッハマン先生のクラスを1年間追ったドキュメンタリー。第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞および観客賞受賞作品。
監督/マリア・シュペートドイツ 2021年/217分 0004名無シネマ@上映中2023/03/07(火) 10:41:51.66 『クルナス母さん vs. アメリカ大統領』(Rabiye Kurnaz vs. George W. Bush) 実話に基づくアンドレアス・ドレーゼン監督の最新作。ドイツ生まれのトルコ人のムラート・クルナスが訴訟も裁判もないままアメリカ軍のグアンタナモ湾収容キャンプに収容された。ムラートの母親で専業主婦のラビイェは、海外で苦しむ息子を助けるため奔走するが、警察や行政に相談を重ねても埒が明かない。ある日、ラビイェは人権派弁護士のベルンハルト・ドッケと出会う。そして理性的でドライなドッケとラビイェ母さんが、アメリカの合衆国最高裁判所でジョージW.ブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことに。シリアスなテーマを扱いながら、どこかコメディタッチでユーモラスでもある本作。主演を務めるコメディアンのメルテム・カプタンは、ベルリン国際映画祭で主演俳優賞に贈られる銀熊賞に輝いた。第72回ベルリン国際映画祭、脚本賞・俳優賞受賞作品。
『焦燥の夏』(Niemand ist bei den Kälbern) ドイツ北部メクレンブルク地方の片田舎。24歳のクリスティンは、長年の恋人ヤンの実家である酪農家に同居し、牛舎での仕事を手伝っている。子供時代を彩った東西ドイツ統一後の楽観的な雰囲気は、とうに消えている。彼との関係もうまくいかず、酒で苦しさ紛らわしては、殺伐とした日常から抜け出すことを思い描くだけの日々。真夏の陽射しの下で、時間は止まっているかのようだ。そこに風力発電のエンジニア、クラウスがハンブルクからやってきて、世界が再び巡り始める。長編2作目となるサブリナ・サラビ監督は、ありふれた田舎の日常を官能的で雰囲気に満ちた世界に変容させた。主演のサスキア・ローゼンダールは、圧倒的な演技力で第74回ロカルノ映画祭最優秀女優賞を受賞した。