【rとlが多い】スター・フェイスフル【薄幸美人】 [無断転載禁止]©2ch.net

1名無しさん@お腹いっぱい。2016/12/23(金) 23:57:48.46ID:DaoMruye
Starr Faithfull嬢の死を悼み、美しさ讃えるスレです

綺麗な顔してるだろ。嘘みたいだろ。死んでるんだぜ…
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生前の御姿
http://cdn.delitti.net/wp-content/uploads/2015/12/Starr-Faithfull.jpg
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エリザベス・テイラーの映画のモデルにもなった
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40名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/28(日) 17:15:23.09ID:/NoFb58c
ニューヨークのホテルの支配人が新入りの皿洗いの肩をたたく。
「元気をだせよ、君。われわれは無限の可能性を持つこのアメリカにいるんだぞ。
 わたしも皿洗いから始めたんだ」
「あなたはラッキーでしたよ。わたしは大富豪からスタートしたのですから…」

Kopf hoch: 元気を出せ
unbegrenzt: 無限の Moglichkeiten: 可能性
Geisterbahn: お化け屋敷

「なぜ自由の女神はニューヨーク港に立っているか、誰か分かりますか」
と女教師が地理の時間に質問した。
その時トーニが手をあげて答えた。
「えーと、自由の女神は座れないからです」

41名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/28(日) 17:53:57.98ID:/NoFb58c
Knullich: クニュリヒ
Enrico Caruso(イタリアの伝説的なテノール歌手)

Gejaule: 悲しそうにくんくん鳴くこと
Ischi Takeo(ドイツ在住のヨーデル歌手) Volksmujik(ポピュラー音楽)

Geigenkasten: ヴァイオリンケース
Zuhorerbank: 傍聴席
Konkurrenz: 競争相手
Bedauern: 同情

「ここは遊泳禁止です」と警官は若い女性に説明する。
「なぜわたしが服を脱ぐ前に言わなかったのですか?」
警官はいたずらっぽく言った。
「服を脱ぐのは禁止ではありませんでしたからね…」

警官は一方通行路を逆方向に走っている若い女性の車を止めた。
警官は彼女に質問した。
「ねえ、なぜあなたを止めたか分かってますよね」
これに対し答える彼女。
「ちょっと待って、わたしに当てさせて。寂しかった、とか?」

「赤信号を見てなかったのですか?」と警官はドライバーにきつく注意した。
「信号は見ていたのですが、あなたのことは見ていませんでした」

今までにその銀行は5回も銀行強盗に襲われた。しかも同じ犯人に。
「犯人について何か気づいた点はありますか?」と警部は銀行員達から聞き取ろうとした。
「犯人は次第に良い身なりをするようになりました」と出納係は答えた。

銀行員は金をビニール袋に詰め込みながら、銀行強盗に言った。
「ところで、もしわたしがあなたの立場なら
 このような大金を持って通りを歩き回ることはしないでしょう。
 ぜひわたしどものところで口座を開いて下さい」

農夫が禁固2ヵ月の判決を受けた。
妻はこの農夫に手紙を書く。「広い畑を掘り起こすのは、わたしには荷が重すぎるわ」
農夫は返事を書いた。
「お前が畑に手をつけようものならただではすまないぞ。
 そこに盗んだ金を隠したんだからな」
妻はそれに答える。「監獄の中で誰かがあなたの手紙を読んだに違いないわ。
          警察が来て、畑をすべて掘り起こしたけど何も見つからなかったの」
夫からの返信。「それじゃ、もうジャガイモを植えつけられるな」

42名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/30(火) 09:01:45.94ID:VbK5vZsA
Success is counted sweetest エミリー・ディキンソン 新倉俊一 訳

成功はすばらしく思われる
いちども成功しない人たちには
蜜の味がわかるには
はげしい飢えがいる

今日旗を奪った
真紅の部隊だれひとり
勝利の意味をはっきりと
告げることはできない

いま敗れて死にかけている
あの聞こえない耳に痛ましくはっきりと
遠くの歓呼の声が湧きあがる
兵士のようには

43名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/30(火) 09:06:41.03ID:VbK5vZsA
For each extatic instant

