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洋書・読み終えた本の感想を書きまくれ 1冊目 [無断転載禁止]©2ch.net
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0001名無しさん@英語勉強中2016/03/13(日) 14:03:46.65ID:nBsgCURg
今読み終えた本、過去に読み終えた本、
多読、精読、ジャンル不問。感想は長すぎず、短すぎず。
他の人の読書案内も兼ねた内容でお願いします。
0348名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 18:09:33.35ID:96YgFcoq
読み終えてはいないけど、読み始めてみて「うーん」と唸らせるような一節に出会ったので、
紹介する。

Selections From the Works of John Ruskin (English Edition) Kindle版
John Ruskin (著), Chauncey Brewster Tinker (編集)

上記の本は、無料。John Ruskin は実に有名な人で、たくさんの人から愛読されている
ので、僕もぜひとも読んでみたいと思っていた。冒頭近くに I. The Life of Ruskin と
いう章があり、そのまた冒頭あたりに、次のような一節がある。

It is easy to trace in the life of Ruskin these two forces tending
respectively ●toward the love of beauty and toward the contempt of
mere beauty●. (中略) His stern mother "devoted him to God before he
was born," and she guarded her gift with unremitting but perhaps
misguided caution. ★The child was early taught to find most of his
entertainment within himself, and when he did not, he was whipped.
He had no playmates and few toys.★

John Ruskin は、1819年にスコットランド人の両親から生まれ、1900年までの
ヴィクトリア朝時代のイギリスに生きた人。19世紀あたりだと、日本でも奇妙な
育ち方をした人が多いけど、彼も本当に苦労したようだ。ネットで写真を見てみると、
実に端正な顔立ちをしている。
0350名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 18:47:27.13ID:IZ8IzQix
だれかペンギンリーダーのJapanese Ghost Stories読んだ人いる?
オススメですよー。
読んだら感想教えてください
0351名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 18:53:46.57ID:FMq8+/Dg
Virginia WoolfのTo the Lighthouseを100ページ程度まで読んでるんだけど、思った以上にしんどいなこれ
Good readsでは評価高かったし、Virginia Woolfの名前自体は以前から聞いてたから気になってたんだけど
いざ読んだら"意識の流れ"って言うらしいんだけど普通の小説ではまず出てこないような登場人物の脈絡の無い考え事がとりとめなく続く様式に圧倒される。
最初は新鮮感もあって興味深いな、とか、こういうリアルな内面描写を各人物にすることで厚みのある人間関係が描けるのかも、とかも思ったけど
あまりにも意識の流ればかりというか、出来事はほとんど進行せず、考え事の方も進展があるわけでなくて、「子供の事を思ってたら世間の経済、そして我が家の家計」って風に本当に主題なり目標があるわけでもなくただ流れに身を任す感じなわけで、飽きてくる。
キャラクターについて言うと、主人公は高名な哲学者の夫と8人の子供を持つ上流階級の女性で、50代だけど美人で皆に慕われて隠れファンが2人いて、「幸せのはずだけどメランコリーだわー」って感じの、
要するにMary Sue的な臭いがするのが鼻についたというかあまり感情移入できなかった。リアルに意識の流れを描くって趣旨なんだろうけど割とエゴとか他人への軽蔑もモロに描写されてるしね。
好きな人は好きなんだろうけど自分には合わないかな。
0352名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 19:13:22.52ID:96YgFcoq
Virginia Woolf は、どれも短めだけど、確かに読むのが大変だ。ストーリーもわからなくなる。
今は誰のことを言っているのかさえわからなくなる。だから、カンニングみたいだけど、僕は
先に YouTube 上の映画版を見た。ただし日本語による事前の知識はまったく入れないようにした。

さっそくその映画を紹介しようとしたら、半年ほど前にあったその素晴らしい映画が
YouTube 上から消えている。ついでに、同じく Virginia Woolf の原作小説
"Mrs. Dalloway" に基づく映画も消えている。(一応は残っているが、映像も音声も
きわめて劣化したものしかない。)僕自身は、両方の映画の DVD をイギリスから輸入した
からいいものの、ぜひとも他の人たちにも見てほしかった。

Virginia Woolf については、他に "The Waves" という詩のような小説も読んだ。
この三つの小説は、どれもこれも実に素晴らしいと思う。ただし読みにくいし、気軽には
読めない。

Virginia Woolf を読むときには基本的に、筋を追っかけてはいけないと思う。筋書きの
進行は期待してはならない。あくまで文章の流れに身を任せる。過去か未来かわからない。
今は誰が、誰について語っているのかもわかりにくい。何についての話なのかもわかりにくい。
そして、それこそが Virginia Woolf のこの三作品の「素晴らしさ」なのだと思う。

そもそも意識というものは、それくらいにあいまいで、果たして今は何について、そして
いつの話について自分は考えているのか、はっきりさせながら人間は物を考えている
だろうか?そして、男は普通は過去と未来とを峻別し、誰の話なのか、何についての
話なのか、できれば論理的に、しかも筋書きをしっかりさせ、結論もはっきりさせるような
考え方をする傾向が強いみたいだが、果たして女性はどうなのか?もしかしたら、
Virginia Woolf は女性の意識の中身をそのままできる限りリアルに描こうとした
のではなかろうか?そういうふうな観点から彼女の小説の「流れ」にそのまま身を任せると、
今度はそれが好きになってくる。

Virginia Woolf については、過去に僕は下記のスレッドにてたくさんの書き込みをした。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1356090422/
0353名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 19:17:16.53ID:96YgFcoq
>>352 の最後で紹介したリンクを辿ると「人大杉」というメッセージが出るが、気にしないで
「掲示板に戻る」という項目をクリックすれば、次のような掲示板が現れる。

     ヴァージニア・ウルフ

そういうタイトルの、文学板上にあるスレッドだ。
0354名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 20:02:09.81ID:P/aRxNVD
>>351
読んでいないので分かりませんけど、この書き込みから、統合失調症の症状である
「言葉のサラダ」というのを連想しました。専門的には連合弛緩と呼ばれている症状です。
ここまでひどい症状ではないようですが、ひっょとしたらなにか親和性があるのかもしれない ----
---- なんてこととをふと思いました。
0355必殺翻訳人2016/04/27(水) 22:42:47.50ID:Mvt5nL5L
「意識の流れ」だとか話の飛躍(コラージュの手法など)だとか、こういう
近代文学の潮流は結局、一般大衆を小説から引き離したんだよなあ。
ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』なんか、平凡な中年男の一日の心の
つぶやき?をえんえんと何十ページと書き連ねて、現代文学の金字塔という
ことになっている。
このジェームズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフ、詩では『荒地』を
書いたエリオットなんかのおかげで、文学が一挙に難解なものになっちゃった。
こいつらは、文学を一般人から隔絶させた極悪人である(笑)

日本のいわゆる戦後詩はエリオットの影響を強く受けている。
その大半は、ほとんどキチガイの独り言としか読めない(笑)
0356名無しさん@英語勉強中2016/04/27(水) 23:43:31.34ID:P/aRxNVD
>>351
バージニア ウルフ 統合失調症 で検索してみたら、やっぱりというか、色々出てきますね。
統合失調症だけでなくてうつ病も指摘されていますね。
かなり深刻な性的虐待も受けていたようなので、
解離性障害の可能性なんかも考えられるかもしれません。
解離性障害も統合失調症と似たような症状になることがありますから。

こういった心の病を抱えた人、もしくはその傾向のある人たちはたくさんいるわけで、
こういった傾向のある人たちの心の世界にフィットした作品を書いて行けば、
マーケットとして充分成立することになります。

この作品が 351 さんの理解を超えていると感じるならば、
それは 351 さんの心の世界とは違う世界なのだから、無理に理解しようとするよりも
もっと自分の心の世界に適した他の作品を探していった方がいいかもしれません。
0357名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 01:26:12.85ID:1HGQi/Xs
Ian McEwan, "Atonement"読了。
はじめて読んだ著者だが面白くてビックリ。
描写の精密性と実験性と物語性が程よくバランス。重量感がありながら頁を捲る手が止まらない面白い物語になっている。
エンディングはやられたあと思いつつ感動。物語による過失と物語による救済。
本作は冤罪、許し、戦争とかなり重いテーマだったが、著者の他の作品ではギャグっぽいのもあるようだ。

ちなみに作家志望の主人公がヴァージニア・ウルフの『波』を参考に作品を書き、文芸誌に応募したところ、それを批評されるシーンがありました。
意識の流れと物語を両立させましょう、次に何があるのか読者に興味を持たせるようにしましょう的なアドバイス。
ヴァージニア・ウルフは "To the Lighthouse ", "Mrs Dalloway"は好きです。"Orlando"はイマイチだった記憶。
0358名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 06:54:50.45ID:UnDXhY+U
Virginia Woolf の手法を見事に評価した簡潔な批評文を見つけた。

