コンクリの上に設置したエアコンの
室外機の傍にいつも湿った場所があった。
やがてそこに水カビや地衣類が生えだした
秋になり枯葉が飛んできて苔の上に重なると
それを食べるダンゴムシや枯葉に身を隠す
小さな虫を見かけるようになった。
虫の糞は更に小さな微生物の養分になり、
僅かずつだがその場所は拡大していく
ある時目に障るまで広がってきたので
スコップで取り除いたが、大きなミミズまで住み着いていた。
スコップに乗っている黒い塊はまさしく土そのものだったよ。
小さな水たまりが土にまで変貌する様をみて
自然の偉大な一面を見させてもらった気がする

人はやがてその入れ物を無くし原始の土に還る。
その一部は草木の中を通るだろう。
トンボの一部となって空を飛ぶだろう。
人工衛星の一部となって宇宙に行くかもしれない。
人は結局は特別な存在ではなく、偉大な自然の一部にすぎない。

君の身体の中にも、かつての信長やマンモスを形作っていた物の一部が
溶け込んでいるかもしれないね。