一瞬の喜びを
苦悩で支払わねばならない
その喜びに比した
厳しい身もふるえる割合で

一時のしあわせを
なが年のひどい貧苦で
争って貯めたわずかの端金と
涙で満たした手箱とで

44名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/30(火) 09:52:30.32ID:VbK5vZsA
I like a look of agony

わたしは苦悩の表情が好き
それが真実なことを知っているから
ひとびとはひきつけを装ったり
苦しさを見せかけはしない

その目は一度かぎりかすむ それが死
じみな苦しみでつながった
額の上の玉を
いつわることはできない

45名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/30(火) 22:01:55.19ID:VbK5vZsA
 やがて氷原が幾筋もの黒い水の帯で分かたれ、海がしだいに大きく口を開けていく。
祖母は囁くようにひとりごつ。
「ひっそりと氷の帆船(ガレアス)が進みゆく。
 アラスカの沿岸を見るために……。ノーメの夜」

トーベ・ヤンソン『時間の感覚』 冨原眞弓 訳

46名無しさん@お腹いっぱい。2018/01/31(水) 05:12:20.32ID:mQbRU68o
歌う塔と踊る城壁 七人の盲人(チリ民話) R.A.ラバル

47名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/04(日) 12:20:17.66ID:ZB/pm302
Presentiment is that long shadow on the lawn

予感は陽の沈むのを示す
芝生のながい影
おどろいている草に
夜がまもなく訪れる知らせ

On a columnar self

柱のような自己自身には
なんとたっぷり寄りかかれよう
悲しみやひどい苦しみの時に
なんという確かさだろうか
梃でもこじあけられず
くさびでも裂くことはできない
あの固い基礎の信念は
だれひとり自分の側にいなくとも

たくさんのひとの代りになる
自己自身と正義 ーー
この二つの結合は
はるかあの神の霊に近いものだ

48名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 14:13:27.58ID:S4Ur4Gbf
My cocoon tightens -------- colors teaze

わたしの繭はひきしまり 色がむずかる
いま外気を求めているのだ
羽が生える見えないちからが
わたしの纏っている衣をいらなくする

蝶のちからが今こそあらわれる
その飛ぶ素質は
ひろびろとした牧場を与え
空をらくらくと翔けまわらせる

そのように わたしも暗示を見損い
しるしに躓(つまず)いて
たくさんの誤りを侵すだろう
しまいには神秘の鍵を 解くことになるとしても

After a hundred years

百年あとには
だれもこの場所を知らない
ここで演じられた苦悩も
平和のように静かだ

雑草がわがもの顔にはびこり
見知らない人達が散歩にきて
ずっと昔の故人の
さびしい綴り字を判読する

夏の野を吹く風だけが
この道を回想する
記憶の落とした鍵を
本能が拾い上げて ーー

49名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 14:31:32.24ID:S4Ur4Gbf
晩秋のひとり歩き(A Late Walk) ロバート・フロスト 安藤一郎 訳

わたしが牧草地のあいだを通っていくと、
 頭(さき)のない二番刈りの草が
しとどの露をおびた藁ぶき屋根のように並べおかれて、
 庭への径を半ばふさいでいる。

そして庭の方へ近づいていくとき、
 萎んだ雑草のもつれ合う蔭から
飛びたつもの静かな鳥の羽音は
 どんな言葉よりも悲しい。

垣のそばにある一本の裸木、
 褐色の残り藁がただ一つ、
あれはきっと、わたしの想念にみだ(難感、じょう)されたのだろう、
 かさこそと静かに舞い落ちてくる。

このひとり歩きを遠くないところでわたしは切り上げる、
 最後に咲きのこるえぞぎくの花の
色褪せた青を摘みとって
 あなたのもとへまた持っていくために。

50名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 15:16:06.58ID:S4Ur4Gbf
火と氷 Fire and Ice

