【美輪明宏】黒蜥蜴【乱歩・三島】
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6月28日、29日
サンパレス福岡
6月25日、26日
アステールプラザ(広島)
6月17日ー22日
梅田芸術劇場メインホール
6月14日
新潟県民会館
6月11日ー12日
宮城県民会館
6月6日ー8日
愛知厚生年金会館
6月4日
長野県民会館
4月18日ー6月1日
ル・テアトル銀座
昔、渋谷に観に行ったな
特に卒塔婆小町が素晴らしかった
ラスト、涙どころか膝を抱えて号泣したくなった舞台は初めてだった
行かれる方、楽しんで来てください 卒塔婆小町 の 美輪さん、観てきました。
演技もですが、踊りが、とても70代半ばとは思えない見事さでした。
自分は何十歳も若いので、お歳を召してきている方が、あれだけ妖艶で元気だと、
今迄は元気付けられて来ましたが、なんだか、若いのに疲れている自分は
打ちのめされるような気分でした。 >>311
途中で、集中的にしつこい咳を何故?と思うほどする人が一人、携帯を鳴らして
しまった人が一人いました。 >>309
見渡す限り、満席のように見えたけれど、チケット代が高いですよね。
ただ、舞台の作りや照明や衣装などに力が入っているのは感じましたが。
物語には、いまひとつ入りこめなかったけれど、公園での小町と詩人の会話の
ところが好きだった。他の人の内容についての感想をもっと聞いて参考にしたい。 もう演劇でなく音楽界に集中したほうがいいんじゃない
舞台は一回みればもういいや〜と感じた。
音楽界は何回もいきたいなと思うけどチケットとれない。
個人的希望だけど香水を何とかして欲しい。
日本ではきつい香水はマナー違反でなかったっけ?
数年前に比べて控えめになった? 美輪さん自身が緞帳に香水を振りまいてるから、香水は注意されないんだよね。
原作と違う演出
1)開幕前の琵琶、平家物語「祇園精舎の鐘の声・・・」
2)鹿鳴館の場面後半では目から下に貼っていた皺を書いた面をとり 白いドレスで、
詩人の目に映るような美しい姿に変身し、 詩人の死を泣いて悲しみコートをかけてやる。
3)ラストの、「私に色気を出しやがるんですよ」を削り、 汚ない姿にもどっても泣いて悲しむ。
4)警官は手を触って冷たさに驚く。身体はまだ柔らかいと言う。
5)死体が運び去られた後、老婆の座るベンチに、詩人と同じような姿のコートを
着た男がやってきてタバコと火をもらう。老婆が頭を上げ手をダンスの時の
ように掲げると、老婆と顔を見合わせて驚く。
6)初めと終わりの公演の場面で不良グループが絡む。
7)ベンチが大理石。
(下手に階段と手摺、手摺の上の女神らしき左右一対の大きな彫像、全て大理石らしく、
ローマの公園風なのは、俗悪なオペレッタ風であり、鹿鳴館のイメージなのかな)
1)は余分だし3)もそうだが、わかりやすくしすぎ。
2)と3)
特に3)については幻想性、良い意味での飛躍、解釈の多様性が損なわれる。
美輪はパンフの演出意図解説で「色気を出して・・の件は死者を冒涜云々」と
言っているが、表面的一面的見方だと思う。
2)については、台本で老婆が鹿鳴館でも老婆のままなのは、観客としては
見ていて苦しい気持ちを感じるという事は否定はしないが、老婆のままなのが面白いのだが。
5)も余分だし俗っぽ過ぎる。エイリアン映画で、次の犠牲者を暗示するような手法に見えてしまうw
これでは美輪の意図に反して、老婆の妖怪的イメージが強調されてしまう。
老婆のセリフなど上手くてとても良かったのだが、演出の変更セリフの削除は改悪で、残念と思う。
完成度の高い作品なのに三島に失礼である。2)の美しい姿に変身する演出は三島了解済みとパンフに書いてあったが本当だろうか。
三島が好み、意図した「わかりすさ」や「俗悪的要素」の解釈、取り扱いを間違ってしまった様に思う。
前の方で見たせいだろうが、お面の皺の描き方がくっきりしすぎて不自然に見えた。
後ろの席なら気にならないのかもしれない。
木村彰吾でなくて岩田知幸でよかった。 大阪のチケットはぴあでは平日空席があったのでぴあで買った。
今日は当日券を劇場で売っていた。 昨日の大阪公演ではずっと咳してる人がいていらいらしたわ
係り人もそいつを外へ連れ出せばいいのに。 >>326
卒塔婆小町のラストでは特に気になった。
必ず「咳をするときはハンカチで押さえてください」とアナウンスがあるのに
もかかわらず、誰かが咳をしている事が多い気がする。
(ファンと言うほどでもないから、毎年見に行くわけではないが。)
私は前方席だったが、葵上の船出現のスモークでせき込みそうになった。 咳をする人は迷惑だよね
大抵は中年以降のおばさんなんだけど
どうして、あれだけしつこいくらい言われてるのにマスクもしないのと思う
きっと化粧をしてて口紅とかがって理由なんだろうけど
どんな理由にしても、自分勝手で周りの人の迷惑を考えない人なんだろうね
舞台に集中して観てる人のことも考えてほしい!
