焦点:頓挫する「中国版マンハッタン」、債務抑制が天津を直撃
https://jp.reuters.com/article/china-debt-tianjin-idJPKBN1JL0RD?il=0

中国北部の港湾都市・天津の経済に、ほころびが生じつつある。
同都市の景観をここ数年大きく変貌させてきた借金頼みの投資を、地元政府が抑えこもうと悪戦苦闘しているからだ。

6月15日、中国北部の港湾都市・天津の経済に、ほころびが生じつつある。
かつて「中国版マンハッタン」ともてはやされた新たなビジネス街では、
多くの高層ビルが未完成、あるいは空室だらけのまま、とり残されている。
写真は5月、天津のハイテクエリアに立つ空室の目立つ高層ビル群
https://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&;d=20180629&t=2&i=1277617135&r=LYNXMPEE5O0GQ&w=800

一部の国営企業は債務不履行に陥るか、債務返済のための資金繰りに追われており、
金融機関の中には地元企業に対する融資を拒否するところも出てきているという。
ロイターによる金融機関や政府関係者への取材や閲覧文書で明らかになった。

かつて「中国版マンハッタン」ともてはやされ、
今では少し控えめに「中国版カナリーワーフ」などと呼ばれる天津市の新たなビジネス街では、
多くの高層ビルが未完成、あるいは空室だらけのまま、とり残されている。

経済規模がベトナムのそれに匹敵する天津市だが、悩みの種は、
「中国経済を債務依存の成長モデルから脱却させる」という習近平国家主席が掲げた公約のテストケースとして注目を集めてしまうことだ。

海に面した天津市は北京の玄関口であり、高速鉄道でわずか30分の距離にある。

環境汚染や地方政府が抱える公的債務、影の金融(シャドーファイナンス)を抑制する動きによる直撃を受け、
中国経済には歪みが生じており、天津市にもこの問題が反映されている。
中国は14日、5月の投資成長率が22年以上ぶりの低水準になったと発表した。

中国政府が、信託などを中心とするシャドーファイナンスの経路を封じることで、
ハイリスク融資の引き締めと不良債権の抑制に取り組む中で、
特に深刻な影響を受けているのが天津の国営企業である。