ある人々は世界の終りは火になるだろうと言う、
ある人々は氷になるだろうという。
自分が慾望を味わい知ったところから判断して
わたしは火になると言う人々に賛同する。
だが、もし世界の滅亡が二度あるものとすれば、
わたしは憎しみも十分に知っていると思うから
壊滅のためには
氷もまた偉大で
それもよいだろうと言いたい。

雪の粉 Dust of Snow

鴉がわたしの上に
栂の樹から
雪の粉を
ふり落した興趣、

それはわたしの心に
気分の転換をもたらし
一日の悔いの
幾分かを癒してくれた。

51名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 15:30:03.45ID:S4Ur4Gbf
春の水たまり Spring Pools

これらの水たまり、森の中ながら、完全に近い
天空をそっくり静かに映して、
そばにある花のように、冷えてふるえ、
そばにある花のようにやがてなくなるだろう、
それも流れや河によって出るのではなく、
暗緑の葉むれをもたらす根に吸われて。

その堅く閉じられた芽に、自然を翳らせ
夏の森となる葉むれをひそめる樹々 ーーー
彼らは二度考えるがよい、自分の力を用いて
ほんの昨日解けたばかりの雪から
これらの花の映る水、これらの水に映る花を
抹殺し、飲み干して、消してしまうまえに。

夜をよく知る Acquinted with the Night

わたしは夜をよく知る者である。
わたしは雨の中を出て歩いた ーー また雨の中を戻ってきた。
わたしは一番遠い市(まち)の灯(火に登、あかり)を通りこした。

わたしはこの上なく悲しい市の小路を見わたした。
わたしは持場を回る夜警の前を過ぎ、
説明する気もしないので、眼を伏せた。

遠くもう一つの街路から
途切れた叫び声が家並ごしに聞こえたとき
わたしは立ち止って、自分の足音を消した。

しかしそれでひき返すでもなく、さよならと言うわけでもない。
さらにもっと遠く天の高みで、
空に浮き出る一つの光を放つ大時計、

あれが時刻は悪くないし、よくもないことを告示していた。
わたしは夜をよく知る者である。

52名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 15:38:21.70ID:S4Ur4Gbf
すべての啓示 All Revelation

思考する頭は視界に向かうように突っこむ、
だが、どういうところから突き入るのか、
または古代の岩石崇拝の道をたどって
どういうところへ突き入るのか、
そこに来てどういう結果になるのか、

どこへそれがひっこめられるのか、
そこから何を得るのか、何を残すのか、
これらのことどもを精神はちょっと考え、
なお問いながら行ってしまう。
精神のふしぎな幻影!

しかし、不可侵の晶洞に
入ってしまった、その内部の結晶壁は
あらゆる尖りと面角に
光の陰極をおびて輝いた、知力の突っこみに応えて。

眼は眼の解答を求めて
星々をもたらす、花々をもたらす、
そのゆえに大きさということを恐れるにおよばない。
すべての啓示はわれわれのものとなっている。

53名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 16:18:20.82ID:S4Ur4Gbf
単 調 音 Monotone サンドバーグ 同訳

 雨の単調音は美しい、
また長たらしい雑多で混然とした雨の
突如として高まり徐々として静まる音も。

 山々に照る太陽は美しい、
また海に投げられて火と金色(こんじき)の
旗をおびる囚れの落日も。

 ぼくの知っている顔は美しい ーー
空と海の火と金色、
長い暖かな雨の安らぎを持って。

真珠いろの霧 Pearl Fog

 さあ、戸をあけたまえ。
きみの上衣(うわぎ)の襟を立てたまえ、
うつりゆく霧のスカーフの中を歩くために。
ここで真珠いろの霧にきみの罪を語りたまえ、
深まる夜は賢い女の
鼠のような眼に謎めいたものがひそむように
不思議にみちていることをいま知りたまえ。

 そうだ、きみの罪を語るがいい
そしてきみが破った法などには
真珠いろの霧がいかに無関心かを知りたまえ。

54名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 16:24:01.52ID:S4Ur4Gbf
窓 Window

