トラックからフェリーや鉄道へモーダルシフトが今日のわが国の政策であり、九州・中国地方唯一24時間海上空港北九州空港の貨物
需要増加が示すUPS、大韓航空、ヤマト運輸など定期便就航のニュースが賑わせています。本州から九州への貨物便すべてが
停車する貨物列車本数九州最大停車駅北九州貨物ターミナル駅がある門司駅~折尾駅まで貨物専用複線区間を有する北九州市の
小倉駅から足立山(トンネル)経由で北九州空港に連絡する貨物旅客併用列車運行が出来る鉄道建設が早急に必要となっている。
新市長にはぜいともこれを実現してほしい。福岡県、九州全域を俯瞰すれば、欧米主要都市との定期便を持てる国際空港の設置は喫緊
の課題である。現在、福岡空港が2,000億円近くかけて二本目の滑走路を建設中である。しかし、これが2024年度中に完成しても、
混雑空港に指定されている同空港の発着枠はすぐに埋まるものと見込まれ、将来の需要予測に対応できないことは明らかである。一方
、北九州空港は海上空港であり、24時間離発着が可能である。これらの諸点をふまえると、北九州空港に福岡空港を補完させ、連携
し運用を図ることが不可欠だ。そのためには、高速で定時性の確保できる軌道系アクセスの整備が大きな課題となる。この軌道系
アクセスの検討は、北九州空港の利用者が200万人を超えてからが想定されているが、そのようなペースでは世界の潮流に置いて
行かれてしまうことになる。足立山をトンネルで抜いて、貨物併用新幹線を空港まで引き込むのは1,200億円程度でできるので東京駅
から羽田空港より短時間で福北を結ぶことができる。県は至急に福岡空港と北九州空港の位置づけ、機能分担、連携のありかた等を
明確にすべきであろう。北九州市には仁川ハブや沖縄経由のアジアと結ぶ国際貨物定期便などを持つ北九州空港、国際拠点港湾
北九州港がある。また高速道路の九州自動車道、東九州自動車道の結節点という交通の要衝に位置していることからも、わが国のみ
ならず東アジアとしての視点からも物流拠点となるポテンシャルを備えている。今回の新型コロナウイルス感染症流行の経験から、
リスク分散に向けて今後サプライチェーンの見直しが進むことは必至である。国内回帰とともに、特定国への依存度を下げ、多くの国
への多様なネットワーク形成がなされる、この環境の中で、空路や航路の誘致に、これまで以上に積極的に取組み、物流拠点形成を一層推進しなければならない。