マルクスがソ連の崩壊を予言していたかのような記述を発見してしまったんだが


『ドイツ・イデオロギー』より
"この「疎外」──哲学者たちに分かるようにこの言葉を用い続ければ──は、もちろん、二つの実践的な前提の下でのみ止揚されうる。
それが「耐え難い」威力、つまり、人々がそれに反抗して革命を起こすような威力となるためには、それが人類の大多数をまったくの「無所有者」として、
しかも同時に、現前する富と教養──どちらも生産力の巨大な上昇とその高度な発展を前提とする──の世界との矛盾において、創出してしまっていることが必要である。
別の面から言えば、生産諸力のこのような発展(これとともに、すでに同時に、局地的なものに代わって世界史的なものとなった人間の現実的な在り方の内に、経験的な実存が現前するようになっている)は、次の理由からしても、絶対に必要な実践的前提である。
つまり、生産諸力の発展なしには、欠乏、窮迫が普遍化されるに過ぎず、それゆえ、窮迫に伴って必要物をめぐる抗争も再燃し、古い汚物がことごとく甦らざるをえないだろうからであり、
さらに、生産諸力のこの全般的な発展に伴ってのみ人間たちの全般的な交通が据えられる──したがって、一方では「無所有」の大衆という現象をあらゆる諸国民のうちに同時的に創出し(普遍的競争)、
どの国民もが他の国民の変革に依存するようにさせ、そしてついには世界史的な、経験的に全般的な諸個人を局地的な諸個人に取って代わらせることとなる──からである。
このことなしには、(一)共産主義は局地的なものとしてしか実存しえず、(二)交通の諸威力そのものが全般的な、それゆえに耐え難いほどの諸威力として発展してしまうこともありえず、土着的・迷信的な「厄介事」のままであり続けるであろう。
しかし(三)交通のどのような拡大もが、局地的な共産主義を廃止するであろう。
共産主義は、経験的には、主要な諸国民の行為として「一挙的」かつ同時的にのみ可能なのであって、このことは、生産諸力の全般的な発展およびそれと関連する世界交通を前提としている。"