ちなみに上の説明だと主に貧富について書いたけど、実際に聖書を紐解くととにかく世の中のありとあらゆる価値観を徹底的にひっくり返していく(本当に、「え、そこまで否定しちゃうのか」というところまで否定してしまう)。

読者としては、自分が今まで信じていた価値観が徹底的に破壊されるものだから、ふつうの人は激しく反発する。
しかし、どうしようもない社会でやっていけない人や、既存の価値観では満足ができない研究者・文学者の心を激しく撃ったりする。

日本の葬式仏教や神道ではこういう「価値観の逆転」という要素がないので、あんまり信仰がどういうことかピンとこないのだけど、キリスト教圏で「信仰を持つ」と言えば世俗の価値観と違う価値観を受け入れているということを意味する。