Woolf's main aesthetic projects — developing a technique of free
indirect discourse, rewriting patriarchal literary forms, pioneering
new representations of time and space, and creating psychological
realism — shared a common goal: ★to draw human relationships by
lifting the veils that divide people from one another★. To alter the
very idea of literary reality, Woolf devised what Alex Zwerdling has
called "the seamless language of fiction," a language that describes
●the sometimes fluid, sometimes disjunctive condition of modern
English selves and their numerous others●.
   — The Cambridge Companion to "To the Lighthouse," p.92
0359名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 07:51:09.08ID:UnDXhY+U
Virginia Woolf は、わかりにくい文章ばかりを書く人かと思うと、とんでもない。実は、
彼女ほど明快で美しく簡潔な文章を書ける人はいない。彼女のエッセイを読むと、それが
よくわかる。彼女は、500ページくらいのエッセイ集が5冊にまたがるくらいに膨大なエッセイを
書き、ついでに手紙もそれくらいに残っており、さらには日記もそれと同じくらいの量のものが
残っているが、どれも実にわかりやすい。(ごく一部を拾い読みしたことしかないけど。)

さて、Virginia Woolf のエッセイの一つで、読書するときの心構えについて書いた
ものが印象的だ。本を読むとき、人はついつい先入観を持ち、自分の立場からしか読もう
としないが、それを取っ払って、著者そのものになり切って、著者の立場にそのまま立てば、
実に素晴らしいものを著者は教えてくれるというようなことを書いている。

このことは当たり前のことだと思う人も多いだろうが、そう言っている本人が実は、本を読んで
いるときにやはり自分の立場からしか読もうとしない。だからこそ「この主人公は甘ったれてる
からダメなんだ」とか、「ここの筋書きがリアルじゃない。現実はこんなもんじゃない」とか、
「悲劇の主人公の気分でいるようなキャラクターは嫌いだ」などと言って、たくさんの珠玉の
ごとき作品群を自分から捨ててしまっている。そしてこんなことを言っている僕自身も、
ついつい先入観で本を読んだり人を見たりしてしまっているのだ。(続く)
0360名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 07:51:33.59ID:UnDXhY+U
>>359 の続き
Virginia Woolf のエッセイの一節:
★Do not dictate to your author; try to become him.★ Be his fellow-worker
and accomplice. If you hang back, and reserve and criticise at first,
you are preventing yourself from getting the fullest possible value
from what you read. But if you open your mind as widely as possible,
then signs and hints of almost imperceptible fineness, from the twist
and turn of the first sentences, will bring you into the presence of
a human being unlike any other. Steep yourself in this, acquaint
yourself with this, and soon you will find that your author is giving
you, or attempting to give you, something far more definite.
   http://gutenberg.net.au/ebooks03/0301251h.html
0361名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 09:50:41.07ID:AZNLFy0z
Virginia Woolfを英文で読んでるのか、凄いなぁ
灯台へを岩波で読んで感動し原文に挑戦したがあっさり撃沈
0362名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 10:00:20.10ID:UnDXhY+U
T.S. Eliot の "The Waste Land" の話が出た。その詩については、まだ僕にはよく
わからないが、同じ詩人の書いた "The Hollow Men" ならよくわかるんじゃないだろうか?
現代の人間存在や社会をリアルに描き出しているという感じがする。わかりにくいところが
あるけど、そこはすっ飛ばしたとしても、面白い詩だと思う。

   http://www.shmoop.com/hollow-men/poem-text.html
0364必殺翻訳人2016/04/28(木) 11:15:07.76ID:kkHwiURO
うーん。
>>356のような書き込みを読むと、なんともいえない気分になる。

作者が苦心惨憺、文学的テクニックを駆使して入念に構築したかもしれない
「意識の流れ」等の表現を一般人は理解できなくて、頭のおかしい人間と
見なされてしまう、みたいな。

一般人の理解を超えた作品を書くと、精神病を患った人間というレッテルを
貼られるというしっぺ返しをくらうのだ(笑)

しかし、現代文学はもうジェームズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフの
文学的達成を無視して進むことは難しい。
>>357で言及されているように、Ian McEwan なんかはその文学的達成を引き継ぎつつ、
自分の世界を構築しようと苦闘している現代作家のひとりでしょう。
0365必殺翻訳人2016/04/28(木) 11:19:39.50ID:kkHwiURO
ちなみに、ヴァージニア・ウルフと言えば、最近、平凡社ライブラリー文庫
から『自分ひとりの部屋』というエッセイ集が出ました。
0366名無しさん@英語勉強中2016/04/28(木) 13:33:07.79ID:rz8jGwJz
Attention please

>1
>多読、精読、ジャンル不問。感想は長すぎず、短すぎず。


Thank you
0367名無しさん@英語勉強中2016/04/29(金) 06:52:49.77ID:QKMw3JIQ
Virginia Woolf は、美しく静謐な詩そのものという感じの文章を延々と書く人だ。こんな
文章だから、そんなに長い小説が書けるはずもないし、極限にまで完成されたそういう文章で
500ページ以上の長編小説なんて書かれては、読む人もいなくなるだろう。

"To the Lighthouse" はすでに2回くらい読んだことがあるのだが、今回これを
100ページまで読んだ人に触発され、僕もそれをあちこち再び拾い読みしたり、それに
ついての学者たちの批評文を読んだりした。いま目に付いた一節も気に入ったので、
それを書き出してみる。

... both of them (= Lily Briscoe and William Bankes) looked at the
dunes far away, and instead of merriment felt come over them some
sadness — because the thing was completed partly, and partly because
distant views seem to outlast by a million years (Lily thought)
the gazer and to be communing already with a sky which beholds an
earth entirely at rest.
   (Virginia Woolf "To the Lighthouse," I "The Window," 4,
   Everyman's Library p.23)

Virginia Woolf の文章は、止まった時間を描いているかのように見える。誰かが
しゃべったり歩いたりしているときを描いているときでさえ、それがまるで静止していて
沈黙が延々と続いているかのように感じさせるような文章だ。誰かが何かを感じたり
考えたり、さらには怒った場面があっても、それらもすべて静止しているかのように
感じさせる文章なのだ。(続く)
0368名無しさん@英語勉強中2016/04/29(金) 06:53:11.26ID:QKMw3JIQ
>>367 からの続き
そういう雰囲気に最初は僕も違和感を感じた。従来のあらゆる小説とおそらくは違っている
のだろう。そして、しばらく我慢していると、このような文章に病み付きになる。ものすごく
長いセンテンスもたくさん出てくるので意味がなかなか取りにくいし、僕の英語力では
果たしてどのくらい理解できているかもわからないが、すべてをいきなり理解しようとは
せず、わかる部分を増やすつもりで読んでいくようにしている。

一度目にわからなかった部分が、二度目に読んだときにわかる。二度目に読んでも
わからなかった部分が、三度も四度も読んだあとにわかってくる。それでもわからない
部分があったら、20年後にわかるようになっていることを期待する。自力でわからなかった
部分でも、The Cambridge Companion to "To the Lighthouse" というような
本などに衆力されている学者たちの評論文を読んでいるうちに気づかされて、改めて
小説の該当部分を読んで「なるほど」と感心することも多い。すべてを理解している
わけではなくても、ともかく永遠の止まった時間を描き出しているかのような Woolf の
文章は、気持ちいいのだ。
0373名無しさん@英語勉強中2016/04/30(土) 22:33:12.36ID:viXGd7IX
Bryan CaplanのThe Myth of the Rational Voter: Why Democracies Choose Bad Policiesを読みました。
選挙で大衆の支持する経済政策に一定のバイアスがかかっていることを統計データをもって示した上で、そのことの原因や、それが政策形成プロセスにどう影響するかについて分析した本です。

曰く、(a)大衆の支持する経済政策には重商主義や、(b)とにかく雇用を増やせば良いという観念、(c)行き過ぎた悲観主義、(d)市場に対する敵視等の点で経済学にリテラシーのある投票者の志向と顕著な違いがあるそうです。
仮に経済学を知らない大衆がランダムに投票をするのなら、優れた政策と劣った政策の二択では大体50%ずつ票が分布するわけで、少数の経済リテラシーを有する者がキャスティングボードを握るi.e.優れた政策が選ばれる、ということになるのですが、
前述の通り大衆はランダムに投票するのでなく、一定のバイアスを持って投票するから大衆の選択が打ち勝ってしまう。
従来的な公共選択論は「合理的な無知」仮説(大衆は懸命に経済を学んだところで投票によって自分が経済政策を決定できる期待可能性はほぼゼロだからわざわざ学ぼうとしない)を採る一方で、
Caplanはそれは全体像ではなく、無知の他に「非合理性」も大衆にあると反論します(ただの無知なら上のケースでランダム投票者になるわけだし)。
その非合理の中身というのが、(a)思慮の浅はかな投票(b)利他的な投票(c)アイデンティティ発信としての投票といったもので、いずれも投票することによって直ちに自分の利害が関わることが無いことから起こる現象。
このような投票傾向が選ばれる政策にどう影響するか…と話は続くのですがここでは割愛。

