【異世界２】非エキがロナー自称したらハーレム件
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今世界中で大人気のオンラインRPG「ファンタジースターオンライン２」（通称"FSO2"）
このFSO2には誰もが目指す最強の証「インフィニティロナー」という称号がある
それはインフィニティクエストと呼ばれるゲーム内でも屈指の難易度を誇るクエストをソロでクリアすることで得られる称号だ
本来は６人PTで挑むクエストだが誰の力も借りずたった一人で挑まなくて得られない
その桁違いの難易度故にロナー称号を持つものはゲーム内でもSNSでも絶大な影響力を持つほどだ
俺こと神崎刃人（←よく名前を間違えられるが"ブレイド"と読む）もそんなロナー称号を目指しているFSO2プレイヤーの一人だ
まだ初めて1ヵ月の新参プレイヤーでロナーどころかエキスパート(※)ですらない
※エキスパートとは一定以上の高難易度クエストに参加する権利を持つ上級者プレイヤーの資格証
そんな最弱の俺はワケあってFSO2で有名な強豪チーム「シュレディンガーの猫カフェ」に所属している
メンバーの中には引退した元美少女プロゲーマーから凄腕の人気美少女実況者まで猛者揃いの美少女チームだが
俺はそんなチームのみんなからなぜか"零"や"零の刃人"と呼ばれ恐れられている
（俺はそんなに凄いプレイヤーというわけではないんだが…）
ことのきっかけは俺がゲームを始めて2週間ぐらいの時、
ある高難易度クエストのパーティに参加した時に見栄を張って
「ロナーなんて簡単だろ？」と言ってしまったことだ 金髪の美少女「はぁ？アンタ今なんて言った？」
神崎刃人「えっ？だから…ロナーなんて簡単だろ、って」
緊急クエストの待機中、キャンプシップという輸送用機の中で
俺はインフィニティクエスト攻略の話題で盛り上がっていたパーティの会話につい突っかかってしまい
金髪の美少女プレイヤー、アリシアと口論になっていた アリシア「インフィニティクエストっていうのはね、
私たちみたいなエキスパートプレイヤーの中でもたった12人しかクリアした人がいないクエストなのよ？
それをアンタみたいな素人装備の初心者がクリアできるわけ…」
神崎刃人「こ、このキャラクターは最近作ったばっかりのサブ垢なんだ！
前のアカウントは今いろいろあって使えないだけだ」
アリシア「ふーん？」
誰が見ても法螺だとわかる嘘をついて焦っている俺にアリシアはロビーアクションで顔を覗き込むようなポーズをとって詰め寄る 巨乳のツインテ美少女「まぁまぁアリシアちゃん、そんなにムキにならなくても」
無精髭の大男「ハッハッハ！こんぐらい大口叩けりゃ将来有毛だろうな！」
アリシア「もう、メルナにグランディオさんも初心者に甘すぎなのよ」
言い返せなくなった俺を見かねて
同じPTにいたアリシアのフレンドと思われる2人のプレイヤーが仲裁に入ってきた グランディオ「だってアリシアちゃんインフィニティクエストのことになるとすぐ熱くなるんだもん」
メルナ「そうだぜ、ゲームなんだし楽しく、熱く語り合おうぜ！」
アリシア「まあいいわ、アナタが本物のロナーなのかどうかクエストに行けばわかること──」
突如、キャンプシップ内に警報が鳴り響く
オペレーター「緊急クエスト発生！惑星リリーペ第2基地周辺に多数の──」
グランディオ「おっ？来たか」 緊急クエスト：採掘基地防衛【侵略】
「ダーガー」と呼ばれる宇宙を蝕むクリーチャーから採掘基地を防衛するクエスト
画面を覆いつくすほど大量のダーガーが押し寄せてくるため仲間と助け合わなくては生き残ることすら困難な戦場
そんなクエストの最前線で一人で敵陣のど真ん中で大太刀回りをするプレイヤーがいた 神崎刃人「うおりゃあああ！オーバーブレード！」
光子を実体化して巨大化させた剣を振り回し、敵を一掃する一人の剣士
モブA「な、なんだあのガキ！？本当にLv30の初心者なのか！」
モブB「まさか…敵の出現位置を正確に把握してタゲを集めているのか！」
モブC「クソ！一人でいいとこと持ってきやがって！」
──"勇者"
彼の姿を見て誰も思っただろう
この絶望的な戦場に一人で立ち向かう者を勇者と呼ばずしてなんと呼ぶか
アリシア（なんて冷静で的確なプレイなんだ…装備こそ弱いがあんなプレイができるのはロナーしかいない…！）
QEST CLEAR！ 神崎刃人「フー↑初めて行くクエストでよくわからないまま敵陣に突っ込んだけどなんとか生き残れたぜ…」
アリシア「神崎刃人…」
神崎刃人「ん？なんだよ」
アリシア「まさか、お前が…お前が本物の『０番目』のロナーなのか？」
神崎刃人「え…？」
グランディオ「お前さん、たしかクエスト出発前に『前のアカウントは使えない』って言ってたよな」 メルナ「最初にロナーの称号を手にしたと言われるプレイヤーはクエストクリア後すぐにBANされて行方がわからなくなっていたのに」
グランディオ「正式な発表じゃないから0番目の踏破者なんて言われてたが、まさかこんなところで会えるとはなぁ！」
神崎刃人「え、え！？（本物のロナーだと思われてる！？）」
神崎刃人「あぁそうだ！俺が０番目のインフィニティロナー『零の刃人』と呼んでくれ！」
こうして、俺は凄腕プレイヤーのサブ垢と勘違いされる日々が始まったのだ QEST CLEAR！から滲み出る頭のネジの外れ具合すき
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