【安房中~水戸高~東大~立命】梅本克己【苦悩の人】
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みんなも思い悩んだことがあるはずだ。
主要著作
唯物史観と道徳 三一書房 1949
人間論 実践論・矛盾論の研究序説 理論社 1953
哲学入門 物の考えかた 三一書房 1954 (対話式入門講座)
過渡期の意識 現代思潮社 1959
唯物論と主体性 現代思潮社 1961
現代思想入門 三一新書 1963
マルクス主義における思想と科学 三一書房 1964
革命の思想とその実験 三一書房 1966
唯物史観と現代 1967 (岩波新書)
唯物論入門 清水弘文堂書房 1969
唯物史観と経済学 現代の理論社 1971
過渡期の意識 現代思潮社 1975
梅本克己著作集 全10巻 三一書房 1977-1978
梅本克己スケッチ集 梅本千代子 1993.1
梅本克己短歌抄 梅本千代子 1993.1 一般的な感覚でいくと健常者のスペックとしては
高 高卒健常者 −−−−−−−−−−− 低 双極性障害の患者・自閉症
といった感じだが患者からみると
高 双極性障害の患者・自閉症 −−− 低 高卒健常者
となっている為、ネット上でも精神医療分野が注目されるようになった。
パワーバランスから言っても近いうちに
高 高卒健常者 −−−−−−−−−−− 低 双極性障害の患者・自閉症
に落ち着くと思われる。 水戸高等学校で教えていた時、講義の内容がリベラルだから外されたとのことだが、
リベラルに講義をすることってそれだけでも大変なことだったと思う。 この人はニヒリズムに押しつぶされそうになる中でギリギリのところで
モノを書いていたんだろうなと推察する。 『唯物史観と現代』の初版と第二版は女将が違うだけだけれども、
かなり印象が違ってくるな。 wikipediaによると、主体性論争の梅本側の論文2本は、
『唯物論と主体性』に収められているようだな。 松村一人側の論文は恐らく『唯物論と主体性論』に収められているのだろう。 和辻哲郎は国家史としての倫理学をやったが、
梅本克己は個々人を串刺しにする唯物論・唯物史観と
それに対応する個々人の倫理を切り結んだといった感じか。 翻訳をしていないので、
論争相手の松村一人とか立命の関係者の舩山信一の方が知名度はあるかもな。 梅本の言説は唯物論と倫理道徳を併せ持ったものなので、
生徒を教え導く一部の教師たちの間で受けがよかったかもな。 全体に反発する個としての主体の存在に着目し、
唯物論に則って唯物史観の図式に入れている感じがするね。 『唯物史観と道徳』における
マックス・アドラーの本(https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA01604289)からの引用は
圧巻だと思う。 梅本克己は、唯物史観とカント哲学の関係性を説いた点で、
柄谷行人に先立つ人だと言えるかもしれない。 もちろん両者の方向性までもが同じだというわけではないが。 梅本克己の師匠である和辻哲郎の著作の中には『実践理性批判』の研究書がある。
梅本も「唯物史観と道徳」で実践理性批判の定言命法に言及している。 松村一人の論文の出だしだけ読んだけど、
主体性論争って結構難しそうだな。
だいぶ後々の言説に影響を与えてそう。 アンチヒューマニズムの嵐が吹き荒れる中、
梅本克己とか務台理作のヒューマニズムはどのように解されるべきか。 『人間論 実践論・矛盾論の研究序説』を読んでいると、
1950年代は本当に左翼の黄金期だったんだろうなと思う。 クロカンは恐らく梅本のことを尊敬していたんだろうなと思う。 水戸高校で教えていた頃は、相当な人格者だったようだな。 梅本克己が観念論を仕切りに批判するのは、ただ抽象的に考えていたのみならず、
師である和辻哲郎の影響力との距離を取ろうとして必死だったからかもしれないな。 和辻→梅本のラインを理解するにはカントの理解も必要だ。 和辻は実践理性批判の研究書を著し、それに基づいた人格と人類性という著作を出した。
これに梅本は影響を受けている。 三木清は最後の作品のテーマが、梅本克己は卒論のテーマが親鸞。 三一書房と現代思潮社からいっぱい著作が出ていたわけだけれども、
現代思潮新社からはもう出ないのかな。 この人の著作を読むには京都学派の文体への慣れが必要だ。 マルクスの勉強をしとかないとこの人の著作には太刀打ちできない。 千坂恭二は梅本やクロカンを読んだ上で批判しているそうだが、
やはりアナキスト的戦闘哲学からすると梅本もクロカンもヘタレに映るのだろうか。 一時ではあっても立命館大学で同僚だった舩山信一の著書には
梅本克己のことが全然でてこない。不思議だ。 ニーチェやキルケゴールの勉強もしとかないと難しい。 この人の西洋哲学史のまとめ方は上手い。
合理論vs経験論から唯物論への流れの説明の仕方が。 『革命の思想とその実験』を読んでいるが、
レーニンの理論と実践の間での苦悩をよく描いていると思う。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています