>>461, 462

 戦時中の日本が「敵性文化」を禁止したことは、戦後になって馬鹿にされてきたことだというのに、日本人の
国民性は変わらんな。むしろ「敵性文化」に積極的に触れて敵側の考え方を理解できるようにするべきだろう。
 「ボリス・ゴドノフ」や「ホヴァーンシチナ」のような政治オペラはそのための格好の教材だ。それから、
歌詞の中では触れられていないと思うが、「マゼッパ」の反乱は史実ではウクライナの独立運動に連動していた。
 ロシアの人達には白痴(苦行僧)の最後の歌を聴いてほしいところだ。
 ひょっとするとロシアでは、「金鶏」の上演は自粛ないし禁止されているかもしれない。

 今年の東京春祭で、ローエングリンが上演されるが、第1幕冒頭の国王のアジ演説で、UngarnをRuslandに歌い変えると
現在の情勢にピッタリくる。両大戦中のドイツの聴衆たちは、脳内でそのように変換していたろう。リソルジメントの
時代には、歌詞をわざと歌え違えてオーストリアへの抵抗の意思を表したことがあったと本で読んだことがある。
 それは無茶としても、大概の場合にカットされるグラールの物語と白鳥の歌の間の箇所をノーカットで演奏して、
ローエングリンに、「東方の蛮族がドイツを侵略することは未来永劫に無い」と歌わせるくらいのことはアリかも。