いっこうに色よい対応をしてくれない「本国」に対して業を煮やした白井は、「じゃあまず我々の実力を見てくれよ」と言うことで
サラブレッド血統センターで出版された「日本サラブレッド血統大系」や「競馬四季報」などを本国に送ったのである

日本から送られてきたそれらの出版物を見た本国の顔役らは、「う〜む・・、これは凄い情報量の内容だな・・ しかも見やすくてまとめ方もきれいだ・・」
となって、一転して日本の競馬血統出版物のクオリティの高さに一目置いたのである。

そうこうして、ようやく白井は本国から版権を手に入れ、晴れて「世界サラブレッドファミリーテーブルV」の作成に着手したのである。
白井を筆頭とする、社内の精鋭数十名でプロジェクトを組み、作業に取り組んだわけであるが、
その製作日数は、何と7年間もの時間を費やしたのである。

そうして遂に完成した「世界サラブレッドファミリーテーブルV」を白井は全世界に向けて発表した。
それは本国のジャン・ロマネ会長をはじめとして、世界中のホースマンたちから大絶賛され、
「日本の偉大なるホースマン:トオル・シライ」の名は世界の競馬界に轟き、
「世界中の競馬関係者の誰も出来なかった仕事を成し遂げた日本人」として、後々の後世まで語り継がれたのであった・・・。