演出のスモークで咳き込みそうになるのはしょうがないと思うけど。 老婆のメイクのままで美女に見せるのが演技だし
美輪さんなら充分可能だと思うのだが
わかりやすくしてくれてんのかもなぁ。
「葵」も近代能楽集の中ではめっさわかりやすい話だ 老婆で引っ込んで美女に早変わりして出てくるシーンのことかしら?
殆ど大詰めだし、あそこでメークも変えたほうが後のシーンに繋がり易いからじゃない?
美輪さんらしいと私は思ったわ
老婆の時は思いっきりみすぼらしく、美女になったらあの年齢でも本当に綺麗で優雅
そのほうが観てる人にもわかりやすいでしょうし。 着物の人がおおいので洋服でカジュアルすぎると浮きます。 変な格好でいくと、劇中もずっと白い目で見られます。
三島文学記念館のイベント
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没後40年記念特別展示『三島由紀夫の衣服』
三島由紀夫没後40年記念特別展示 8月限定で開催予定!!
三島由紀夫没後40年を記念して、8月1日(日)〜8月31日(火)まで、三島由紀夫が実際に着た衣服5点(背広、ブレザー、革ジャンパー、シャツ、剣道着)を一挙に展示させていただきます。
今回の展示は5点のうち4点がご遺族からの寄託品(お預かりしている品)のため、保存の面も考慮し1ヶ月間のみの特別展示となっております。
三島由紀夫の実際に着た衣服がこれほど一堂に会することはめったにない機会です。実際に着た衣服を見ることにより、三島由紀夫の体格や彼の衣服のセンスを知ることができるでしょう。この機会にぜひご来館下さい。心よりお待ちしております。
※場合によっては期間が短縮することがあります。ご注意ください。 卒塔婆小町観させて頂きました
感動しっぱなしで素晴らしかったです
初めてのお芝居が美輪さんで良かった 「毛皮のマリー」のラインダンスしかり
「葵上」のボートしかり
ポポポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン…
ついていけない私が悪い? 自分はラインダンスまでは大丈夫だったけど、醜女のマリーのダンスでポカーンとなったwww
暗黒舞踏って、すごく一般受けしないっていうか、好き嫌いの分かれる物だと思う。
そんで、自分は、分からない側の人間だったって事だと思う。
オーラの泉で美輪さんファンになった上品な奥様方は、さぞかしビックリしたろうなと思う 美輪の客にいがちな人
メケメケをリアルタイムで知ってる。
観劇なんかしたことないのに、この人はホンモノと太鼓判を押しちゃう。
生まれて初めてちゃんと聞いたクラシックはフジコヘミング。
この人の演奏はホンモノと太鼓判を押してしまう。
愛読書は女性自身
千の風になってを合唱したことがある。
缶総理は支持率が低下してると報道されてるから、なんとなく嫌い。
レンホウに期待してる。(有名だから)
熱っつーい鍋蓋を素手で触れる。 この人って演目増やさないの?
