>>48
「雪」がまず東北の清音の母音間有声化でユギになる
次に北東北ではイ段とウ段が接近または同化し、
カ行ガ行はさらに半口蓋化するのでよく[jugzi]のようになる
(母音uは逆さm、母音iは横棒入りまたはウムラウト記号付きの逆さm、gzは二重調音の破擦音)
これを訛りを強調して書き取ったのが「ゆじゅ」

東北の方言は音節主体なので「拍」の概念の文字で書くと促音は存在しないかのようになる
それで「取って」が「とて」 (促音+清音は有声化しないのでただの清音と区別できている)

「き(来)て」の「き」の子音は半口蓋化・二重調音の[ks]
または完全に口蓋化した[tc]になる(cはカールしたc、歯茎硬口蓋音)
母音は無声化して響かず、実質上音節主音の働きをしているのは摩擦成分の[s]か[c]と思われる

「けんじゃ」(原文はおそらく「けんぢや」か)は「くれよ」ぐらいの意味で、
「くれる」の方言形「ける」の命令形(岩手なら「けろ」か)に
コピュラ「である」が転じて終助詞となった「じゃ」(意味は「よ」)がついて撥音便を起こしたもの
ちなみにコピュラはさらに転じた「だ」が別にあり、両者がつながった「だじゃ」という形もある
呼びかけの助詞「や」はないと思う