中国は米国のドナルド・トランプ政権から、貿易や産業政策に関して批判されることも多い。しかし、中国は拡大を目指す米国のレストラン業界にとって成長が見込める頼みの綱と言える。

スターバックスは今後、中国内の店舗数を倍増させると宣言しており、今年7月には中国の東部のジョイントベンチャーの株式を13億ドル(約1450億円)で取得し、1300店舗を傘下に収めた。

そして8月8日、マクドナルドは中国国内の店舗数を現状の2500店舗から、2022年までに4500店舗に増加させると宣言した。

マクドナルドは今年初めから中国本土および香港のフランチャイズ事業の経営権を、中国の政府系金融グループの「中国中信集団(Citic Group)」と米投資ファンドのカーライル・グループ(Carlyle Group)に売却する動きを進めていた。

今回の店舗数拡大のアナウンスは、この売却手続きの完了を受けてのものだ。

マクドナルドによると今後、中国および香港の事業は、カーライルと中国中信集団らが運営していくという。中国での事業拡大を同社は「Vision 2022」と名付けた戦略の一部に位置づけ、今後5年間にわたり毎年10%以上の売上増を狙っている。

マクドナルドは新たなパートナーシップのもとで、中国で今年約250の新規店舗を開設する。その後は店舗開設のペースを上げ、2022年までには年間500店舗の開設を目指す。マクドナルドは今後、中国が同社にとって世界2位の市場になると見込んでいる。

一方でスターバックスは、昨年2500店舗だった中国の店舗数を2021年までに5000店舗に拡大すると宣言している。

編集=上田裕資

https://forbesjapan.com/articles/detail/17272