神戸製鋼所がアルミ部材などの品質データを改ざんしていた問題の影響が世界に広がって
きた。米ゼネラル・モーターズ(GM)は11日、神戸製鋼所の部材データ改ざん問題で、
製品への影響調査を始めたと明らかにした。米フォード・モーターも神鋼製品を使ってお
り、同様の調査に入った。

GMは「神鋼が供給する銅やアルミの製品について調査を進めているが、現時点ではそれ
以上の情報はない」との声明を出した。神鋼は米国に早くから進出し、自動車用アルミ素
材を拡販してきた。2016年には米ケンタッキー州に車用アルミニウム材料の新工場を建設
すると発表していた。

神鋼の川崎博也会長兼社長は12日午前、経済産業省の多田明弘製造産業局長と面会し、「多
くの方々に不信と心配をかけていることを深くおわび申し上げる」と陳謝した。

川崎社長は「まずは出荷済みの適合品の安全品質の確認が最優先課題。万全の態勢で取り
組む」と語り、多田局長は「一部では日本の製造業全体の信頼にも関わるとの指摘も出て
いる」との懸念を伝えた。

神鋼は8日、アルミ製部材の強度などが顧客の求める水準に達していなかったと公表した。
部材の供給先は現時点で約200社にのぼり、自動車や航空機、防衛など幅広い産業で影響
が広がっている。

JR西日本によると、神鋼のアルミ製品を使った新幹線の台車部分の一部強度が日本工業
規格(JIS)の基準に届いていなかった。高い強度は確認済みで、安全性に影響はない
という。

JR九州は12日、在来線普通列車12両の車体に問題のアルミ製部材を使用していると明
らかにした。すでに車両メーカーが調査に入り、安全性に影響はないと確認。これまで通
り運行を続ける。九州新幹線の車両では今のところ使用は確認されていないという。

配信2017/10/12 11:04
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22158270S7A011C1MM0000/