ちょうど今アメリカ大統領選の予備選が進行していて、経済政策も中心的なトピックになっているところなので、この本を照らして読むとまた一層の面白みがあります。
「製造業を中国に送るのを止めよう」みたいな飛び交うキャッチフレーズはまさに本書で指摘されたバイアスに迎合するもので、こういうバイアスを正すのでなく迎合する政治家が人気を博している現実は気を暗くさせるものでもあります。

読む上でそれなりに頭を捻る本ですが、それだけの読み応えはありました。政治学、公共選択論に関心のある人は是非。
0374名無しさん@英語勉強中2016/05/01(日) 03:57:51.61ID:+0kDgCRw
George Eliot, "Silas Marner" 読了。
構文を取りにくいところが散在、また訛りが多かったので邦訳も参照した。数頁に一度悩んだところをチラ見する感じ。
過去親友に裏切られ社会や宗教を信用しなくなった変人守銭奴リネン職人の話。
まあまあ面白かった。中盤まではやや冗長な状況描写が多いが、半分過ぎてから一気に感動のドラマになる。
心に拡大鏡を入れて観察したような心理描写の細やかさが印象に残る。
0375名無しさん@英語勉強中2016/05/01(日) 06:41:04.97ID:O5yE8DMX
エンタメ小説は少し飽きたから、4月は実録的な洋書を読んだ。

・On the Traail of the Aassasing(by T,Grarison)310頁
        (ケネディ暗殺事件にかかわった地方検事の回顧)
・Goodess(The Secret Live of Marilyn Monroe)472頁
        (マリリン・モンローの生涯と死の謎)
・Day of Deceit(邦訳:真珠湾の真実)(by R,B.Stinnet)約320頁

JFK暗殺、モンローの死、真珠湾攻撃等には、政府の公式見解とは別に、「陰謀説」と
軽視されるが、別の視点からのアプローチがある。そして、真実は永遠の謎なのだが、
JFK暗殺ついては、米国民の7割程度が「陰謀説」を支持してそうだから、真実に近い
のかも知れない。

米国には「情報の自由法」というのがあり、それで得られた新証拠とともに
著述されると、これら「陰謀説」も一定の説得力がある。特に、「Day of Deceit
(邦訳:真珠湾の真実)」は、開示により入手した公文書のコピーも大量に掲載され
ており、内容は衝撃的だ。日本では無視されているが、全くの秘密裏に100隻あまりの
大艦隊が太平洋、南シナ海等の遠距離を航行して遠隔地に奇襲攻撃をかけることが
できたという方が、そもそも怪しい。
0376必殺翻訳人2016/05/01(日) 22:32:45.34ID:tTuVEYLI
>>375
>そして、真実は永遠の謎なのだが、JFK暗殺ついては、米国民の7割程度が
>「陰謀説」を支持してそうだから、真実に近いのかも知れない。

アメリカに Consortiumnews というサイトがあって、ここはもっぱら調査
報道を専門にしている。創設者は元大手新聞の記者の人。
アメリカでは一定の信頼性を獲得していると思う。

何年か前に、このサイトにケネディー暗殺関連の記事が載った。
陰謀論などとは縁のないサイトだから、ちょっと驚いた。

客観報道、綿密な調査報道を誇るこのサイトが取り上げたのだから、
やはり単なる陰謀論とは片づけられない疑問点があるということ
らしい。
(読んだのはかなり前なので、細かい論点は忘れちゃった)
0377名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 06:42:31.80ID:3lJOumtf
ケネディ暗殺は、狂気の一匹狼とされたR・オズワルドの単独犯行として幕引きされた。

しかし、単独では無理ということ。実際、他にも犯人がいたことを示唆する事実が
たくさん残っている。そもそも、犯人とされたオズワルドという人物の経歴に謎が多い。
(海兵隊入隊・ロシア語学習・射撃の腕前は中以下・左翼思想感染・除隊・ソビエト亡命
・ロシアで結婚・数年後帰国・職業を転々(複数の政府機関を含む)・極右との交流等)

それ以外に、写真・8mm映像や多数の目撃者の証言、コースの突然の変更と防護屋根の開放、
ライフルの弾道(オズワルドのいたビルとの関係・発射回数と時間・「魔法の弾丸」と
説明される不可解な弾道(ある弾丸は、ケネディの頭を貫通してのち、弾道を曲げ、はね返って
はね返って州知事の肩に命中とか)、逮捕の数日後に口封じのためか射殺、それまでに
政権内で摩擦を起こしていたケネディの決断(ベトナム撤兵・冷戦緩和・キューバ侵攻で
軍派遣要請を拒否等)、調査委員会のメンバーと幕引きの速さ等、疑念を生じさせる
ものが数多く、断定はできないが、なんらかの「陰謀はあった」と思わざるを得ないということ。
0378名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 11:53:52.14ID:uhjZLb3w
>>365 にて Virginia Woolf の "A Room of One's Own" の話が出たけど、
もともと彼女の文学についての研究は盛んだったらしいけど、最近は特に盛んになって
いるようで、同時に一般読者も読むことが多くなったみたいだ。

そのおかげで、去年には The Cambridge Companion to "To the Lighthouse"
という、例の有名な小説だけのための研究書も出たし、YouTube 上ではボランティアたちが
続々と Woolf の小説群の audiobook を発表してくれている。3年ほど前に僕が見たとき
に比べて、Woolf 関係の YouTube 上の資料がものすごく増えている。

その一環として、>>365 さんが話題にしてくれた "A Room of One's Own" という
評論集の全編を録音した audiobook も YouTube 上で公開されている。

   https://www.youtube.com/watch?v=RWEN8lDib18
0381名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 21:32:45.02ID:3lJOumtf
スマホ・ネットの時代においては、もはや古典文学は存在意義を失っている。
男と女の意思疎通を阻害する身分差・階級差・倫理観・交通・伝達手段の後進性等の
諸問題が解消された現代において、古典文学の主題である恋愛等は軽い軽〜い出来事
でしかないからだ。

洋書=英米文学というのは誤った固定観念で、英語力は実用的・生産的に運用すべきだ。
妄想の世界で、悪戦苦闘するのは、君、馬鹿バカしいと思わんかね?
0382名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 23:12:10.33ID:yTlJ5va6
あーくだらね。
その考えでいくと
飯なんか栄養が取れればなんでもいい...
子供を産まないセックスなんて時間の無駄...
お前の生き方はつまんないね。

ま、OEDさんも周りの空気を少しは読めよ
とは思うが。
0383名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 23:33:06.87ID:M28S67u0
このまま居座られそうだね

別スレ立てた方がいいいのかな
最初は良いスレだったのに残念
0384名無しさん@英語勉強中2016/05/02(月) 23:42:12.38ID:tLSILs/w
5年くらい前にも「文学=妄想」馬鹿がいたんだが同一人物か? 
ブランクあって最近また2chみてるんだが。
0385名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 06:39:46.61ID:xXzfj/OX
>>384
そういう人は多分、知的好奇心って言葉の意味がわからない人だと思う。
世の中には無駄こそが素晴らしいという矛盾した事も多い。
0386名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 12:45:04.13ID:TuY3l5EN
OEDさんは気にならない
非常に参考になるレスもあるし、無意味でうぜー長いと感じるレスもある
無意味と映るレスは無視するだけ

仲良く低レベルでちんまりやってるのがいいわけではない
0387名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 14:03:40.00ID:TnB6pcF1
>仲良く低レベルでちんまりやってるのがいいわけではない

低レベルでちんまり?
てか、良い悪い関係ないだろ

それぞれの居場所があるのに
住み分けが出来ないのかね

女性用の洗面所に入って
言い訳してる変態男みたいだわ
0389名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 19:19:03.76ID:5jWxq6x2
おれはクソ映画見た後、ただでさえムカついてるところに
「この作品は実話に基づく」みたいなテロップがドヤ顔で出てくると
反吐が出そうになるんだが、>>381みたいなやつは逆の反応示すんだろうな
0392名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 22:53:35.07ID:5jWxq6x2
べつに流れにそった多少の雑談するくらいいいじゃねーかよ
あと吉外基準によると感想に対するコメントもNGなのか?
0393名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 22:54:59.50ID:PW2a25dI
>>391
ひとこと言いたい気持ちは分かりますが、
ここは本の感想を書くスレです。
あなたの読んだ本の感想を書いて下さい。
0394名無しさん@英語勉強中2016/05/03(火) 23:00:32.83ID:PW2a25dI
>>392
読んだ本の感想と、それに関連する話題の範囲でお願いします。
文学論的な一般的な議論は他でお願いします。
0397必殺翻訳人2016/05/03(火) 23:57:41.24ID:EdOmAXi5
ここは雑談も許されないみたいだし、「感想は長すぎず、短すぎず」とか、
しばりがうっとうしいから、おいらは派生スレを建てさせてもらおうと思う。
0398名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 00:30:45.58ID:zY2qcDp8
>>397
他人が立てたスレにやって来て
思い通りにならないから文句言うとかw

黙ってサッサと別スレ立てればいいのに
誰も止めませんよ
それとも引き留めて貰えるとでも?w
0399必殺翻訳人2016/05/04(水) 00:59:48.69ID:p8ghrWyT
>>398
雑談が許されないような雰囲気に対しては>>392氏など他の人も不満に
感じてると思うけど。

>引きめて貰えるとでも?