汽車の窓から見える夜は
大きな、暗い、やわらかいものだ、
所々きらめく光の切尖(きっさき)で断たれて。

五月の高原 Uplands in May

みずみずしく美しく立ち戻る
古いものにむかうような驚きが
牧場や路の上にただようている。
低地に青々と草がのびだし
高原は高原とうなずき合う。
大きな峨々とした山々は謙譲だ。

55名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 16:39:48.83ID:S4Ur4Gbf
電信柱の下で Under a Telephone Pole

ぼくは空中に架けられた銅線だ。
とても細いので陽光を受けてもはっきりした一線の影も出来ない。
夜となく昼となくぼくは歌っている ーー 低い鼻唄となり爪びきの音ともなって。
それは恋であり戦いであり、また金なのだ。
、それは闘争であり涙であり、労働であり欠乏であり、
ぼくの中を通っていく死であり、また男や女の笑いなのだ、きみたちのことばん運びつたえる者、
雨の中では濡れて滴をたらし、あかつきに照れば乾く
    この一本の銅線。

56名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/05(月) 16:51:58.85ID:S4Ur4Gbf
三つの死体の話(El Cuento de los tres Difuntos) チリ民話

 ある日、外人らしい三つの男の死体に出くわした。
かれらの身元を確認しようとしたが、かれらには何の特徴もなかった。
しかし、解剖してみると、一人の腹からマカロニが出て来た。
それにより、この死体はイタリア人だろうと推定された。
もう一人の腹の中からはインゲン豆が見つかった。
この明らかな証拠により、それはチリ人だと考えられた。
三番目の腹の中からは何も出てこなかった。
そこで、討議した結果、ドイツ人だとわかった。

57名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/14(水) 13:59:39.79ID:fEFiHZQn
確実にどんな人でも可能な在宅ワーク儲かる方法
一応書いておきます
グーグル検索⇒『金持ちになりたい 鎌野介メソッド』

IPZGW

58名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/19(月) 09:32:34.58ID:Nm3VttCr
英仏海峡トンネル(1994-)

59名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/20(火) 20:19:41.96ID:o3vVMpdG
呼びかけ(Anruf) J. ボブロフスキー 神品芳夫 訳

ヴィルナよ、カシの木なる
おまえ ー
わたしの白樺なる
ノヴゴロドよ ー
かつて森には、いくとせものわたしの
春の叫びが上がった、川を見下ろし、
わたしの日々の足音が響いた。

ああ、あの明るい輝きは、夏空の
星たちはどこかへ行ってしまった。暖炉の
ほとりには民話の語りべが座り込んでいる。
夜どおしその語りに耳を傾けていた若者たちは
行ってしまった。

ひとりきりで語りべは歌うだろう ー
大草原を狼の群れが
渡っていく、猟師は
黄色の岩を見つけた、その岩は
月光を浴びて燃え立った、などと ー

聖なるものが泳ぐ、
一匹の魚が、
昔のままの平野を、森におおわれた
平野を通って泳いで行く。
祖先の人々の語る声が
今もなお立ちのぼってくる ー
他国の人たちを暖かく迎えなさい。
きみもまた他国の人となるだろう、やがて。

星たち: 少年時代の日々の象徴
大草原〜行く: 太古のサルマチア
黄色の岩: バルティック・アンバー

60名無しさん@お腹いっぱい。2018/02/24(土) 13:08:49.58ID:erC1cxnD
豹 リルケ

鉄柵の間から
外をながめ続けたあまり
彼の目は力を失い
世界は無数の鉄柵となって
その向こうの世界は
失われた

小さい輪を描いて
ぐるぐると
堅い足どりは
踊りの儀式のように
麻痺した意志の周囲をめぐる
時おり 瞳のとばりが
音もなく上がり
形を捕らえ
それは緊張した無言の肩から
心臓に伝わり 息絶える

