妻以外の女が金稼ぎと性欲処理の道具にしか見えなくなった。妻は、自分の生活をサポートしてくれる良きパートナーだからとても大事にしている。すでにお互い性的対象ではなくなってはいるが、妻のことは愛しているし形だけでも円満な家庭を築けている(もしくはそう装えている)はずだ。
俺は仕事柄、世の中の奥様方を上手くノセて金を稼いでいる。詐欺や反社など法に触れるものではないが、やり方次第で頭の悪い女はアホみたいに金を払ってくれるのがとても楽しい。
その金で月に2〜3度風俗に行って女を抱く。一般の女は手間も金も時間もかかるし、何よりトラブルの種にもなる。それに俺は容姿が良いわけでも口説き上手でもないから、一般の女には手を出してもうまく行かないのは分かっている。その点、金を払えば抱ける女は後腐れもないし効率が良いから風俗嬢は助かる。だから、趣味は?と聞かれると、本音を言うなら金稼ぎと風俗。と即答するだろう。

この生活をして10年近く経った。街中で女を見ると、どれくらい金落としそうだなとか、いくらぐらいでやらせてくれるか、尻と胸の揉み心地はどうか、などを主に観察したり想像したりしている。
どうも自分の考え方が人間として間違っている気もするのだが、何が間違っているのかは自分で分からないし説明がつかない。不倫はしていないし、法を犯しているわけでもない。平均的な家庭よりかはだいぶ稼いでいるし、家族は不自由ないよう尽くしている。決して若い頃の甘酸っぱい恋愛を今更懐かしんでいるわけではない。ただ、後戻りのできない虚しさのようなものは感じる。結婚が墓場というのはこういうことなのか。俺は人間として枯れていっているということなのか。

というどうでも良い話。