http://www.afpbb.com/articles/-/3185756
除草剤で末期がんに、米裁判所 モンサントに約320億円の支払い命じる
2018年8月11日 12:58 発信地:サンフランシスコ/米国 [ 米国 北米 ドイツ ヨーロッパ ]

【8月11日 AFP】米カリフォルニア州在住で末期がんと診断されている男性が、
がんになったのは農薬大手モンサント(Monsanto)の除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」のせいだと
同社を提訴した裁判で10日、陪審はモンサントに約2億9000万ドル(約320億円)を支払うよう命じた。

陪審は全員一致で、モンサントの行動には「悪意があり」、
除草剤「ラウンドアップ」とその業務用製品「レンジャープロ(RangerPro)」が、
原告のドウェイン・ジョンソン(Dewayne Johnson)さんの末期がんの「実質的」な原因だったと結論付けた。
モンサントは上訴する意向を示した。

8週間の裁判で、サンフランシスコの裁判所の陪審は
懲罰的損害賠償金2億5000万ドル(約280億円)と補償的損害賠償金や
その他の費用を合わせた計約2億9000万ドルを支払うようモンサントに命じた。

グラウンドキーパーとして働いていたジョンソンさんは
2014年に白血球が関与するがんの非ホジキンリンパ腫と診断された。
同州ベニシア(Benicia)にある学校の校庭の管理に
レンジャープロのジェネリック製品を使用していたという。

世界保健機関(WHO)の外部組織である「国際がん研究機関(IARC)」は
2015年にラウンドアップの主成分であるグリホサートを
「おそらく発がん性がある可能性がある」物質と指定し、
カリフォルニア州が同じ措置を取った。これに基づいてこの裁判は起こされた。

モンサントは声明で「ジョンソン氏と家族に同情する」と述べた一方、
「過去40年、安全かつ効果的に使用され、農業経営者などにとって
重要な役割を担うこの製品を引き続き精一杯擁護していく」として上訴する意向を示した。