61名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/02(金) 23:23:10.11ID:u6Gnub9c
…私はそれまで、なつかしいわが英国の床しい思い出に溢れる、
涼しい緑の樹と草に埋もれた美しい小さい家屋敷を想像していた。
それで彼の家がみすぼらしい農舎にすぎないし、
鋤を入れたか、掘り返したかした地所を区別して、家のまわりに溝があり、
緑はなにも見えないのにすっかりがっかりした。
しかし、ウィンチクーム氏は、まだろくに耕作する暇がなかったのだといっていた。
「ただ野菜みたいなのはねえ、君。」と彼はいった。
「そのようなものも見あたりませんね。」私は答えた。
「うん、そう。ここには毛虫とか甲虫とかがうじゃうじゃいて、
 みな喰いつくしてしまうんだからなぁ、この通りにね。」彼はいった。

W・H・ハドソン「パープル・ランド ー 美わしきかな草原 ー 」 柏倉俊三 訳

62名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/02(金) 23:44:54.68ID:u6Gnub9c
…ロス・ラウレレスの正確な位置を教えることはできないが、たとえば、
この広い大都会や周辺の平原とはちがい、
川岸のゆるやかな傾斜地に開けた、木陰の多い、のどかな北部の村の一つを思い浮かべてもらえばいい。
汽車の旅は退屈なほど長かった。
しかし言うまでもないが、子供の時間はゆっくりと流れるものだ。
日が暮れかけるころ、わたしたちはやっと別荘の門をくぐった。
ほどよく焼けた肉の匂い、木立ち、犬、枯れ枝、人びとが周りに集まっている火。
わたしは、むかしながらの素朴なものがそこにあるのを感じた。

ボルヘス『めぐり合い』 鼓直 訳

63名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 22:58:25.64ID:NK4WRXYQ
子供のとき(Kindheit) ボブロフスキー 神品芳夫 訳

あのころわたしは
ウグイスが好きだった ー
鐘の音のような響きは
茂った葉むらのなかを
せり上がり、くだるのだった。

わたしたちが森の緑にしゃがみ込み、
朱い木の実を草の茎に通しては
環をつくって遊んでいると、
車を引きながら白髪のユダヤ人が
通り過ぎて行った。

64名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 23:01:32.66ID:NK4WRXYQ
それから真昼、ハンノキの林の
黒い影の中に動物たちは佇んでいた。
腹立たしげに尻尾をふりあげて、
激しく叩いてハエを追い払っていた。

それから、滝のような大雨の
幅広い布が、大空の門が開いて
落ちてきた。雨のしずくは、
土のように、もっぱら暗闇の
味がした。

65名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 23:06:58.50ID:NK4WRXYQ
あるいは、若者たちが馬を駈り
岸辺の径をやってきた、
つやのいい栗毛の馬の
背に跨って、彼らは笑い声をたてて
川の深みを渡って行った。

垣根のむこうには、蜜蜂の羽音が
ふくらみ高まった。
日暮れ近く、葦の生い茂る湖畔の
イバラの茂みを、不安が
銀の鳴子が、音をたてて通った。
垣根が草におおわれて、
闇が広がり、その奥に窓と扉があった。

66名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 23:10:49.37ID:NK4WRXYQ
そこには老女が、その人の匂いのただよう
部屋の中で歌っていた。ランプが
音をたてていた。男たちが
入ってきた。彼らは肩越しに
犬たちに声をかけていた。

沈黙の中で長く枝分かれしていく、夜の闇 ーー
だんだん滑り落ちていきながら、辛くも
詩句から詩句へと持ちこたえる、時間 ーー
子供のときよ ーー
あのころのわたしは
ウグイスが好きだった ーー


老女→歌謡伝承を務めとしていた

67名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 23:45:24.57ID:NK4WRXYQ
ペルクーン、ピコル、パトリンペ→プルッセン族の土着の神々

68名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/03(土) 23:59:38.68ID:NK4WRXYQ
風車(Windmihle)