デブ椿姫とかもう見たくねーし
今度はYOUがでるんでしょ? コントやんww 【裁判】「IH調理器を使い続けたら心疾患になった。ガスコンロにしたら症状が落ち着いた」 三洋電機を相手に喫茶店夫婦が提訴★2
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今は昔の芸能人もディナーショーでウッハウハの荒稼ぎ
12月といえば、大物芸能人にとってはディナーショーの季節。
ディナーショーは芸能人にとって、おいしい商売らしい。
「チケット代の半分は、自分の手元に残りますからね。
もちろん、そこからバンドメンバーなどに分けたとしても、相当な収入ですよ」(芸能記者)。
たとえば、3万円で500人収容の会場でショーを行えば、1500万円。
これを5日やれば、売り上げは7500万円。
そこから経費を引いても2〜3000万円が手元に入るわけだから、
ディナーショーは辞められない。
「コンサートは儲からないんですよ。99年、GLAYが幕張で20万人を集めて
コンサートするなどの大規模なツアーを行いましたよね。
当時人気絶頂だったGLAYのそのツアーでさえ、入場料収入からコンサート設備
の経費を引いたら、収支ゼロだったそうですから。
グッズで5億円の収入があったから、なんとか黒字になったそうですが」(芸能プロダクション関係者)。
コンサートで儲けられない代わりに、ディナーショーでは稼ぎまくる。
これが、芸能人の主流なのか。 「BL作品の氾濫は少子化の原因。児童ポルノとは別枠で小説も含めた厳しい規制が必要」
「ゲーム脳」の提唱者・森昭雄日大教授の新著「ボーイズラブ亡国論」(産経新聞社刊)
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news2/1221494175/ ローティーンの頃からの筋金入りのゲイですが?
何のこと言ってるかわからないが、
最期も看取れなかったのは赤木圭一郎だな >>346
スマソ
書き方が悪かった
昔美輪さんは結婚したい人がいたが両親に、そんな女男駄目だ、だとかなんとか言われて結婚出来なかった >>346
スマソ
書き方が悪かった
昔美輪さんは結婚したい人がいたが相手の?両親に『そんな女男駄目だ』だとかなんとか言われて結婚出来なかったと言ってた気がしたから
もしやバイなのかなと思って先輩方にお尋ねいたしました >>346
スマソ
書き方が悪かった
昔美輪さんは結婚したい人がいたが両親に、そんな女男駄目だ、だとかなんとか言われて結婚出来なかった
>>346
スマソ
書き方が悪かった
昔美輪さんは結婚したい人がいたが両親に、そんな女男駄目だ、だとかなんとか言われて結婚出来なかった
>>346
スマソ
書き方が悪かった
昔美輪さんは結婚したい人がいたが両親に、そんな女男駄目だ、だとかなんとか言われて結婚出来なかった
あたしをテレビに出まくる、オカマと一緒にするんじゃないぞ。
あたしはユキヲのオカマを掘ってよがらせたんだからね。
オカマじゃないから。 私は物と物とがすなほにキスするやうな世界に生きてゐたいの。お金が人と人、物と物、
あなたと私を分け隔ててゐる。退屈な世界だわ。さうぢやなくつて?
きれいな顔と体の人を見るたびに、私、急に淋しくなるの。十年たつたら、二十年たつたら、
この人はどうなるだらうつて。さういふ人たちを美しいままで置きたいと心(しん)から思ふの。
年をとらせるのは肉体じやなくつて、もしかしたら心かもしれないの。心のわづらひと
衰へが、内側から体に反映して、みにくい皺やしみを作つてゆくのかもしれないの。
だから心だけをそつくり抜き取つてしまへるものなら……。
ダイヤでもサファイアでも、宝石の中をのぞいてごらんなさい。奥底まで透明で、
心なんか持つてやしないわ。ダイヤがいつまでも輝いてゐていつまでも若いのはそのせゐよ。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 小さいときから、宝石のやうに大事にされ、可愛がられて育つてきて、私、買はれるより
盗まれるのを夢みるやうになつたんだわ。
私を欲しがる人は、盗むくらゐの熱がなくつちやいや。厚い硝子の窓に守られ、
