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新潟市の阿賀野川河口近くにある中州は,北陸地方最大級のサギの集団繁殖地だ。
長さ800メートル,幅200メートルの中州に毎年2000の巣が出来る。岸から300メートル離れ,ヒトは近寄れない。
無数のサギが,中州の木に止まっていた。
貴社の頭上を越えて中州に入るのも出て行くのもいる。早朝はアオサギが多かった。午後の中州ではゴイサギが休んでいた。アマサギやチュウサギ,ダイサギ,
コサギもいる。春に集まり,秋にはどこか南の越冬地へと旅立つ。
中州の上流部を,高速道路の日本海東北道が走る。片側2車線の橋は,長さ951メートル。02年5月に完成した。
地元の自然保護団体は,工事の物音や作業員の接近でサギが逃げるのを心配した。そこで,日本道路公団は,建設中に工事箇所から遠い下流部にサギの模型をおいた。
サギをそちらに誘導する為だ。狙いどおり下流にすが作られ,営巣数は減らなかった。公団の新潟工事長,mnさんは,
「サギを無視して工事は出来ない。ふんが臭くて嫌われるので,人家近くに巣を作られても困る。」
と話す。
東京港の人気スポット,レインボーブリッジのそばに,幕末に造られた人工島,第六台場がある。ダイサギの繁殖地だったが,87〜93年の建設中に姿を消した。日本野鳥の会のmkさんは,
「橋の上から覗かれるのは,不安だったはず」
と話す。