光、
泡立つ光、
平原の上に、切り立つ、
輝きでできた山、とほうもない
ざわめき、嵐が飛ぶ、
稲妻を吸い込みつつ、
おそろしい壁が空にそびえる。

砂丘を越えて
海辺に出て、そこから
一本の木もない沖積地を
わたしは歩いていった。
影なく、夢なく、わたしは
草刈りの人たちと一緒に歩いた。風車は
じっと、昔のままに立っていた。今や
灰色の翼で風車は風をつかむ。
音もなく風車は土地の上高く立つ。

69名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/04(日) 00:04:45.73ID:+EXNAdpY
アオサギと一緒に
風車は行く。白い空を背にして
大きく。遠くから
不毛な冬の眼が
風車のうしろから照る。

カワセミよ、こころよ、
魚の骨や鰭から
穴の中におまえの巣をつくれ、
ささやく血の中に。

平原の子らの、娘や息子のところに、
歌謡や舞踊から生まれた
小さな影たちのところにとどまれ、
雪に向かっては
十一月の草でもかざすしかなかろう。


カワセミの言い伝え→真冬に巣作りを始めると風がおさまり、海が穏やかになる

70名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/04(日) 00:12:37.83ID:+EXNAdpY
Wiederkehr: 回帰(独) ライラック色の時
ペルクーン: プルッセンの雷神、破壊の神
Die Daubas: はざま(リトアニア)
Absage: 拒絶

71名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/06(火) 02:44:49.46ID:1/XjIf/q
鷲(Der Adler)

翼をひろげ
河の上を、
湿原の森の上を舞う
鷲 ーー 雷雲の空に
輪郭を燻らせてただようしるし、
わたしの扉の木に
打ち込まれた鉤爪 ーー わたしは
目覚めるだろう、よろけながら、森深い山の麓で
眼を瞬かせて目覚めるだろう
茂みの中から。

翼をひろげた
鷲をわたしは我が家の棟に
釘で打ち付けた ーー わたしは
眠るだろう、眠りながら
飛ぶだろう、灰のしるしとなって、
森の上を。

鷲→ゼウスの使者として神の到来を告げる鳥
鉤爪→WW2の罪過を負うドイツ国民の象徴

72名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/06(火) 02:51:09.05ID:1/XjIf/q
ドリュアス(Dryade)

白樺、樹液で
冷たい、樹、ぼくの手の中にある
息吹、張りつめた
樹皮、しなやかなガラス、
けれどももっと奥に感じられる
動き、幹を満たし、
分かれた枝の先々まで
伸びてくるもの。

さあ、
うなじの下まで、
おろしてごらんきみの髪を。聞こえるよ
この手の中に、聞こえるよ
冷たさを通して、風のそよぎのようなものが、
流れの始まるのが聞こえる、
満ちてくる潮が、
めまいが
耳の奥で歌っているのが。

73名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/06(火) 02:54:33.20ID:1/XjIf/q
Sommergeschrei: 夏の叫び Wihtergeschrei: 冬の叫び

74名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/06(火) 03:29:55.47ID:1/XjIf/q
貝のホルンを吹く精霊(Der Muschelblaser)

美しい風の精が、桜色の尖った
貝のホルンを吹く。鳴る音を手で分けると
その調べはこちらへ、あちらへ飛んでゆく。
川辺の鳥たちとは飛び方が違うのだ。

わが友、風の精は、むこうの牧場で
眠るのが好きだ。わたしは彼のもとですでにあれこれ
学んだけれど、いまだに身についていないのは、彼のように
のどかに憩い、闇の縁にもたれながらも

それでも明るいところに身を置いて、
ほどもなく子供のようにつぶらな瞳をして目覚めること。
どうすればこの友と同じようになれるというのか、
ひたむきな愛をもち、眠りもせずに、雨に打たれて。

75名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/07(水) 16:41:57.98ID:zECRwLQ2
渡り鳥の道 一九五七年

