<朝ドラ>主演オーディションは過去のもの? 6作連続キャスティングで見えたもの

女優の清原果耶さんが、2021年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」で主演を務めることが先日、発表された。
今回、オーディションではなくキャスティングによる起用とのことだが、2015年度後期の朝ドラ「あさが来た」で女優デビューを果たし、
昨年の“100作目の朝ドラ”「なつぞら」でも印象深い演技を披露してきた清原さんが、
来春から“朝の顔”となることに対して異論を唱える人は少ないだろう。
一方、これで朝ドラの主演は、2018年度後期の「まんぷく」の安藤サクラさん以降、6作連続のキャスティングとなり、
フレッシュな若手女優を抜てきするという、みんながイメージする朝ドラオーディションは過去のものとなりつつあるが、果たして……。

「若手女優の登竜門」と言われることの多かった朝ドラ。そういった側面を視聴者に印象付けてきたのが、主演のオーディションだ。
近年では、2013年度前期「あまちゃん」ののんさん以降、2015年度前期「まれ」の土屋太鳳さん、同後期「あさが来た」の波瑠さん、
2016年度前期「とと姉ちゃん」の高畑充希さん、同後期「べっぴんさん」の芳根京子さん、2017年度後期「わろてんか」の葵わかなさん、
2018年度前期「半分、青い。」の永野芽郁さんが、10代後半から20代前半のときにオーディションによって主演に抜てきされたきた。
彼女たちがそれぞれの作品を通じて大きく知名度を上げたことは間違いない。
その一方で、長期間にわたる撮影や、ほぼ毎日放送される国民的番組の顔として過ごす日々の重圧は相当なもの。
ここ数年はSNSでの盛り上がり(次々と上がる視聴者の声)とも無縁ではいられず、
演技以外の面(ストーリー展開やメーク、ファッションまでと多岐にわたる)で主演が批判の対象になることもあった。
「半分、青い。」の永野さんは、クランクアップ後のインタビューで、「『朝ドラ、イコール大変』という印象がつきすぎるのが嫌」で、
取材の際には「『大変です』と言わないようにしていた」と明かしていたが、朝ドラの主演は、
それ相応の覚悟がないと務まらないポジションと言えるだろう。
これは偶然とは思うが、実際「半分、青い。」の永野さんを最後に、朝ドラ主演オーディションは行われていない。