>>106
勉強するのでもう相手にしないんじゃなかったのかなあ
自分の言ったことも守れないようでは信頼度ゼロですね
さて国語の口語文の用法を論じるのに伝統主義の『広辞苑』はいいとして
古語辞典を引くのは意味不明です
わざわざ『古語辞典』と銘打っているのは「現代語では当てはまらないことがあります」と
断り書きをしているのに等しいのですから

挙げられている用例ですが第一に「へ」の前に挙げられているのは「人物」ですが、
彼らがみな「移動」していった先にいる人、移動を前提として登場する人であることは注目に値します
第二にそれらの人が「殿」「院」といった空間を指す概念が転じた表現であることも興味深いです
>>93でも触れたように「へ」は「方向」を意味する普通名詞が形式名詞を経て助詞に変化したものです
こうした変化を「文法化」と言いますが、これらの時代においては「へ」の用法に形式名詞としての意味が
まだ残っているように感じられます
この時代の「へ」は単なる「に」とも訳される助詞とばかり見るより、「の方へ」「の所に」といった
複合的な後置詞に近いものだったのではないでしょうか
上代から中世におけるこうした「人の『へ』」における「人」は施設名で間接的に表現されるような人物、
おそらくは「貴人」に限られたのでしょう
間接表現の動機は様々ですからこうした空間表現を応用した間接化は極端な賎人や忌避の対象となる
宗教的地位にも使ったかもしれませんね(続く)