天鵞絨(ビロード)の台座に据ゑられた私を、硝子ごしにのぞいて通る人の目の中に、
諦らめや怒りや尊大な強がりや、さういふものが浮ぶのを見るのに飽きて、私はいつか
勇敢な泥棒の目ばかりを待ちこがれるやうになつたんだわ。
若くてきれいな人たちは、黙つてゐるはうが私は好き。どうせ口を出る言葉は平凡で、
折角の若さも美しさも台なしにするやうな言葉に決つてゐるから。あなたたちは着物を
着てゐるのだつて余計なの。着物は醜くなつた体を人目に隠すためのものだもの。
恋のためにひらいた唇と同じほど、恋のためにひらいた一つ一つの毛穴と、ほのかな産毛は
美しい筈。さうぢやなくて? 恥かしさに紅く染つた顔が美しいなら、嬉しい恥かしさで
真赤になつた体のはうがもつときれいな筈。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 宝石には不安がつきものだ。不安が宝石を美しくする。
人間は眠る。宝石は眠らない。町がみんな寝静まつたあとでも、信託銀行の金庫の中で、
錠の下りた宝石箱の中で、宝石たちはぱつちりと目をひらいてをる。宝石は絶対に夢を
見ないのだ。ダイヤモンドのシンジケートが、値打ちをちやんと保証してくれてゐるから、
没落することもない。正確に自分の値打ち相応に生きてる者が、どうして夢なんか見る
必要があるだらう。あーあ。なあ、さうだらう、早苗? 夢の代りに不安がある。これは
ダイヤモンドの持つてる優雅な病気だ。病気が重いほど値が上る。値が上るほど病気も重る。
しかもダイヤは決して死ぬことができんのだ。……あーあ。宝石はみんな病気だ。
お父さんは病気を売りつけるのだ。澄んだ、光つた、純粋な小さな病気を。透明な病気、
青い病気、緋いろの病気、紫いろの病気。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 危機といふものは退屈の中にしかありません。退屈の白い紙の中から、突然焙り出しの
文字が浮び上る。
犯人が黒い色で考へるところを僕が白い色で考へて、一枚の写真のやうに、ぴつたり
絵柄が合ふところまで行ければね。なかなかさうは行きません。これだけ沢山の事件を
くぐつて来たのに、犯罪といふものには、僕にどうしてもわからない部分が必ずある。
或る難事件が起るたびに、僕は自分が犯人であつたらなあと思ひますよ。僕が犯人なら
何でも知つてゐて、解けない謎はない筈ですから。だから僕は一心に犯人をまねる。
犯人の考へたやうに考へ、行つたやうに行はうとして精魂を傾ける。……しかしもう一歩の
ところで、惜しいかな、僕は犯人になりきれない、何かが心の中で僕の邪魔をして……。
犯罪といふものには、何か或る資格が要るのです。いいですか。犯人自身にもしかと
つかめない或る資格が。
どんな卑俗な犯罪にも、一種の夢想がつきまとつてゐる。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 明智:…今発射したところで、射的の人形のやうに忽ち夜が倒れて、そのむかうから朝の
太陽が顔を出す筈もありません。このピストルはただ夢み、常識を逸脱し、一つのことを
待つてゐるのです。一つのこと、つまり、夜がはつきり脈を打ち、体温を帯び、徐々に
動物特有の匂ひを得て、一人の人間の姿に固まつて現はれる瞬間を。
緑川夫人:それでそれがあらはれたら、あなたは法律の名に於て発射なさる……。
明智:いいえ。夢想の名に於て。われわれ私立探偵の役割が刑事とちがふのはそこなんです。
夢想で夢想を罰する。犯罪の持つてゐる夢の要素を、僕の理智のゑがく夢で罰する。
それ以外に何の生甲斐があるでせう。
今の世の中ぢや。善いことといふのはみんな多少汚れてらあね。だからあんた方は
汚れた善いことの味方だから、いつまでもぱつとしないんだよ。そこへ行くと明智先生は
ちがふわね。あの先生はこの世の中で成り立たないやうな善と正義の味方らしいわ。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より トリックはなるたけ大胆で子供らしくて莫迦げてゐたはうがいいんだわ。大人の小股を
すくふには子供の知恵が必要なんだ。犯罪の天才は、子供の天真爛漫なところをわがものに
してゐなくちやいけない。さうぢやなくて?
