根津美術館 墨と金−狩野派の絵画−

まずしょっぱなから雪舟の破墨山水図や芸阿弥の観ばく図が迎えてくれ、
そのあと伝狩野正信の立派な養蚕機織屏風が、さらにずっと奥へ行くと
狩野探幽の豪華な両亭図屏風が待っている。
しかしやはりなんと言っても生彩を放っているのは久隅守景の舞楽図屏風で、
その色彩といい躍動感といい素晴らしい。
他には狩野山雪の小憎たらしいツラをした梟と鶏などもいいが、
特に長澤芦雪の子犬図の間の抜けた可愛らしい犬の顔などは思わず
笑ってしまう。犬が「え?」という顔をしている瞬間を捉えているの
だが、これは犬好きにしかわからない表情だから、芦雪もさぞかし犬
が大好きだったのだろう。
この日も外国人観光客がやたらと多かったが、これは大人気日本観光サイト
で根津美術館が上位にランクインしている影響らしい。ニュースでやってた。