わけのわかんないこと言うね。
一応、こういう場合一言ことわっておくのが礼儀だと思ったまで。

なんで2ちゃんは、こんなひねくれた人間が多いのか不思議だ。
0400名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 01:21:30.24ID:5zdRhHtZ
他人を引き合いに出す必要があるのかな
親に何かを買って欲しい時に
「◯◯ちゃんも持ってるし〜」
って言う子供と一緒に見える
0401名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 01:48:58.50ID:fepvRe4w
>>399
ここは本の感想がメインのスレです。
ちょっと感想が途絶えてしまいましたので
雑談自由のスレ建て、大歓迎です。ぜひお願いします。

なお、既存のスレでこういうのもありますので、参考にして下さい。
【バカ】洋書雑談スレ【専用】
http://yomogi.2ch.net/test/read.cgi/english/1394160625/
洋書について雑談と情報交換をするスレ
http://yomogi.2ch.net/test/read.cgi/english/1341855132/

何度も言います。
ここは感想スレで、本の感想を書いて下さい。
0402名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 03:00:10.48ID:iWlsclpI
The World Almanac 2017(for kids)

良かったですよ。
小・中学生の時に学ぶような一般常識がひたすら書かれているのですが、意外にも新しい発見がたくさんあって知識が広がった。
for kids editionなので、カラフルでイラストが多いですがchildishって感じでもなく、大人でも読みやすいです。
0403名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 10:08:33.63ID:2/oRkZfh
     警告
このスレは自分が読んだ本の感想以外の書き込みは許可されてないので
>>402に対するコメントは禁止です
0404名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 11:23:55.78ID:12FrpYF3
少し前に読んだ作品の感想。

Kazuo Ishiguro "When we were orphans"読了。
"Never Let Me Go", "Remains of the Day", "Nocturnes" に続いて4作目。

飽きずに最後まで一気に読めたが、カズオ・イシグロではじめてイマイチだった。
バイアスのかかった語り手はいつものことだが、後半の展開がちょっと無茶になって、
ストーリーそのものが信頼出来ない感じになってしまったからだ。

外面的には、上海租界地を舞台にした無国籍探偵小説と『母を訪ねて三千里』を合わせたような作りだが、
そこはカズオ・イシグロ、少しずつ罠を仕掛けて微妙にずらし、段々自分の世界にしているところにニヤリ。

ただ本作では、所謂「信頼出来ない語り手」の動揺、矛盾から読者なりの真実を探る面白みよりも、
話のタガが外れすぎて、どこまで信じていいのか、読者として疑心暗鬼になるのが先に来てしまう。
特にいい加減な情報を元に、主人公が危険地帯に横柄な態度でズカズカ足を踏み込む後半は、
これはスラップスティック・コメディ、ナンセン・ギャグなのか? と思ってしまうことも。

とは言え、一気に読ませてしまう魅力のある作品ではある。
本作に一貫として流れる子供の頃の輝く思い出、後半で説かれる親の子に対する無償の想いと
いった描写にウルっとしてしまった。
主観で歪んだ現実にこそ、客観的で永続する尊い価値が存在するのだ。
0405名無しさん@英語勉強中2016/05/04(水) 23:02:51.65ID:p8ghrWyT
>>397で予告したとおり、
このスレを本スレとする、派生スレを建てました。雑談などにご利用ください↓

洋書・読み終えた本の感想スレ・【別室】
0406名無しさん@英語勉強中2016/05/05(木) 23:27:45.05ID:D41y6plw
>>403
これはスレ主の書き込みではありません。

コメントに関しては
>>394
> 読んだ本の感想と、それに関連する話題の範囲でお願いします。
ということです。
0407名無しさん@英語勉強中2016/05/05(木) 23:30:39.47ID:D41y6plw
>>405
そのスレは、このスレとは全く関係ありません。
当人が勝手に建てたスレです。
行きたい人は勝手にいって下さい。

なんか寄生虫みたいなのが出てきたな。
0408名無しさん@英語勉強中2016/05/06(金) 00:47:09.80ID:aZssgZ3F
>>407
勝手にそっくりなスレタイを使うのを見て
某国の遊園地のドラ◯もんや
キテ◯ちゃんを思い出したわw
0409名無しさん@英語勉強中2016/05/06(金) 05:57:21.33ID:GqnBE4hg
ここEnglish板なのでフランス語とかスペイン語の読後感は禁止なのか
0412名無しさん@英語勉強中2016/05/06(金) 13:47:34.93ID:rLf+W3JG
Julian Banes, "The Sense of an Ending"読了。

老境の主人公が青春時代の思い出の謎を探求する心理ミステリー。
仲間たちとワイワイやりあった若い頃、初恋の懐かしい甘酸っぱい思い出の記憶・・・・・・
その真の姿が実は苦く黒い事実の隠蔽、偽装だとしたら? 
伏線の張り方、どんでん返しが上手く、最後まで引っ張られて読んだ。

Julian Banesはかなり以前邦訳で『フローベールの鸚鵡』『10 2分の1章で書かれた世界の歴史』を読んだことがある。
それらは該博な知識を元に精巧に織り上げられたメタフィクションであり、面白い作品ではあったが、今でも原書では読めないかと思う。
しかし今回の作品は中編であり、難しくなさそうだったので英語で読んてみたが、苦労せずに面白く一気に読めた。
2011年ブッカー賞受賞作。
0413名無しさん@英語勉強中2016/05/06(金) 21:59:38.54ID:VIE48qAL
【成人向け・18禁】女性が書いた官能小説
Sailing to Ecstasy  by Kamilla Murphy  Kindle Edition

 swinger の世界を描いた作品です。数組の夫婦が参加してボートの上で開催されるパーティーに、
夫と一緒に参加することになりました。夫が本当のことを言わなかったために、嫌な予感はしたものの、
まさかこんな淫らなパーティだとは知りませんでした。ショックでなにも出来ずに、隅っこで小さく
なっていました。すると好意を持ってくれた男性が近付いてきて、その人からいろいろと説得されて
胸をはだけて乳房を露出しました。さらに説得されて、二人で裸になって海に飛び込みました。
そして、ボートに戻ったところでこの男性と性交。これで主人公 Joyce は、なんとかパーティの
仲間入りをすることが出来ました。--- というところから物語が始まります。

 参加している妻たちは、巨乳の人から、痩せて無乳の人までいます。誰とでも交わる人もいれば、
女同士が好きな人もいます。主催者の男性は、巨根であるがゆえに女性たちに大人気なのですが、
心の底では巨根を抜きにした人間的な触れあいを求めています。パーティは開催されるたびに
メンバーに変化があります。様々な人たちとの性交が繰り返されるのですが、巨根の男性は
徐々に Joyce への好意を募らせていきます。最初に交わった男性は巨根の男と兄弟なのですが、
この人も Joyce への好意を募らせていきましす。やがて嫉妬が生まれ、葛藤が生まれます。
二人の男がひとりの女を取り合う形になるのですが、この二人の葛藤をもう少し良く描いて欲しかった。
夫との関係もいろいろあって、最後はある種の境地に達します。

登場人物が多いので、夫婦の一覧表をメモしておいた方がよいです。
文章的には熟語が多くて少し難し目でした。
Sex、Sex、Sex。頭のフタが飛んでしまいそうな、スゴイ世界でした。紙本換算で86頁。
0414名無しさん@英語勉強中2016/05/09(月) 08:56:21.37ID:AWo3VhEQ
Jon KrakauerのInto Thin Airを読みました。

1996年のエベレスト大量遭難事故に居合わせた筆者の体験と、生存者へのインタビューを元にした一部始終の記録です。
特に、事故発生直後からの濃密な期間を刻々と描いた叙述からは、嵐が起こり手筈が崩れてからやがて大事故に至ることが明らかになるパニックの過程は、その場にいるかのように鮮明に感じられました。

また本書は事実関係の記録であると同時に、登山仲間達が散っていく事の虚しさや「あの時なぜ異変に気が付かなかったのか」といった後悔等、筆者の極めて個人的な思いの丈の吐き出しでもあります。
筆者自身、登山について強い思想を有し、事故当事者としてサバイバーズギルトに苛まれてもいたことから、純粋な第三者に留まることは最初から意図していなかったのでしょう。