私は子供の知恵と子供の残酷さで、どんな大人の裏をかくこともできるのよ。犯罪といふのは
すてきな玩具箱だわ。その中では自動車が逆様になり、人形たちが屍体のやうに目を閉じ、
積木の家はばらばらになり、獣物たちはひつそりと折を窺つてゐる。世間の秩序で
考へようとする人は、決して私の心に立入ることはできないの。……でも、……でも、
あの明智小五郎だけは……
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 黒蜥蜴:あのときのお前は美しかつたよ。おそらくお前の人生のあとにもさきにも、お前が
あんなに美しく見える瞬間はないだらう。真白なスウェータアを着て、あふむき加減の
顔が街灯の光りを受けて、あたりには青葉の香りがむせるやう、お前は絵に描いたやうな
「悩める若者」だつた。つややかな髪も、澄んだまなざしも、内側からの死の影のおかげで、
水彩画みたいなはかなさを持つてゐた。その瞬間、私はこの青年を自分の人形にしようと
思つたんだわ。
黒蜥蜴:…その夜のうちに、お前は私の人形になる筈だつた。……でも、どうでせう。
気がついてからのお前の暴れやう、哀訴懇願、あの涙……
雨宮:それを言はないで……。
黒蜥蜴:お前の美しさは粉みぢんに崩れてしまつた。死ぬつもりでゐたお前は美しかつたのに、
生きたい一心のお前は醜くかつた。……お前の命を助けたのは情に負けたんぢやないわ。
命を助けてくれれば一生奴隷になると言つたお前の誓ひに呆れたからだわ。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 今日も何事もなく日が沈む。この大都会、白蟻に蝕まれたやうに数しれない犯罪に
蝕まれたこの大都会に日が沈むんだ。殺人、強盗、誘拐、強姦……、言葉にしてみれば
他愛もないんだが、みんなその一つ一つに人間の知恵と精力と、怒りと嫉妬と、欲望と
情熱がせめぎ合つてゐる。その一つ一つが狂ほしい道に外れた人間の、それでも全身的な
表現なのだ。こいつのどこから手をつけたらいい? 依頼主か。こりやあ自分のことしか
考へない。犯罪の本質にいつも向き合つて、その焔の中の一等純粋なものを身に浴びなければ
ならないのは僕なのだ。僕には犯罪の全体が見える。それはたえず営々孜々とはげんでゐる
世界一の大工場みたいなものだ。ほとんど無数の工員。昼夜兼帯の作業。あの夕映えを
見てゐると、その工場のものすごく巨大な熔鉱炉のあかりみたいな気がする。……今ごろ
黒蜥蜴はどうしてゐるだらうか?
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 今の時代はどんな大事件でも、われわれの隣りの部屋で起るやうな具合に起る。どんな
惨鼻な事件にしろ、一般に犯罪の背丈が低くなつたことはたしかだからね。犯罪の着てゐる
着物がわれわれの着物の寸法と同じになつた。黒蜥蜴にはこれが我慢ならないんだ。
女でさへブルー・ジーンズを穿く世の中に、彼女は犯罪だけはきらびやかな裳裾を
五米(メートル)も引きずつてゐるべきだと信じてゐる。……さういふ考へは、僕にも
分らんことはないよ。
僕の惚れ方は相手の手も握らずに、相手をぎりぎりの破局まで追ひつめることしかない。
これほど清潔でこれほど残酷な恋人はないだらう。僕のやさしさは、相手を破滅させる
やさしさで、……これがつまり、あらゆる恋愛の鑑なのさ。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 明智:この部屋にひろがる黒い闇のやうに
黒蜥蜴:あいつの影が私を包む。あいつが私をとらへようとすれば、
明智:あいつは逃げてゆく、夜の遠くへ。しかし汽車の赤い尾灯のやうに
黒蜥蜴:あいつの光りがいつまでも目に残る。追はれてゐるつもりで追つてゐるのか
明智:追つてゐるつもりで追はれてゐるのか
黒蜥蜴:そんなことは私にはわからない。でも夜の忠実な獣たちは、人間の匂ひをよく
知つてゐる。
明智:人間たちも獣の匂ひを知つてゐる。
黒蜥蜴:人間どもが泊つた夜の、踏み消した焚火のあと、あの靴の足跡が私の中に
明智:いつまでも残るのはふしぎなことだ。
黒蜥蜴:法律が私の恋文になり
明智:牢屋が私の贈物になる。
黒蜥蜴&明智:そして最後に勝つのはこつちさ。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より この「エヂプトの星」はかうして私の手に渡つて、私の胸にかがやいてゐるのに、
