http://www.j-poison-ic.or.jp/sanjyo/ryukasuiso.pdf
日本中毒情報センター発行の硫化水素毒性情報からの抜粋

・中枢抑制・呼吸抑制作用  高濃度では直ちに中枢抑制、呼吸抑制を引き起こす。
・頚動脈洞、呼吸中枢に対する刺激作用  高濃度では頚動脈洞刺激による反射性の窒息、呼吸中枢の過剰刺激のため起こる無呼吸による窒息
・800〜1000ppm では一呼吸以上でほぼ即死する。ノックダウンといわれるくらい急激で、失神の際の転倒や転落でけがをすることがある。

つまり、1000ppm以上の硫化水素を1呼吸した場合、呼吸直後に死亡するのではなく、
肺 → 肺静脈 → 心臓 → 頸動脈(ここで頚動脈洞刺激で呼吸が止まる)
というルートをたどるので、少なくとも何秒かはかかるだろうが、
1分以内に意識消失するのは確実。あとは首吊りと同じで、30分くらい
自発呼吸が復活して新鮮な空気を吸わない限り逝けると思う。

また、「毒性は曝露された時間の長さよりも、濃度に密接に関連している」とも
記載されているので、1000ppmを超えて高濃度になるほど確実性が増す。


★ 硫化水素事故と自殺に関するこれまでの実例について ★

1:平成17年12月29日、秋田県湯沢市高松の泥湯温泉で、一家四人が硫化水素で全滅するという事故が起こった。
 報道によれば、駐車場わきのくぼ地(直径約2メートル、深さ約1.5メートル)で倒れている妻と息子2人を発見した父親が、
 助けに行こうとしてパタンと倒れたそうだ。
 これがきっかけとなって、硫化水素は原材料の調達が容易で、なおかつ自殺に利用できるほどの強力な毒ガスであることが判明した。