このような主観性は、例えばあるガイドの救助方針を非難的に書いた事で出版当時論争を招いたこともあったようで、事実解明の点では時に不適切でもあったのでしょうが、
「一当事者の目線からこの歴史的事故を追体験する」という視点の限りにおいては、必要かつ効果的な方針だったと私は思いました。

エベレスト登頂の歴史からすれば大量遭難のあった1996年さえ突出した災厄の年とは言えず、平常時でさえ低酸素・不安定な天候・クレバスや氷瀑等常に危険だらけなようで、
門外漢からすればエベレスト登山はとんだ向こう見ずなように思えるし、筆者自身も合理性を超えた次元である事を認めています。
ただそれと同時に筆者の少年時代からのエベレストへの憧景にも心のどこかで共感してしまい、
だからこそ凄惨な事故で現実を直面した時の筆者の感じた虚しさには、読者である自分にも重く響くものがありました。
0415名無しさん@英語勉強中2016/05/10(火) 19:03:08.12ID:D+hqPVAY
短編乱読

Lake of Dreams by Linda Howard Kindle Edition

人気作家リンダ・ハワードの短編が出ていたので、読んでみました。ロマンチック・サスペンスです。5月2日にkindle版として出されたばかりですが、検索するとすでに「人気」の赤いタスキが掛かっています(^^; 。
この作品自体は新作ではなくて、1995年に出版されたアンソロジー Everlasting Love の中のひとつとして発表されたものです。

女性の主人公 Thea は家屋のペンキ塗りの仕事をしていたのですが、最近悪夢に悩まされるようになりました。毎日夢の中にたくましい男性が現れて、彼に犯されたり、殺されたりするのです。
やがて仕事が手に付かなくなって、夏の繁忙期なのですが仕方なく仕事を休むことにしました。両親が所有している湖の畔にある別荘を借りて、ひとりで心を落ち着けてこの問題と向き合うことにしました。
それともうひとつ、どういうわけか最近になって急に水に対する恐怖感を持つようになったので、この問題とも取り組む予定でした。

ところが、、、、当然この別荘でいろいろなことが起こるわけです。夢の謎や、水に対する恐怖感の意味などは、やがて明らかになります。最後の方は、もう夢中になって読みました。
 輪廻転生、、、愛と死、、、、。

ちょっと突っ込みを入れたくなるような所もありますが、小説ですから、そういうのは脇に置いといて、全体的に楽しく読ませていただきました。紙本換算で73頁。

この人の作品を読むのは初めてなのですが、翻訳本もたくさん出版されているので、ファンの人も多いと思います。調べてみたら、この作品は Strangers in the Night という本に再録されていました。日本のAmazonではレビューも付いています。
0416名無しさん@英語勉強中2016/05/11(水) 07:41:39.48ID:XLd5CfSQ
Jonathan Swift, "Gulliver's Travels"、読了。
古典なので以下ネタバレあり。

1726年作ということで見慣れない単語や読みにくい構文はあったが意外に面白く読めた。
読書スピードが上がらないと苦行になるので、ぱっと見でよくわからないことはあまり悩まず
ささっと読み飛ばす態度で読んだ。

子供の頃に読んだ童話版ガリバー旅行記の経験があるし、リリパット、巨人の国、飛行国ラピュタなどの設定は
日本でも一般常識にもなってるし、一通り知っている話だろうと予想して読んでが、実物の中身はかなり違った。
実物はファンタジーというよりも、社会風刺テイストが強く、またグロテスク表現も結構多い。
例えば、巨人国の女性の乳房の描写で、色が汚くぶつぶつやできものがあって、この世にこんな
気持ちの悪いものはないという細かい描写とか、また、どこの国においてもやたらと排泄物が描かれていたりする。
こういうお下劣な部分は童話版ではカットされたような気がする。

さらに主人公ガリバーが馬の国に行って嘘や偽りを知らない理想的な彼らの生活に慣れ、
またそこに生活する野蛮人ヤフーという外見的にも精神的にも人間に似ている動物の醜悪さに慣れ、
そのまま人間嫌いになってしまった展開は結構衝撃。

ガリバーは馬の国から英国に帰国しても人間嫌いは直らず、自分の家族にすら心底嫌悪感を抱き、
本当は嫌だが人間(ヤフー)どもと波風立てたくないので、何とかテーブルの一番端っこに妻の同席が
許せる程度までは嫌悪感を抑えるよう回復しましたというところで終わり。
完全に厭世的で人間嫌いになったままのガリバーだった。これは子供には読ませることが出来ない(笑)。

原典は大人が読んでも面白い、というか大人が読んだ方が面白い小説ではないかと思った。
0417名無しさん@英語勉強中2016/05/11(水) 07:57:29.83ID:AZVADBgU
ガリバー旅行記は元々、不合理な異世界社会を描くことを通しての、執筆当時のイギリス社会についての風刺小説としての意味合いもあるとも言われるし
政治や社会に不満を持ってるような大人に向けた小説としても意図してるんだろうなって気はするな
0418名無しさん@英語勉強中2016/05/11(水) 17:26:46.18ID:1XJ5Sg0d
「かぐや姫」だって藤原氏批判の政治的寓話とする説もあるし、まぁそんなもんだろうな。
0419名無しさん@英語勉強中2016/05/12(木) 09:10:05.70ID:FTjcx8by
「子供向け」
の仮面をかぶった大人向けが結構あるよね
ディズニーもまた然り
0420名無しさん@英語勉強中2016/05/14(土) 00:04:17.94ID:EJfRBa4f
Nicholas CarrのThe Shallows: What the Internet Is Doing to Our Brainsを読みました。
「インターネットを通じて我々の思考がより浅くなっている」という主題を多様なアプローチで検討する本です。

近時の脳科学によれば、ヒトの脳は、どんな思考をするかによって構造が変わり、その構造変化が特定の思考モードが強化・通常化するようで、我々の思考パターンがインターネットの様式に順応した形になってきている、という懸念を筆者は示します。
技術史という視点で歴史を見れば、技術は単に人々の同じ行動を効率化させる、といったものではなく、技術の形態に合わせて使い手にも変質を及ぼしてきたのであって、情報媒体にも特にそれは当てはまります。
メディアとして比較すると、本は特定の語りに意識を集中させ、線的な、深い思考を促すメディアであるのに対して、インターネット断片的な情報群を常にスキミング、取捨選択させることが構造的な前提になっています。
インターネットを使うことによる取捨選択もそれは独自のスキルではあるけど(脳をスキャンすると、クロスワードパズルを解くときの状態に近い)、常に意識が散漫するそれは深い思考を阻害するものでもあるのです。

よくこんだけいろんな分野に足突っ込んで深い議論できたなって関心したし、本書の言う「本の線的思考」の通り、一つの主題を多くの切り口で論ずることで深みが増しています。
それらを片っ端から要約しても伝わらないし、興味持った人にはぜひ現物を読んでもらいたいです。

ネット漬けの人間として個人的に思うところが多かったです。
ネット型思考にもネットという環境には適応したメリットはあるといっても、深い思考を手放すのは個々人としても社会としてもリスクは大きいように思います。
それに浅い思考というのは機械が代替しやすい思考でもあるように見受けられるし、そうであれば技術水準の発展に伴って益々深い思考の必要性は増すのでしょう。
現代でネットを手放す、というわけにはいかないけれども、ネットの便益は得つつ、放心的なネットサーフィン、特にリアルタイム更新がなされる2chのダラダラ利用は抑えて、その分読書で深い思考を維持したいと思いました。
0421名無しさん@英語勉強中2016/05/16(月) 21:40:12.92ID:oDKobsyP
↑のような(科学的社会評論?の)原書を読む人は「偉い」。

小説(文学)の類の洋書は、わからない個所があっても本質的な筋さえ追えれば
なんとか(「いいかげん、適当に」)読み進めることができる。
小説(文学)は、「概括的」「情緒的」な英語読みレベルでOKだ。

それに対して、社会評論、自然科学、社会科学の類の原書は、その扱う内容そのもの
及び取り扱う概念、事象の正確な理解、論理の精密な展開について行ける高度な知性が
要求される。難文ハンターの好む時代遅れ、非実用的な表現や構文はないが、
内容の精密で正確な英語解読が要求される。

よって、「前者」より「後者」の方がレベルは上でより難度が高いと言えるだろう。
「洋書」読みから、「原書」読みになって、初めて英語力に価値が出るといえる。
0422名無しさん@英語勉強中2016/05/16(月) 23:43:21.66ID:W4Eq4XvQ
単に背景知識の問題だと思う
自分は経済金融に興味あるけど、そうした方面のものは小説よりも全然簡単
理詰めで読めば分かるから。というか展開で大体次が予想できる
しかし小説は理詰めで行かないので難しい
0423名無しさん@英語勉強中2016/05/17(火) 02:47:15.70ID:7n3R+NwG
>>421