露ほども私に媚を売らうとしない。女王さまの胸につけられてもきつとさうだらう。
宝石は自分の輝きだけで充ち足りてゐる透きとほつた完全な小さな世界。その中へは誰も
入れやしない。……持主の私だつて入れやしない。……人間も同じこと。私がすらすらと
中へ入つてゆけるやうな人間は大きらひ。ダイヤのやうに決して私がその中へ入つて
ゆけない人間。……そんな人間がゐるかしら? もしゐたら私は恋して、その中へ入つて
行かうとする。それを防ぐには殺してしまふほかはないの。……でも、もしむかうが
私の中へ入つて来ようとしたら? ああ、そんなわけはないわ。私の心はダイヤだもの。
……でももしそれでも入つて来ようとしたら? そのときは私自身を殺すほかはないんだわ。
私の体までもダイヤのやうに、決して誰も入つて来られない冷たい小さな世界に変へて
しまふほかは……
三島由紀夫「黒蜥蜴」より 明智:君は……
黒蜥蜴:捕まつたから死ぬのではないわ。
明智:わかつてゐる。
黒蜥蜴:あなたに何もかもきかれたから……
明智:真実を聴くのは一等辛かつた。僕はさういふことに馴れてゐない。
黒蜥蜴:男の中で一等卑劣なあなた、これ以上みごとに女の心を踏みにじることはできないわ。
明智:すまなかつた。……しかし仕方ない。あんたは女賊で、僕は探偵だ。
黒蜥蜴:でも心の世界では、あなたが泥棒で、私が探偵だつたわ。あなたはとつくに
盗んでゐた。私はあなたの心を探したわ。探して探して探しぬいたわ。でも今やつと
つかまえてみれば、冷たい石ころのやうなものだとわかつたの。
明智:僕にはわかつたよ。君の心は本物の宝石、本物のダイヤだ、と。
黒蜥蜴:あなたのずるい盗み聴きで、それがわかつたのね。でもそれを知られたら、
私はおしまひだわ。
明智:しかし僕も……
黒蜥蜴:言はないで。あなたの本物の心を見ないで死にたいから。……でもうれしいわ。
明智:何が……
黒蜥蜴:うれしいわ。あなたが生きてゐて。
三島由紀夫「黒蜥蜴」より ミワは盗聴盗撮犯でオカマで変態でピエロで犯罪者
宝ヅカにもなれない、歌手としてもいまいち、スピリチュアルの世界ではただの置物
中途半端な奴だよ 世間とは何だらう。もつとも強大な敵であると共に、いや、それなればこそ、最終的には、どうしても味方に
つけなければならないもの。さういふものと相渉るには、政治学だけでは十分ではない。何か「世間」に負けない、
つひには「世間」がこちらを嫉視せずにはゐられないやうな、内的な価値と力が要る。魅惑(シヤルム)こそ
世間に対する最後の武器である。
なせ、彼は世間とこのやうな形で戦ひ、且つ勝利を納めたのであらう。なぜ彼のこれほど輝やかしい七転び八起きが
可能になつたのであらう。その根本原因は、彼の考へ、体験し、相手にしてきた「世間」が、芸能界などと
いふチッポケなものではなく、この人間の世の中全体であつたといふことにあると思はれる。美しい病気を
(いくら美しくても、病気である限り、もともと人に忌み避けられるものを)世間全般に伝播伝染させ、つひには
健康な人間の自信をも喪失させ、病気になりたいと願はせるまでもつてゆくこと。すなはち、自分一個の病気を
時代病にまでしてしまふこと。こんなことはいはゆる芸能界の人間などのよくなしうることではない。
三島由紀夫「序(丸山明宏著『紫の履歴書』)」より (中略)
詩の形で語られたその幼時期の回想は美しい。君は人間の世の中に、まづ辛苦を見ずに、やさしさを発見した。
それも荒々しい素朴なやさしさを。この果実の味は、以後の人生観を決定するものとなる。つまり、そのやうな
荒々しいやさしさの鋳型によつて、丸山明宏といふ、一人のやさしい荒々しさの嵐を創り上げること。人を
苦しめる世間の悪意や俗意は、このときから、君にとつて、何かなくてはならぬものになつた。失意をも、蹉跌をも、
かうした人生は自ら選んでゆくものなのである。最終頁の詩に語られてゐるやうに、君に幸福をもたらすために
再生する死んだ若者を永遠に待ちつづけ、それまでは幸福を節約するのだ。今の成功した君が幸福であらうなどと、
私はさらさら思つてゐない。
本書を卒読して、私は次のやうな月並な感想を抱いた。すなはち、人は、虚偽を以てまごころを購ふことには
十中八九失敗するが、まごころを以て虚偽を購ふことには時あつて成功する。しかもこの上もない花やかな虚偽を!
