弁護士によると、男性は工場で機器のメンテナンスなどを担当し、深夜・休日を問わずトラブルに対応。米沢労基署は、亡くなる直前4カ月間の時間外労働が月平均約80時間、直前1週間は25時間に達し、過剰な負荷と疲労の蓄積があったと認定した。
男性は17年1月23日午後11時すぎに帰宅し、風呂と食事を済ませて就寝後、突然うめき声を上げて、そのまま亡くなったという。妻と3人の子供がおり、遺族側は会社に慰謝料などを請求する予定。
男性の妻は手記を公開し「真面目で責任感が強い夫は、不眠や胸の痛みを訴えることもあったが、会社を休み病院に行くこともできなかった。過労死認定後も会社側から謝罪はなく、誠実さが感じられない」と悔しさをにじませた。
親会社のルネサスエレクトロニクス(東京)は「亡くなった社員とご遺族にお悔やみ申し上げる。法令違反はなかったという認識だが、労災認定を重く受け止め、時間外労働の見直しなどを進める」とコメントした。〔共同〕