だったら学術論文を毎日読んでる俺は、もっと偉いな
小説はろくに読めないけど
0424名無しさん@英語勉強中2016/05/17(火) 11:44:02.20ID:SzG1XzZ6
>>423 専門用語だらけの論文を読めたからと言って英語ができるとは言えない。 あんなの方言と同じなんだから。
英語があまりできなくても読める。 私は英語ができないと言ってた先生がノーベル賞をとっただろ。

ああ、皮肉で言ってたのか。 >>421 が言う事は少しおかしいことがあるな。 専門書を読むには専門知識が必要なんだから語学力には関係ない。
0425名無しさん@英語勉強中2016/05/17(火) 12:25:48.35ID:UqG2jvHX
>>423
良いんだよ、読みたい本を読みたいヤツが読めば。
専門書が必要なヤツは読みゃいいし、小説読みたいヤツは小説読みゃ良いじゃねえか。
人が読んでる本に一々ケチつけんな、それに自慢も卑下もしなくたっていいんだよ、個人の楽しみなんだから。
0426名無しさん@英語勉強中2016/05/17(火) 15:14:55.53ID:TKQ+vffC
【注意】
ここはジャンル不問の感想スレです。
どのジャンルが偉いとかいう話はやめて下さい。
児童書でも哲学書でも何でもよいので、読んだ本の感想を書いて下さい。
0427名無しさん@英語勉強中2016/05/19(木) 00:38:13.32ID:jMPyyjUs
Cormac McCarthy, "The Road"読了。

核戦争後の米と思しき土地を放浪する親子の物語。面白く一気に読んだ。
文明が滅亡し、雪や煤が降りしきる冷え切った世界で救いを求めて南下する親子・・・・・・
とありがちなSF的設定だが、本作はスリルやサスペンスよりも、絶望的状況の中での
生や希望や正義の意味を問う親子の問答が胸に響く、宗教的、啓示的な作品だと感じた。

英語はセンテンスが短く、動詞省略や体言止め的手法が多用されていて非常にリズムが良い。
読んでいて世界に浸りやすい。ただ、語彙が豊富なのでややGoogleに頼ることが多かった。
また、McCarthyは会話を記号にくくらない独特の手法を採っており、会話がそのまま地の文に続くが、
本作品は登場人物が少ないので混乱することはない(同時に三人話すことはない)。

Cormac McCarthyは以前邦訳で『ブラッド・メリディアン』を読んだことがある。それと『血と暴力の国』の
映画化の『ノーカントリー』(コーエン兄弟監督)は好きな映画(原作は未読)。

面白かったので、Cormac McCarthyの他の作品も原書で読んでみたい。
0428名無しさん@英語勉強中2016/05/19(木) 09:38:17.71ID:lCw/wvTJ
映画で見たけども、暗かったなあ『The Road』…同時期にやった、やはり最終戦争後の世界を彷徨う男の話『The Walker(だったかな?)』ってのが、
どちらかというとアクションメインのキリスト教万歳神さま万歳的な話だったのとは、すごい対照的だった。

スレ違、まったく申し訳ない。
0429名無しさん@英語勉強中2016/05/19(木) 10:18:44.92ID:WuM+EXUm
英語は語尾の役割語が発達していないので
直接話法で3人が同時に喋るのが難しい
0430名無しさん@英語勉強中2016/05/23(月) 19:19:33.55ID:C9WAjTtK
短編乱読
The Comeback: How Larry Ellison's Team Won the America's Cup
  by G. Bruce Knecht
 これはヨットレースのカメリカズ・カップについて書かれたノンフィクションです。まったくなんの予備知識もないままに読み始めたら、最初はかなり混乱してしまって、ネットでいろいろ調べながら読みました。
 ヨットレースとは言っても、最近は船の大型化とスピードアップが急速に進んでいるようです。船は双胴船で水中翼を使って船体が完全に水面から浮き上がる状態で走ります。スピードも最高で70キロくらいになり、危険性も増して死亡事故も起きているようです。

 この本で書かれているのは前回の2013年の大会です。アメリカ代表のオラクル・チームUSA が、ニュージーランドのチームに1対8とマッチポイントまで追い込まれた状態から8連勝して優勝しました。
 しかし、オラクルは以前の違法改造によるペナルティとして一部の選手が出場禁止になり、さらにマイナス2ポイントからのスタートでした。そして負けが込んでくると、本来はルールで禁止されているはずのポンピング(pumping) という手法を使います。
バレなければなにをやっても良いみたいな感じです。ルールでは自然の力だけを使って推力を得るように定められているのですが、ポンピングは帆を鳥の翼のようにバタバタさせて推力を得ます。つまり筋肉の力によって推力を得ることになります。
 ところがこのポンピングは事後承認みたいな感じになって、次回からは公認となりました。なんかちょっと割り切れない感じがしますが、これでレースの歴史が大きく変わることになります。次回は来年の6月にバミューダで開催されます。
 紙の本も売っています。全82頁。

第34回 アメリカスカップ オラクルチームUSA  優勝シーン
https://www.youtube.com/watch?v=A1pFDwjm14o
ポンピングの説明動画
https://www.youtube.com/watch?v=hEQttj8E1b0
0431名無しさん@英語勉強中2016/05/25(水) 00:06:48.79ID:yupApwLg
Norman F. CantorのCivilization of the Middle Agesを読みました。
中世ヨーロッパの歴史を一通りカバーした本で、大学の講義とかにも使われるスタンダード的な本だそうです。
中世史はさわり程度しか知らなかったので新しく知ったことばかりでした。

本書の特徴は、政治史と並んで文化史・社会史にも相当踏み込んでいるところで、神学や司法や教育などの中世を通しての発展をも横断的に見渡せることで深みのある中世社会観が得られます。
なぜイギリス法はコモンローで大陸法はシビルローなのか、みたいな今に残る制度の違いの経緯が中世史を通して見えてくるのも興味深い。
特に神学の変遷などは理論の中身に踏み込んで時代ごとの論争や異端も取り上げますが、これは中世では神学理論がそのままローマ教皇と諸国の関係性だとか修道院・大学みたいな重要な諸機関の成立に直結してるので読み込む意義があると思います。

本書の難点でもあり魅力でもあるのが、時折Cantorの解釈・私見が入り交じる点です。「この異端が当時流行ったのは、教義が簡明かつ商人層のメンタリティに合う内容だったからだ」みたいな、証明反証のしようのない事柄にもスパッと解釈を出してくれます。
Amazonなんかのレビューではその点で非難しているものも見受けました(Cantorの古代ローマの教育についての見方は偏ってる!だとか)。歴史素人の自分には判別が付きませんが。
ただ著者による解釈があるからこそ、現代人には奇異に見える中世世界について腑に落ちる説明ができるって面もあるので良し悪しでしょう。

分厚さと扱ってる事項の難易度的にはこれまで読んだ洋書で一番ハードだったかもしれません。
ですがトピックごとに短い章分けしてて、Cantorの文章も平易かつ明快で、何より内容が面白かったから苦にせず読破できました。中世に興味がある人なら、小説みたいな感覚で読めちゃう良書だと思います。
0432名無しさん@英語勉強中2016/06/04(土) 16:20:08.96ID:FeEx9oeo
乱読、らんどく
Trump: America Loves A Winner: Understanding The Trump Phenomenon  by Ken Julien

 トランプ支持派の人が書いた本です。すでに「人気」の赤いタスキが掛かっています。
 なぜトランプを支持するのか。歴史上栄えた偉大な国は、例外なく強大な経済力と軍事力を持っていた。ところが今のアメリカはこの2つ力を失おうとしている。トランプは、アメリカの経済力と軍事力を取り戻して、再び偉大なアメリカを築こうとしている。
 と、いうことで様々な問題を取り上げて、トランプを支持する理由を述べています。
 内容的にはトランプを理想化しすぎている面がありますし、矛盾した主張も見られます。しかし、背景にあるのは現状に対する強烈な不満です。職業的な政治家と、その政治家達を動かす利権団体やロビイストたち、ウオール街の影響力。
多額のお金が飛び交い、政治家や一部のエリート達の利益のために政策が決められて行く。こういった現状を打開できるのはトランプしかいない。トランプはすでにお金を持っているので、利権団体のお金に頼る必要がなく、なんのしがらみもなく政策を実行できる。
 -- ということのようです。なかでも特に興味深かったのは、いわゆる political correctness が言論の自由を奪っているという問題や、不法移民がいかにアメリカの国力を蝕んでいるか、という問題について論じている部分でした。