三島由紀夫「序(丸山明宏著『紫の履歴書』)」より さてこの主人公の女賊黒蜥蜴は、十九世紀風フランス大女優の役どころで、どこから見ても、tres tres grande dame
でなければならない。現存の女優では、エドウィージュ・フィエールなんかがこれに当るだらう。初演のときには、
水谷八重子さんがみごとな成果をあげた。水谷さんのもつ堂々たる風格と、「無関心の色気」ともいふべきものと、
その古風なハイカラ味とは、余人の追随すべからざる成果を示した。
さて、これを他の女優に求めようとしても、この日本の中にちよつと求められない。新配役による再演が永いこと
実現しなかつたのはこのためもあるが、先ごろ「毛皮のマリー」を見て、丸山明宏君の演技に私は瞠目した。
君とは旧知の仲だが、歌は天才的であつても、長いセリフをこれほど堂々とこなせるとは、正直に言つて、
想像もしてゐなかつたのである。容姿から言つたら、「黒蜥蜴」にピタリのことはわかつてゐたが、セリフで
作者を唸らせてくれるかどうか未知数だつたのである。
三島由紀夫「『黒蜥蜴』」より 「毛皮のマリー」で、丸山君は、長いセリフをみごとに構成し、一句一句を情感でふるはせながら、しかも強い
ハガネの裏打ちを施し、セリフが最後の頂点にいたると、噴出する悲劇的感情で観客の心をわしづかみにするといふ、
一種壮麗な技法を示した。おどろいたのは私ばかりではなかつた。演出の松浦竹夫氏も驚嘆し、二人で相談して、
実現をはかることになつた。そこへ今度松竹の重役になつた永山雅啓氏が、折よく手をさしのべてくれたのである。
もう一人の問題は、相手役の明智小五郎だつた。このダンディ、この理智の人、この永遠の恋人を演ずるには、
風貌、年恰好、技術で、とてもチンピラ人気役者では追ひつかない。種々勘考の末、天知茂君を得たのは大きな
喜びである。映画「四谷怪談」の、近代味を漂はせたみごとな伊右衛門で、夙に私は君のファンになつてゐた
のであつた。
若い二人の中山仁君も、広瀬みささんも、この作品の若さとみづみづしさの一面を十分に表現してくれるものと
たのしみにしてゐる。
三島由紀夫「『黒蜥蜴』」より >現存の女優では、エドウィージュ・フィエールなんかがこれに当るだらう
それはあまりにもレベルが違いすぎってわかってて書いてるだろw三島め http://video.fc2.com/content/%E3%80%90%E9%AB%98%E7%94%BB%E8%B3%AA%E7%84%A1%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E3%80%91%E4%B8%89%E5%B3%B6%E7%94%B1%E7%B4%80%E5%A4%AB.1968/20110404maSuSYTE/&tk=T0RRM01UY3dOalU9/
【高画質無修正】三島由紀夫.1968
『黒蜥蜴』幻の三島由紀夫あぁーっ
現在日本では監督深作欣二の名作、映画『黒蜥蜴』はDVD化されていない。
断片を動画サイト等で見ることができるが、全編の視聴はできない。
フランスver.超レア全編無修正の『黒蜥蜴』を高画質うp。
日本でDVD化されない理由は、
三島由紀夫の遺族が許可しなかったから。
なぜかって、あぁーっっっ! だもん。
三島由紀夫死後から40年以上。
もう、解禁したっていいじゃない。 >>375
黒蜥蜴はWOWOWで放映されてるし、ついこないだの三島特集の映画上映でも映画館でやってるよ。
黒蜥蜴がDVD化されないのは、遺族のせいじゃないよ。憂国ですらDVD化されてるから。 丸山明宏君が、浮世の浮華な人気を離れてから久しく、そのうちに徐々に徐々に、本物の光りを放ちだしたことは、
具眼の士と云はうか、「具耳」の士には、既にみとめられてゐたことである。彼は自ら作詞し、自ら作曲し、自ら
歌ふことによつて、ほんたうの日本の歌へ向つて進んで行つた。ペーソスとユーモアと官能と粋と、しかもそれを
大根(おおね)のところで支へる彼の深い素朴さと、ひよわさうにみえて実は怖ろしいほどの強靭さと、これが、
丸山明宏のすべてであり、その抒情のすべてである。彼の風姿には元禄の美少年の遠い反映があり、彼の声には
廃坑の炭坑夫の嘆きぶりの力強さがあり、そして、彼はあくまでも銀の歌手であり、暁の明星であるよりは、
宵の明星なのだ。彼の歌はどんなに希望に燃えて歌はれても、朝を告げ知らすのではなく、夜の到来を告げる。
(中略)冬来りなば、春遠からじ。夜来りなば、朝遠からじ。彼の歌にひそむ未来と希望は、あからさまな
直接なものではなく、夜のヴェールに幾重にも包まれて、実にさりげなく、つつましくさし出されてゐるのである。
三島由紀夫「夜を告げる星(丸山明宏リサイタルに寄せて)」より (『詩を書くのが趣味の交際相手の男性が女々しく思えて許せない』という相談者に)
美輪明宏『文学者でも例えば三島由紀夫や中原中也なんかは男らしかった思うけれど…。
貴女ももっと本をお読みになったらどうかしら?』
相談者『(憤然として)読んでますよ』
美輪明宏『どんなのを読んでらっしゃるの?』
相談者『秋元康とか』
美輪明宏『(一瞬判らず)あきも……(ピンと来て)オホホホホホwwwww』
相談者『?』
SONGS「美輪明宏」
NHK総合1・神戸(地上波)
2011年10月19日(水) 22時55分〜23時25分 の放送内容
一流のアーティストが、クオリティーの高いサウンドと映像で名曲の数々を披露するSONGS。アーティストの素顔に迫るドキュメントや、制作秘話も見逃せません!
