石塚潤一 ?@jishizuka
サントリーH、藤倉大個展よりの帰途。欧米での評価はどうであろうと、その尻馬に乗って
藤倉大を評価する気は、私にはありません。瞬間瞬間の音響には魅力的なものがあれど
(魅力的な音響を積み上げる耳を持っていることは認める)、それを連接していくアイディアが
天然過ぎ、というか稚拙ではないか?

喩えていうなら、一枚画はかなり上手いけど、ストーリーはさほどでもないマンガと似ているような。
こうした欠点は、藤倉大に限らず、良い教育を受け、かなりスコアが書けるタイプにあるように思う。
技術でどうにかなっているように見えても、その思い付きは音楽の持続を支えられてないよ、って例。

さらに言うと、最近、世界標準って鳴り物入りで紹介される新作に、
このタイプのものが多くないだろうか。まあ、本家ブーレーズにも、1962年以降は
こうした気の抜けた曲が多いのだが。1948年に第二ソナタを書いた作曲家の作品としては、
あまりに微妙な曲が多いよねえ。