サッチモ、ニューヨーク・フィルと共演、指揮レナード・バーンスタイン


こんな夢のような共演が本当に実現したのは、1956年7月16日のことである。

ヨーロッパとアフリカの演奏旅行を成功のうちに終わって帰国したルイ・アームストロングはこの日、
ニューヨークのルイソン・スタジアムでおこなわれたグーゲンハイム・コンサートに出演、シンフォニー・オーケストラと共演したのだ。
サッチモのトランペットと5人のミュージシャン、、、トロンボーン、クラリネット、ピアノ、ベース、ドラム、6人編成のサッチモ・オールスターズの後ろには控えるのは、
ニューヨーク・フィルの88人のメンバー。後年お馴染みとなった白髪ではなく、黒々とした髪をなびかせた若々しい、当時新進の青年指揮者、37才のレナード・バーンスタインがタクトを振った。

2万5000人の聴衆の中には、盲目となったブルースの父、83才のW・C・ハンディの姿も見え、自作の『セントルイス・ブルース』が演奏されるのを、涙を流しながら聴き入っていた。