番組内容
美輪明宏が登場。かつて三島由紀夫や川端康成など多くの俳優・文化人が通いつめ“文化の発信地”として名をはせた銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」。
歌手として16歳でデビューした美輪の“原点”であるこの店が閉店してから、およそ20年がたつ。今回は雰囲気薫る銀巴里のステージを再現。
観客を前に美輪明宏が「枯葉」「ラ・ボエーム」ほか、シャンソンの名曲をライブ形式で送る。ゲストは公私ともに親交の深いYOUが登場。
出演者
出演美輪明宏,YOU >>378
男らしい文学者ってのに中原中也をあげるのが理解できん >>375
ビデオデッキが出始め、ソフトが1万円以上した頃、ビデオになりました。
が、松竹が美輪明宏に1円も支払わず揉めたそうです。
以後、廃盤になり、DVD化されず。 大下英治のノン・フィクションによれば美輪は丸山時代の昭和31年、広島公演で
トラブルになった打越組長に追いかけられ三原まで逃げ屋根の上まで逃げ打越組長が追ったと書いてあった。
本当なのかな? 三輪のピアフスレが見つからないためこちらにかきこ
くたばれ三輪 >>390
女探偵ってあったけど、誤植? それとも設定替え? 新しい写真見たけど、左は何か下品で右は何か白痴。
取り柄は美輪より若いだけ。 浅野ゆう子も今時の女優ではいい方とは思うけどね
なぜわざわざ黒蜥蜴をやるか・・・ >>401
全方向舞台の使い方とか、あれはあれで面白かったけどね自分は
(温子はドヌーヴのやったギャビーじゃなくてピエレットだったけど) 2年くらい前、ゆう子主演の舞台「大奥」
これが明治座観客動員数最高記録を作ったから今回抜擢されたっぽいよ。 過去にも色んな女優さんが舞台や映画、ドラマでも演じてるが
毒々しさでいえば浅野も負けてないかも。 毒々しさだけでは演じられんがな。
貴婦人と毒婦の両面性をどう出すかだ。
何で本名も過去もないか、その辺がわかって芝居ができるかどうか。
美輪でさえもそこらは分かってないようだが、浅野にはもっとわからんだろう。
よって大ゴケ確定。 私のベストは
1位 黒蜥蜴 名高達郎(名高達男)の時
2位 卒塔婆小町 山田佳伸(山田善伸)の時
3位 毛皮のマリー 及川光博の時
私の美輪明宏舞台ベストは
1位 黒蜥蜴 名高達郎(名高達男)の時
2位 卒塔婆小町 山田佳伸(山田善伸)の時
3位 毛皮のマリー 及川光博の時
1997年から2001年の作品。
美輪様の舞台がない時、木村なんちゃらって人は何をして生活してるの? >>410
ホント、他所で見ないよね
舞台、映画、テレビドラマ、Vシネ・・チョイ役じゃイヤなのかな?
ついに紅白にお出になりますね。
わたしは美輪様の舞台よりも唄のほうが好きなので楽しみです。
1曲で圧倒してくれるのを楽しみにしています。
舞台は名高達郎の黒蜥蜴。山田善伸の卒塔婆小町。及川光博の毛皮のマリー全て観てますが山田善伸の卒塔婆小町が好きでした。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています