>>624
生まれつき眼が紅いが故に人々に疎まれ、両親にすら愛されることなく、
14歳のときに村の無法者たちに弄ばれた挙句、絞殺された娘。
「この眼の所為で…この眼の所為で…」
死して尚その無念は晴れることなく、迫害の原因となった両の瞳を隠して彷徨い続けていた彼女と、
あなたはふとしたことから出会った。
前髪の奥に見えるその紅い眼を美しいと感じたあなたは、素直に彼女にそう告げた。
「『綺麗』ですって? この忌まわしい、血の色の眼が…?」
自嘲的な笑みを浮かべ、その瞳を持つが故に負った残酷な運命を語り始める娘。
「さぁ、あなたはそれでもこの眼が美しいと言えて!?」
二つのルビーに涙を浮かべ、金切り声を上げる彼女に、あなたは優しく囁いた。
 それでも貴女の瞳はとても綺麗だ。他の人にどんなに疎まれようと、私は貴女を受け入れよう。
 さぁ、私と一緒にいらっしゃい。その傷が癒えるまで、けして離れはしないから。

こうして、娘はあなたと共に生きる者となった。