>>10続き

ハイテク地区では、国内最高峰の高層ビルになると見込まれていた「ゴールディンファイナンス117」の建設が、
2年以上にわたって中断している。このビルは未完成のままで、
基礎部分には背の高い雑草が生い茂っている。

「民間投資家は、市当局の新たなコンセプトと公約に魅了されたが、
現実が言葉に追いつかなかった」と浜海新区の開発に関与していた不動産関係者は、
中断しているプロジェクトについて匿名で語った。

商業用不動産代理店のJLLによれば、浜海新区の「グレードA」オフィスの空室率は、
3月末で67%に達していると指摘する。

<歳入不振>

建設ブームの際に生じた債務利払いの大半をカバーするため、天津市は長期にわたり、
土地利用権の売却で得た収入に頼っていた、と政府関係者は語る。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、天津の国営企業が抱える負債は昨年、
地方政府歳入との対比で600%以上に達しており、中国で最も大きな数値となっている。

だが昨年、不動産価格の高騰を沈静化するための緊縮措置が強化されて以来、市場は不振に陥っている。
今年の第1・四半期、歳入のうち、主として土地売却で構成される項目は前年同期比10.8%減少した。
証書譲渡税及び土地付加価値税による税収も31.5%低下した。

Tianjin Municipal Developmentの親会社であり、市政府が直接保有している天津都市建設集団は、
5月2日に開示された財務報告書によれば、16年の黒字から一転して昨年は2600万元の赤字となった。