アイリスが家電メーカーへと変貌できた秘密が、大阪の「大阪R&Dセンター」にあるという。
初めて撮影を許された「なるほど家電」開発の中枢。
すでに洗濯機やエアコンなど、大型の白物家電も手がけていた。

開発が可能な理由は人材にあった。
そこにいるのは東芝、シャープ、パナソニック……
ほとんどが大手家電メーカー出身のベテランエンジニアなのだ。

アイリスが家電部門を一気に拡大したのは2012年。
その頃、大手家電メーカーは海外勢との戦いに敗れ、大規模なリストラを断行していた。
大山は、家電業界のピンチをチャンスと捉え、職を失った優秀な技術者を大量に採用。
一気に、家電事業のアクセルを踏んだのだ。

「有能な技術者までリストラされた。彼らの持っているノウハウと我々の持っているアイデアをミックスしよう、と」(大山)

アイリスの躍進を支える、新天地で再出発したベテランたち。
シャープでエアコンのエキスパートだった雨堤正信が当てたのは、スマホを使って誰でも簡単に遠隔操作できるエアコン。
「帰宅する前に部屋が暑いと思えば、先にエアコンを入れられます。年を取ってもやる仕事はあるんだなと思いました」と笑う。
三洋電機出身の犬飼正浩も「『こういう商品が欲しかった』と言われるのが、やっていて一番の楽しみです」と言う。

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