アホウドリ産卵確認 小笠原・聟島
12月13日 10時47分 NHK

絶滅が心配されている国の特別天然記念物「アホウドリ」の新たな繁殖地
として期待されている小笠原諸島の聟島(むこじま)で、1組のつがいの
産卵が確認されました。
卵がふ化すれば、絶滅を防ぐ取り組みに弾みがつくことから、専門家は
「慎重に観察を続けたい」と話しています
環境省と山階鳥類研究所などは、伊豆諸島の鳥島に生息する
「アホウドリ」が火山の噴火で絶滅しないようにするため、新たな繁殖地を
350キロ離れた聟島に作る試みを5年前から進めています。
こうしたなか、先月9日、聟島でNHKと山階鳥類研究所が設置していた
カメラに1羽のメスの足元に産卵された卵が写っていました。
聟島での産卵は、去年も同じ時期に確認されていますが、その時は
受精しておらず、ふ化には至りませんでした。
ことしも同じつがいによる産卵で、山階鳥類研究所によりますと、
このつがいは産卵が確認される前日にしか交尾をしておらず、
受精しているかどうかは現時点では分からないということです。
卵がふ化すれば、絶滅を防ぐ取り組みに弾みがつくことから、
山階鳥類研究所の尾崎清明副所長は、「オスとメスが交代で卵を抱くなど、
つがいとして成長しているのがみてとれる。ふ化に至るかどうか、
慎重に観察を続けたい」と話しています。