俺らの時代、初期の踊り場ってのは行くにも毎回それなりの覚悟が必要だったんだよ。
いざとなりゃ命を投げ出して筋目を通さなけりゃならなかったしな。
例えば先輩からヤレと言われるりゃ相手に恨みがなくたってやむを得ない、
それは若い俺達にとって地元東京の縦社会の掟みたいなもんだ。
こういうのは当時でも本流の人間にしか流れてない「血の掟」ってことなんだよ。
つまりな、先輩からヤレと言われるりゃ相手に恨みがなくたって暴力を振うのが
江戸の本流の男気と潔さってわけさ。
こういうのは日本全国探してみても江戸の本流の人間にしか流れてない「血の掟」ってことなんだよ。
つまり、俺達は本流の日本人からするとまったく理解不能のヒトモドキであり
俺達東京の土着民がトンキン土人と揶揄される所以であーる。