いつも脳筋ヒーローを演じるジェラルド・バトラーが超天才科学者に扮し、アンディ・ガルシアが米大統領という、悪い冗談みたいな配役もトリップ感を増大させる。
いや、ああ見えてバトラーは俳優を志す前は弁護士だったので、むしろこういった役にたどり着くのが遅かったくらいだが、こうしたミスマッチもマグニチュード10級の衝撃となって観る者を激震させるのだ。

まさに人類は、本作と出会うために生まれてきたといっていい。
とりわけ際立ったその脱知性ぶりは、同じSFでも「メッセージ」(16)や「ブレードランナー 2049」(17)の高尚さに疲れた者が観ると、きっと居場所を実感できることだろう。


お前ら向けだってよ