I

わたしは雨の中で眠り、
雨降る葦の中で目覚めた。
葉が落ちる前に、わたしは間近に月を見て、
渡り鳥の叫びを聞く、
大気を震わす声、空を打ち砕く
白い叫び声を。

狼たちが嗅ぎつけるように
素早くそして鋭く、
妹よ、耳をすましてごらん。ワイナモイネンが
歌声を風に託して、
雪でこしらえた翼を
おまえの肩に投げかけている。わたしたちも
翼をつけて歌の風にただよってみよう ー


ワイナモイネン: フィンランドの太古の吟遊詩人、歌で万物を揺り動かす

76名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/07(水) 16:47:58.55ID:zECRwLQ2
Vogelstraben 1957

II

けれども広い
空の下にただ、誰も通らない
道だけが残されて、羽根をつけた者たちの
群れは消えた ー
眠りながら風にのって
彼らは飛んでいた。ひとつの新しい
太陽が燃え立ち、火柱が
噴きあがった。彼らは焼けこげて
灰の樹木となった。

あそこでわたしたちの歌も
吹っ飛んだのだ。
妹よ、おまえの手は
青ざめている。おまえはわたしの闇の中で
眠りつづけている ーー いつわたしは
鳥たちの不安を歌えばよいのか。


1957年→旧西ドイツにて核兵器による国防体制の強化、同時期に↓
新しい太陽、灰の樹木→イギリスで行われた原爆実験

77名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/07(水) 16:50:02.79ID:zECRwLQ2
>>71以降は田中謙司 訳

78名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/07(水) 16:57:56.41ID:zECRwLQ2
プシェミシル、ブジョズフ、ミェーレツ
→ポーランドはガリシア地方の地名
 ユダヤ人迫害が激しかったとされる

79名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/07(水) 17:00:54.96ID:zECRwLQ2
>>67
ペルクーン→ペルーン(スラヴ化)

80名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 13:51:33.16ID:LzKNWeca
冬の叫び

鴉、鴉、
緑の氷、河の上を飛ぶ
鴉。凍える
茂みは、岸辺の上方へ
逃げて行った。

雪は、おまえの翼がかすめても、
舞い立たない、
鳥よ、茂みの鳥よ、しかし
氷に閉じ込められた
少しの血
おまえの心臓、
おまえの鳴き声は砂州の上に残る
煙の跡、
倦むことなく
抱擁が繰り返された場所では、いつでも
河は生きていた。

Wintergeschrei

81名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 14:02:07.90ID:LzKNWeca
B・Lの思い出(ボブロフスキーはパステルナークの詩に傾倒していた)

村が鳴り響けば、
砂の道と、柵囲いのまわりで
息づく緑、
雨があがれば、
ツバメの飛翔、空は、
白く、虹をかけるのに十分広く、
夕べ、手がひたと添う
こめかみ、口は
声をたてずに歌う。

そして
呼ぶべきものはもう何もない。
星は飛ぶ、ざわめきながら、
翼をつけて、あなたの死が
わたしの生に問いかける。雨
(とわたしは言う)そして緑、鳥が
空のアーチをかすめて飛び、
光が舞いあがった。もうもうとした
輝き。わたしたちには彼が
もう見えなかった。

Gedachtnis fur B. L.

82名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 15:19:01.42ID:LzKNWeca
 翌日、町へ下りる仕度をしていたら、わたしの部屋に一匹の蝶が入ってきた。
昨日のと同じくらいの黒さだったが、大きさはそれをはるかに上まわつていた。
前の日を思いだし、わたしはくすっと笑い、すぐにエウゼビアの娘のこと、
その驚き、だがそれにもかかわらず崩すことのなかった気丈さを思いうかべた。
蝶は、わたしの周りでさかんに羽を動かした末に、わたしの額にとまった。
振りはらうと、窓ガラスのところへ行ってとまった。
だがわたしがふたたび振りはらったため、今度はそこから父の古い肖像画のところへいき、その上にとまった。
夜のように黒かった。
いったん落ちつくと羽を動かしはじめ、その悠然とした態度が、
なにやら人を小馬鹿にしているようで、わたしはひどく不愉快になった。肩をすくめて部屋を出た。
だが数分後に戻ると、まだ同じところにいる。
わたしはしゃくにさわり、タオルに手をかけ、それで叩いたら、蝶は落ちた。
 死んで落ちたわけではない。体をまだよじらせ、触角をぴくぴくさせていた。
わたしは哀れになり、手のひらにとって窓の桟の上に置いてやった。だが、遅かった。
不幸な蝶は数秒内に息絶えた。
わたしは少しいやな気分になり、心の中にしこりが残った。

