私のただ一つの心の慰めは吉祥寺にある「こんつぇると」という
 クラシック専門の喫茶店に行って音楽を聴くことだった。
 その店では談話は禁止されており、皆静かに音楽を聴く店だった。

 閉店間際、もうほとんど誰もいなくなった店内で、バッハの
 ゆったりしたオルガンを聴いている時ふと、そんな私でも
 生きていていいんだという声を聞いたような気がした。

    「自己変革の心理学」(伊藤順康)