【ワシントン=黒瀬悦成】米NBCテレビは9日、国防総省が北朝鮮に対する先制軍事攻撃の選択肢の一つとして、米空軍のB1戦略爆撃機による北朝鮮の弾道ミサイル発射基地などに対する精密爆撃を実行する準備を整えたと伝えた。

 トランプ大統領による命令があれば、いつでも実行できる状態にあるとしている。

 複数の軍当局者がNBCに語ったところでは、空爆には米領グアムのアンダーセン空軍基地に配備されているB1爆撃機を使用。

 戦闘機による護衛と電子戦機や空中給油機の支援の下、北朝鮮国内にある約24カ所のミサイル基地や実験場、関連施設などを攻撃するとしている。

 米空軍は5月末から今月8日にかけて、B1爆撃機をグアムから朝鮮半島上空などに飛ばす予行演習を計11回にわたって実施している。うち数回は航空自衛隊と韓国空軍の戦闘機がB1を護衛する共同訓練を行った。

 B1爆撃機は、爆弾や射程千キロ以上の長距離空対地ミサイル(JASSM−ER)などの通常兵器を最大約60トン搭載することができる。グアムには現在、6機のB1が配備されている。

http://www.sankei.com/world/news/170810/wor1708100018-n1.html


【北ミサイル】マティス米国防長官、北に「自国民の破滅回避」を警告 トランプ大統領の「炎と怒り」発言受け

 【ワシントン=黒瀬悦成】マティス米国防長官は9日、北朝鮮情勢に関し声明を発表し、ミサイル発射などの挑発行為を続ける金正恩(キムジョンウン)体制に対し「体制の終焉(しゅうえん)や自国民の破滅につながるような行動を検討するのをやめるべきだ」と警告した。

 「自らを孤立させる道を選ぶことをやめ、核兵器を追い求めるのを断念しなくてはならない」とも指摘し、核・ミサイル開発の放棄を迫った。

 マティス氏が北朝鮮に対して強硬なメッセージを発するのは異例。トランプ大統領が8日、北朝鮮が米国を脅迫し続ければ「炎と怒りに見舞われる」と軍事攻撃を言明したのに一定の歩調を合わせた。

 マティス氏はまた、米国と同盟諸国は「地球上で最も適切かつ準備万端で強固な防衛能力と攻撃能力を備えている」と強調しつつ、北朝鮮の脅威に対しては「米国務省が外交的解決を目指し全力を尽くしている」と指摘し、米政権が現段階では外交解決を目指す方針であることを改めて打ち出した。

 一方、ティラーソン国務長官は9日、東南アジアから米領グアムに向かう機中で記者団に対し、トランプ氏の発言は「外交的な表現を理解しているとは思えない金正恩(朝鮮労働党委員長)が理解できる言葉を使って、北朝鮮に強いメッセージを送ったのだと思う」と説明した。

 国務省のナウアート報道官は9日の記者会見で「米政府の立場は一致している」と主張。

 一方、複数の米当局者はCNNテレビに対し、8日のトランプ氏の発言は「アドリブだった」と語っており、両長官の発言は、同氏の「爆弾発言」と政権の方針に一貫性を持たせるため、つじつま合わせを図ったとみられる。

http://www.sankei.com/world/news/170810/wor1708100011-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170810/wor1708100011-n2.html

http://www.sankei.com/images/news/170810/wor1708100011-p1.jpg
マティス米国防長官