ブラス・クーバスの死後の回想 武田千香 訳

83名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 15:21:36.41ID:LzKNWeca
ディアーナ→月と樹木の女神

84名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 15:33:41.52ID:LzKNWeca
 何よりも奇妙なのは、時計が止まると、わたしがせんまいを巻き、ぜったいに止まらないようにし、失われていく時間のすべてを数えられるようにきておくことだった。
いろいろな発明がなされ、それらは変容し、終焉を迎える。制度だって死に絶える。
だが、時計は絶対かつ永遠だ。
最後の人間とて、燃えつきた冷たい太陽に別れを告げるときには、
やはりポケットに時計を忍ばせ、死に至る正確な時間がわかるようにしておくことだろう。

マシャード・ジ・アシス「ブラス・クーバスの死後の回想」

85名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 15:54:09.02ID:LzKNWeca
Di pari, come buoi, che vanno a giogo; 「くびきでつながれた牛のように寄り添って」 ダンテ『神曲・煉獄編』第十二歌

86名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 16:12:04.05ID:LzKNWeca
糸杉→喪・哀悼の象徴
イン・エクストレミス: 臨終
裏返った靴下、星を指さすと疣(いぼ)が出来る→死を暗示する
ディスコース: 談話
ゼフィール→西風の神
ウマニウス ゼノンのパラドックス
カササギの間、シントラの夏の離宮(ポルトガル)
サン・クリストーヴァン地区(ブラジル皇宮があった)

87名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/09(金) 16:25:55.49ID:LzKNWeca
百三十六章 無益

それにしても、わたしが大きな勘違いをしているのか、あるいは無益な一章を書いてしまったのか。

88名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/10(土) 08:27:02.55ID:4SnvlPUf
…町中の大きな商店、会社、またはなにかめぼしい口のありそうだと思われるあらゆる家を、つぎつぎに訪れた。
どうしてもなにかはじめなければならなかったので、私はどんなくだらないものでも軽蔑する気はなかった。
私には、それほど、貧乏でぶらぶら居候しているのがたまらなかったのだ。
しかし、どんな仕事にもありつけなかった。
あるところの話では、町はこの前の革命の打撃がなおらずにいるので、
商売などは全く干上がった有様なのだということであり、
またあるところでは、町は革命の前夜なので、商売も上がったりの有様なのだともいった。
どこへいっても、おなじことであった。
この国の政治の状態では、まっとうな金なら一ドルだって握ることはできない相談であった。

W.H.ハドソン「パープルランド」

89名無しさん@お腹いっぱい。2018/03/10(土) 09:12:12.81ID:4SnvlPUf
 いかけ物屋のパット・ダイバーは流れ者の生活をしていて、見も知らぬ屋根の下で寝ることには慣れていた。
くすぶったような小屋で乞食の毛布に入れてもらったこともあるし、
けわしいイニシュオェンの山のあちこちの山陰でウィスキーが密造されるのだが、
そのたくさんある蒸留器のそばにうずくまっていたこともあれば、
また青天井の何もないヒースの原や、溝の中で寝たこともあった。
だが或る特別な晩のことに比べれば、こうした冒険の毎夜のことなど、
まったくもっておだやかでしごく平凡なものだった。

レティシア・マクリントック『ドニゴールのファー・ジャルグ』 井村君江 訳

90名無しさん@お腹いっぱい。2018/04/03(火) 00:41:13.10ID:QDTn9NNv

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