 でもねぇーー。すでに一千万人はいると言われる不法移民を本国に送還するとなると、いったいアメリカ国内でどんな混乱が起こるのか。理想を掲げるのは簡単ですが、理想を実現させるには「現実検討能力」に基づいた確かな戦略が必要になります。
 日本でもかつてマニフェストを真に受けて、宇宙人という分かりやすいあだ名が最初から付いている人を総理大臣にしてお祭り騒ぎをやるという、極めて異常な状態でした。
 この時は椿事件を再現したかのような、マスコミによる露骨な世論誘導があって、国民がマスコミの操り人形になってしまったという背景もありました。
 ところが面白いことに今のアメリカは、あの時の日本とは逆にマスコミのトランプ叩きに逆らって支持者が増えているということです。トランプさんは宇宙人とは違って、ビジネスマンとしてかなり実行力のある人のようですが、はたしてどういう展開になるのでしょうか。
全128頁。
0433名無しさん@英語勉強中2016/06/08(水) 19:01:17.01ID:cuG6tf21
William Faulkner, "Sanctuary"読了。 

いやあ面白かった。同じフォークナー作品の『ザ・サウンド・アンド・ザ・フュリー』や『アブロサムアブロサム』
よりもストレートな構成で読みやすい。

米南部のある田舎で交通事故を起こした若いカップルが地元の人間の世話になるが・・・・・・

突き放した感じの淡々とした記述が延々と続いているのに、最初から最後まで漲る張り詰めた緊張感。
登場人物の大げさな感情表現や直接的な暴力表現なんてほぼ無いのに、読み始めから終わりまで、
ずっと恐ろしい事件の予感と余韻が木霊して、読んでて肩が凝りまくりです。

ネタバレになりますが、最後まで焦点の事件の詳細は明示されません。また色々謎は残ります。
肝心な点が暗示に留まっています。しかし、それでも読み終わった後、ふうと息をついてしまう、
恐ろしい圧力を持った作品。

フォークナー凄い。数カ月前に読んだ『ザ・サウンド・アンド・ザ・フュリー』が正直満足に読めなかった
ので再読するつもりです。
0434名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 6bef-YrRf)2016/06/18(土) 10:01:21.13ID:BuoQx6t90
なんか、過疎っていますね。

俺も、5月の連休は遊びすぎ、その後は忙しすぎて、あんまり読めていません。
ようやく、前に紹介してもらった、Atonementを読み終わったので、一言。


Atonement, by Ian McEwan
(日本語訳「贖罪」、映画「つぐない」)

1935年、上流階級の少女がついた、嘘とも言えないような嘘、これが、少女の姉と恋人を引き裂くことになります。
少女のいとこが暴行され、少女の目撃証言から、姉の恋人が逮捕されてしまいます。姉は恋人に手紙を書き続け、恋人は刑期短縮のために第二次大戦に従軍、困難な退却を強いられます。
姉は、怒りから家族と縁を切り、少女も、罪悪感から、大学進学をやめ、看護実習生となって負傷兵の看病にあたります。
その後の姉と恋人との関係、二人と少女との関係はどうなるか。
そして、最後の数ページに、思わぬどんでん返しが待っていて、なんともやるせない気分で小説は終わります。

英文のレベル、語彙レベルは、少なくとも俺には、非常に高く、正直、つらかった。
目の子だけれど、10000語レベル以上の単語が1ページに10くらいあることを覚悟したほうがいい。

そして、どうも、登場人物に感情移入できないんですよ。
気の強すぎる姉、これまた自己愛が強く頑固な少女、事件の遠因をつくる悪ガキの双子、など、イギリス上流のスノビズムに対する批判があるのかも知れませんね。

そして、本当に贖罪になっているのかなっていないのか。

読み通す価値はあると思うけれど、俺は、Sweet Toothのほうが好きだな。
0435名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 23fd-4fuR)2016/06/18(土) 20:38:49.57ID:C/uIOAL20
らんどく
Shakespeare: His Life and Legacy
The True Story of William Shakespeare Kindle版  by Jack Hughes

 福田恆存の翻訳で、シェークスピアの主な作品は読んだことがあるのですが、シェークスピア自身に関してはほとんど知らなかったのでこの本を読んでみました。
 本の前半は時代的な背景と、シェークスピアの生涯について書かれています。後半はテーマの解釈など。二分法的な解釈をしている部分に付いては、こういうのは好きじゃないのでこの部分はパス。
 終わりの方で作品を年代順に並べて、簡単なあらすじと解説が書かれています。

 うろ覚えですが、たしか翻訳の福田恆存だったかが「シェークスピアは普通の人だったのではないか」と言っていたのを覚えているのですが、この本を読んでみると、いったいどこが普通の人なのかと思いました。
まあ普通の人とは言っても、どういう意味で普通の人という言葉を使ったのかは分かりませんが。

 伝記の中で、当時の筆記具である羽根ペンについてちょっと詳しく書いてあったり、同性愛の問題などが取り上げられていて、興味深かったです。

 読んでいる途中で、もしかしたら、師であるマーロウを暗殺したのはシェークスピア自身ではないか、そうだとすればマクベスの苦悩も実は自分の苦悩そのものだったのではないか、なんていう、とんでもない推測がふと思い浮かびました。
 まあ、残っている資料が極めて少ないので、推測なんていくらでも好き勝手に出来ます。

 某演出家も言っていましたが、シェークスピアの魅力はなんといってもカッコイイところにあります。「人間、食って寝るだけのものなら人生とはいったい何だ」というようなことをサラリと言ってしまうのです。
 そうは言っても、なかなか思うようには生きられない。「このような男が、天と地の間を這いずり回って、いったい何をしようというのか」。
 全96頁。今現在「人気」の赤いタスキが掛かっています。
0436777 ◆BdND.JiwII3s (ワッチョイW 22d3-MYuK)2016/06/19(日) 08:23:48.55ID:T65t1ovE0
>>435
俺はシェイクスピア作品の真の作者はマーロウだと信じている。
勿論状況証拠しかないが、その状況証拠に
圧倒的に説得力がある。
「シェイクスピアの英語 2ch」でググってみな。
そのスレの後ろの方に根拠を書いている。

そこにも書いたがハムレットはある意味
マーロウ自身だと考えると辻褄があう。
例えばハムレットは30歳だがマーロウは29で
殺された(ことになっている)。
他にもいろいろあるが上のスレに書いてある。

いずれにせよハムレットは作者の個人的な
思い入れが相当入っていて作者にとって
特別な作品だと思われる。
0437名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 8337-4fuR)2016/06/22(水) 21:33:48.44ID:in7stfi80
らんどく
Biography: Julius Caesar: His Biography in 30 Events by James Weber

 ネロとカリギュラの伝記は読んだことがあるのですが、シーザーの伝記はまだ読んだことがかなったので、kindleの英語本で読んでみました。
 ちょっと読むのに苦労しましたが、大変面白かったです。夢中になって読んじゃいました。
彼は人生の破滅を招きかねないような危険な賭けを何度もやっているんですね。中でも一番有名なのがルビコン川を渡ったときでしょう。
元老院との駆け引きが続いた後で決断します。元老院を無視して、反乱軍となって国境のルビコン川を渡ってローマに向かったとき、その後で何が起きたのか、、、、。

軍事的に劣勢な状況でもシーザーは勝ち続けます。クレオパトラも登場します。
最後に元老院の議員達に殺されてしまうのはちょっとかわいそう。

中の画像はみんなファイルサイズが小さくて、地図なんかはほとんどよく分からない状態なのがちょっと残念です。
紙本換算で83頁 今現在「人気」のタスキが掛かっています。
0438名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 9737-R7o+)2016/07/03(日) 11:25:42.84ID:eMbI+Hfd0
らんどく 女性が書いた官能小説
Hot Dates: Becoming a Shared Wife Kindle Edition
 by Kirsten McCurran

 自分の妻が他の男とセックスしているところを見たり、聞いたり、想像したりして興奮する人たちがいます。日本では「寝取られ」と呼ばれているようで、検索するとたくさんヒットします。
 以前NHKの天気予報のお姉さんがセックス・スキャンダルになったことがありしまたが、恋人との間でこんなプレーもしていたようです。

 この作品では、このような特殊な状況に置かれた女性を主人公にしています。
 作品の冒頭は、バーで出会った二人の若い男に、私がまさに「お持ち帰り」されようとしているところから始まります。夫は離れたところで他人のふりをして、私がナンパされるところを眺めています。
そこで私はトイレに入って、夫に最終確認のメールを送ります。本当に最後までしても良いのかと。
 十四年間の夫婦生活で、初めて夫以外の男と最後まですることになります。しかも、なんと相手は二人です。夫の返事はオーケー。私の心に、さまざまな思いが交錯します。

 ここから話は変わって、夫との出会いから現在に至るまでの体験談になります。夫との初めてのセックス。夫の願望を理解するようになったいきさつ。私の中に眠っていた淫らな願望。
でも、現実の世界で願望を実現させるのは容易なことではありません。自分を納得させなければなりません。夫との話し合いが続きます。

