「なんでいっぢゃうミィ!だずげミァ!それになんでミィミィいわないのミィ!?ミィはベビと奥ざん」

あちらでは数匹がなにかを笑顔で食し、別な場所では綺麗な水で水浴びする数匹の姿も輝いて見える

「ミィはっ!ミィはっ!ミブィフィーン!ミィも綺麗なところで、食べ物ををををを!」
情けないがこれが本音だろう。

「みんな触角はどうしたミィ!?タブンネは可愛い触角で意思をミゲフン」

突然の衝撃に倒れる♂。振り替えるとそこにいたのは

「またか」

棒を持った人間だ。

規定により古種は処分し、遺体は保険施設処理。それが今のタブンネへの対応。
人間は無言で♂の耳を掴み引きずり出した。

「痛いミィ!お耳とれちゃうミィ!」
激しい痛みにもがく♂だがやはり力で人間には叶わない。

「ミギュン」
♂が投げつけられたのは牧場の裏手にある用具洗い場。
金属音を鳴らしながら取り出されたのは大きな鉈に♂は失禁した。
さらに鉄板の上に蹴り込まれ、背中を踏みつけられ自由を奪われると死を意識したのか暴れるがやはりかなうわけもない。
踏まれた際に吐き出してしまったが、肺に残されたわずかな空気を絞り出すように
「ごめんなさミィごめんなさ」
と叫ぶがダンッ!という音でかきけされた

人間は何事もなかったように♂の頭を掴み、保険施設の名前と「特殊廃棄物」と書かれた厚手の大きな袋に死骸を詰め込んでいく。
トタン張りの物置に同じような袋三体ほどの上に投げ込まれた。