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スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2017年のノーベル経済学賞を米プリンストン大学の清滝信宏教授(62)と英エディンバラ大学のジョン・ムーア教授(63)に授与すると発表した。
金融や信用創造をマクロ経済分析に結び付け、資産価格の急落・高騰と、それが生み出す景気循環との相互作用を解明した業績が評価された。
両氏は1999年に、ヨーロッパ経済学会が選ぶ最高の経済学術賞であるユルヨ・ヨハンソン賞を共同受賞している。

授賞理由は「金融と経済の動きを統一的に分析するマクロ経済理論の構築」。
清滝氏とムーア氏は、実体経済に対する負のショックが資産価格の減少をもたらし、それが担保価値の減少などを通じて金融仲介機能を低下させ実体経済へさらにマイナスの影響を及ぼすことを明らかにした。
資産市場と実体経済が相互連関しながら負のスパイラルを形成する彼らの理論は、金融危機以降の世界経済の長期停滞を説明する有力な理論として、大きな注目を集めた。

授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)が両氏に等分して贈られる。