というか、役所広司のキャスティングが決定的に失敗してるんじゃないかな?
得体のしれない闇とかどこまで続いているのか分からない深さみたいのが表現されていない
この作りならそこんところが重要になってくるはずなのに

コイツは事実を言っているのかそうでないのか
それともそんなことはどうでも良くてコイツ自身にもっと重要な鍵があるんじゃないか?
何が真実かじゃなくて追求すべきはひょっとしてそこじゃないのか?

観客にそう思わせる必要があった
実際に物語は途中から真実についてはもうどうでも良くなっている
しかし役所の演技や存在感が飄々とし過ぎていて、観客の興味がそこに対してうまく誘導されていないのだ
だから観客は真実を知ることを拠り所として観進めるわけだが、ご存知のようにそれは体よくはぐらかされて映画は終わる

こんなんで「あなたは器なのか」と言われても空々しいだけだ
狙いが外れまくっていて観ていて恥ずかしくなったよ
まるでブサイクが精一杯イケメンぶっているような類の薄ら寒さだw

哲学的なセリフも思わせぶりに散りばめられているが、それが役所のキャラ構築にちっとも寄与していない
むしろ乖離してしまって役所のキャラの浅さをより際立てることになってしまっている

佐藤二朗とかだったらどうだったろう?
そんなふうに三隅役としてフィットしそうな役者を想像してみるのも一興かもしれない