川越敏司が「行動マルク経済学の可能性」(『されどマルクス』2018所収)脚注で指摘していたが、
デヴィッド・ハーヴェイは『資本主義の終焉』2017(Harvey,David:Seventeen Contradictions and the
End of Capitalism 2014)第2章邦訳60,73頁でゲゼル『自然的経済秩序』を引用している。その引用箇所は以下、

錆びる貨幣について

「新聞はすぐに古くなってしまう。ジャガイモはすぐに腐ってしまう。鉄はすぐに錆びてしまう。
エーテルはすぐに気化してしまう。ジャガイモ、新聞、鉄、そしてエーテルのような性質をもつ貨幣、
それだけが新聞、ジャガイモ、鉄、エーテルなどの商品一般の交換手段に適した貨幣となるのである。…

 [したがって、交換手段としての貨幣を改革したいならば、われわれは商品よりも貨幣を劣化させなけれ
ばならない。]」60頁、ゲゼル416頁、英訳p.121