 二人の子どもを親やベビーシッターに預けて、私はセクシーな服装をして、バーで見知らぬ男たちとの出会いを待ちます。夫は離れたとこから見ています。その夫に見られながらする、見知らぬ男たちとの官能的なきわどい体験の数々。そして、話は冒頭のシーンに戻ります。

 たぶんこういう性癖というのは、乳幼児期に両親の性行為を目撃したことから来ているのかもしれません。セックスシーンは単調にならないように工夫されています。誘惑したり、されたりする女性の心理も良く描かれています。
 紙本換算で115頁

最近厄介な病気が見つかりました。どうなるか分かりませんが、まあ、ぼちぼちやっていきます。
他の人も、読んだ本の感想を書いて下さい。
0440名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 7737-oK17)2016/07/31(日) 12:07:52.67ID:Y7GzQexu0
見つかった厄介な病気はこれです
Conquer Your A-Fib: How To Beat Atrial Fibrillation by Lisa M. White

 夕食の後で、突然死ぬかと思うほどの激しい動悸。いつまでたっても治まらない。夜中に救急車で病院へ。発作性心房細動という診断。規則的な脈拍ではなくて、脈の間隔がバラバラ。しかも脈拍が最高で160台まで上昇。その後、薬の点滴で正常な脈拍に戻りました。
 この病気は発作を繰り返すたびに悪化していって、やがて永続的な心房細動になります。心臓の中に血栓ができやすい状態になり、その血栓が脳に飛んで、いきなり脳梗塞で倒れることになります。
 そうならないように薬で抑えたり、カテーテル・アブレーションという手術で根本的な治療をすることになります。私はまだ初期段階なので、しばらくは様子見です。今のところ発作の再発はまだありませんが、
期外収縮が出やすくなることが時々があるので心理的に不安です。

 この病気で面白いのは、私のように激しい症状が出る人もいれば、まったく自覚症状のない人もけっこうたくさんいるということです。健康診断の心電図でたまたま見つかればよいのですが、気づかないままいきなり脳梗塞になる人もいるようです。
 心房細動が原因の脳梗塞で倒れた有名人としては、小渕総理、野球の長嶋茂雄さん、サッカーのオシム監督などがいます。気になる人は手首で脈を測ってみて、規則的に脈を打っているか確認してみるといいです。

 この本は図を使った解説がないので、予備知識のない人には分かりにくいかもしれません。しかし、心房細動の人にとっては極めて貴重な情報がたくさん書かれています。著者は世界中の論文を漁って心房細動の引き金となる要因を書いています。
 日本の解説書には無い情報がたくさんあります。面白いのは、著者自身がマグネシウムのサプリメントで劇的に回復していることでしょう。
 イギリスの三十代の女性が書いた本です。kindle版のみ。医学用語がたくさん出てきます。紙本換算で73頁。今現在、人気の赤いタスキが掛かっています。
0442名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ fb37-chWY)2016/09/15(木) 10:24:38.91ID:Gpv0qstX0
When Panic Attacks: The New, Drug-Free Anxiety Therapy That Can Change Your Life

認知行動療法の本です。不安やパニックに対処するための40種のテクニックが詳しく書かれています。このテクニック中から自分にあったテクニックを試してみるようになっています。このテクニックを使った治療例もたくさん掲載されていて面白です。

認知療法系の人たちはよく精神分析をバカにしていますが、精神分析というと百年以上前のフロイトのことしか頭になくて、フロイト以降はなんの進歩も発展もなくて、フロイトの言ったことが宗教の教典のように、受け継がれているとでも思っているのかな。

しかし、ここに出てくるテクニックの一部は精神分析のまねごとをやっているようなもので、抑圧されて埋もれていた感情に気がついて、その感情が解放されると症状が嘘のように消えてなくなるというのは良くあることです。

評価出来る点としては、自分の問題と向き合うために、対処方法が構造化されていることでしょう。セルフチェック用のシートもたくさん用意されています。ただ、Kindle版だと画像の表が読みにくくてイライラします。

今現在、Kindle版に「人気」の赤いタスキが掛かっています。翻訳版は「不安もパニックも、さようなら 不安障害の認知行動療法:薬を使うことなくあなたの人生を変化させるために」。紙本のみ。
0443名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ d337-KjJO)2016/11/07(月) 15:57:48.00ID:F1/y/FDo0
Insatiable Wives: Women Who Stray and the Men Who Love Them by David J. Ley

 「寝取られ」に関する学術書です。たいへん面白かったです。英語では cuckold ですが wife sharing や hotwife などの単語もよく使われます。最近こういう世界に目覚めてしまう人が急激に増えているようで、こういう単語で検索するとたくさんヒットします。
 ネット上には挑発的なメッセージを埋め込んだ画像もたくさん出回っていて、寝取られ願望を持っている人たちを刺激します。

 この本では、寝取られの歴史、文学作品、性科学的な研究、進化論的な意味、実践している人たちへのインタビューなど、さまざまな視点からこの現象を捉えています。
 興味深かったのは、イヌイット族に見られる夫婦交換の風習、性科学者キンゼイ博士が実行していた wife sharing、D.H.ローレンスの「チャタレイ夫人の恋人」以降の wife sharing を扱った作品、ネット上の関連サイトの紹介など。
 精液には抗うつ剤としての効果があるかもしれないという研究や、女性の潮吹き現象に関する最新の論争、ペニスのカリの形状が何を意味しているかという研究など、他にもいろいろな面白い話がたくさん出てきます。
 cuckold と関連する swinger や polyamory などの世界も取り上げて、それぞれの違いについても書いています。

 インタビューを読むと、長期間これを実践している人たちは、カップルの間に深い信頼関係と濃密なコミュニケーションがあることが分かります。人生も充実しているようです。 relationship について考えさせられました。
 全306頁
0444名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ c139-Vs4N)2017/01/15(日) 15:13:42.95ID:enOaSnRC0
Alex Haleyの本3冊読んだ

Roots
1750年にアフリカ人少年Kunta Kinteが誕生するところから始まり
アフリカでの暮らし→奴隷船→アメリカでの奴隷生活と続き
物語の主人公は代々子孫にバトンタッチしながら
Alex Haley誕生まで物語調で書かれ
その後はHaley自身の言葉で子供時代のことや執筆までの経緯などが語られている
二度ドラマ化されてるがドラマとはだいぶ違う部分も多く
新旧ドラマも良かったが個人的にはこちらの原作のほうがより気に入った。
奴隷のセリフ部分にてこずったものの全体的には読みやすかったし
要所要所に時代背景の説明をはさむので歴史好きとしては十分楽しめた。

A Different Kind of Christmas
1855年、主人公は北部の大学に通う南部出身少年。
実家で奴隷を所有していてそのことを誇りに思っていたが
奴隷制度に反対するクエーカー教徒の学生との出会いをきっかけに
奴隷制度に疑問を持つようになり地下鉄道に協力する話。
これは短いし本国では子供向けに書かれたらしく初心者でも余裕で読めるレベル。
これを読むまで地下鉄道についてはよく知らなかったのでこちらも楽しめた。

Mama Flora's Family
こちらは20世紀が舞台。黒人女性Floraの少女時代から80歳になるまで
Floraとその子孫の暮らしぶりが書かれている。
Roots同様黒人のセリフを除けば全体的に読みやすい。
恐慌、第二次大戦、公民権運動など時事ネタもあって歴史も楽しめる。
第二次大戦では日本が敵国として登場するが反日的な書かれ方はしてなかった。
0445名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 9939-/Hyr)2017/03/22(水) 21:28:56.23ID:tKRsHLoO0
最近はStephen Kingにはまってる
とりあえず読んだのは
The Green Mile
Misery
Different Seasons
の3冊
(Different Seasonsについて補足すると
Rita Hayworth and Shawshank Redemption
Apt Pupil
The Body
The Breathing Mothod
が収録された短編集)
どれも読みやすいし洋書初心者向きだと思った
映画化されてるものも多いから映画を先に見ておくとなおわかりやすい気がする
(もちろん映画と小説の内容がすべて同じではないが)

しかしstephen kingで図書館蔵書検索するとStephen Hawkingの本が大量に引っかかるのは何とかならんのか
0446名無しさん@英語勉強中 (ササクッテロロ Spbd-X6Nf)2017/04/21(金) 00:00:24.16ID:r6LnUrXmp
>>445
あなたの書き込みを見て、アマゾンでdifferent seasonsを注文しました。
楽しみ。
でも、分厚いのかな。
0447名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 7d3a-Lh4d)2017/04/21(金) 17:47:39.06ID:thjoGog70
わかった。
0448名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイ 7f3b-WBDQ)2017/04/29(土) 03:58:49.95ID:LIJ10Rss0
>>445
Apt Pupil面白いよね;-)
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