https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180111/K10011285861_1801120008_1801120013_01_02.jpg

中国・内陸部の山西省で、キリスト教の教会が違法建築を理由に地元政府によって爆薬を使って取り壊され、アメリカにある人権団体は、信教の自由を狭める行為だと強く批判しました。

取り壊されたのは、中国山西省臨汾市にある「金灯台教会」で、AP通信などによりますと、地元政府が今月9日、爆薬を使って倒壊させました。

現地からの映像には、大きな教会が爆破によって粉じんを巻き上げながら倒壊し、人々が遠巻きに作業を見つめる様子が映っています。

地元政府は、違法建築を取り壊しの理由にあげていますが、教会の関係者は「武装警察が強制的に取り壊した」と主張しています。

アメリカ政府系のラジオ局「ラジオ・フリー・アジア」によりますと、この教会は地元政府による厳しい監視の対象となり、2009年には牧師らが交通の秩序を乱した罪などで実刑判決を受けたということです。

中国では、ここ数年の間に、キリスト教徒が多い浙江省を中心に、1200以上の教会で十字架が撤去されたとされ、反対した教会の関係者や弁護士の拘束が相次いでいました。

アメリカに拠点を置き、中国の人権状況を監視している「対華援助協会」は、今回の措置を受けてコメントを発表し、「共産党による指導の下、中国の信教の自由は文化大革命以来、最も深刻な後退を見せている」と強く批判しました。


1月11日 23時59分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180111/k10011285861000.html