山形県米沢市にある半導体大手ルネサスエレクトロニクスの子会社工場に勤めていた男性(当時38)が2017年1月に急性心筋梗塞で死亡し、同年12月に米沢労働基準監督署が過労死として労災認定していたことが4日、代理人弁護士への取材で分かった。

弁護士によると、男性は工場で機器のメンテナンスなどを担当し、深夜・休日を問わずトラブルに対応。米沢労基署は、亡くなる直前4カ月間の時間外労働が月平均約80時間、直前1週間は25時間に達し、過剰な負荷と疲労の蓄積があったと認定した。

男性は17年1月23日午後11時すぎに帰宅し、風呂と食事を済ませて就寝後、突然うめき声を上げて、そのまま亡くなったという。妻と3人の子供がおり、遺族側は会社に慰謝料などを請求する予定。

男性の妻は手記を公開し「真面目で責任感が強い夫は、不眠や胸の痛みを訴えることもあったが、会社を休み病院に行くこともできなかった。過労死認定後も会社側から謝罪はなく、誠実さが感じられない」と悔しさをにじませた。

親会社のルネサスエレクトロニクス(東京)は「亡くなった社員とご遺族にお悔やみ申し上げる。法令違反はなかったという認識だが、労災認定を重く受け止め、時間外労働の見直しなどを進める」とコメントした。〔共同〕