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 一年中テレビや雑誌で大特集される「京都」の裏の顔――洛中中華意識に満ちた“いやらしい”府民性をつまびらかにした『京都ぎらい』は、衝撃とともに大きな共感を得た。
昨年9月に発売されるやたちまち共感を呼び、現在までに26万部を売り上げ、2016年の新書大賞では堂々の1位。大反響シリーズ○○ぎらい、今回は京都。

“京都ぎらい”はついに今年、世界にも波及したのかもしれない。

 米国の大手旅行雑誌『Travel + Leisure(トラベル・アンド・レジャー)』が1995年から実施している『ワールドベストアワード2016』人気都市ランキングで、
2014年、2015年と2年連続で1位に輝いた京都だったが、今年は6位へと一気にダウンした。

 この結果に、「個人的に寂しいですなぁ」とため息をつくのは、上京区出身で、今は神奈川県在住の40代女性だ。

「京都に2位は似合いませんから。日本の都は京都というプライドもありますし、他の国にだって負けたくないですよ。でもパリとロンドンは別。
不寛容で知られる京都の人はなぜかパリジェンヌやロンドンの紳士には寛容なんです。自分たちと似ているからかなあ…。

 京都人は歴史を重んじますから、歴史ある都市なら、負けても仕方がないと思えるんですよ。
だからタイのチェンマイとかより下ってありえない。アメリカだって新しい国のくせにって思うんです」

 転落理由に京都在住の多くの人が挙げるのは「外国人観光客」だった。

「とにかく異常な外国人観光客の数で、彼らは体も大きくて道いっぱいに広がって歩くから、こちらは道を歩くのもひと苦労です。
正直、もうほっといてんか、という感じがありますね。まあ、外国の人も懲り懲りしてはるんとちゃいますか。

 それに老舗店の人とかは基本的に不愛想ですからね。もともと客が来るのには慣れ切っているから、いわゆるおもてなしの心とか本当は薄いでしょ? それがバレてきたんちゃいます?(苦笑)」(下京区在住の60代女性)

 ベストセラー『京都ぎらい』(朝日新書)の著者で、国際日本文化研究センター教授の井上章一さんが言う。

「そもそもあの街が1位になるということ自体に、何を勘違いしとんねんと思てましたから。そんなの痛手でもなんでもないです、はい。
ただね、やっぱり祇園祭りなど、洛中の古いしきたりを維持し続けるというのは、われわれの想像を絶するような気苦労がおありなんだと思います。だから、彼らをついついいけずな人間にしてしまうのではないかと、同情心もなくはありません」

 そして紅葉が終わると、こんないけずも…。

「紅葉は京都にとって観光の1つですが、落ち葉の処理をちゃんとしないと、“〇〇さんとこの葉っぱが散って、かなわんなあ”みたいなことを言われるんです。
たまに留守すると、ご近所さんから“紅葉が散ってましたわ”と嫌みっぽく言われるので、毎年うちの親は頭を抱えています」(京都市右京区在住の30代女性)

 京都には「かどをはく(かどはき)」という、自分たちの家の前(かど)の道幅の半分と、家の幅プラス両隣一尺分を掃いてきれいにする風習がある。

 前出の女性は、「町内会で手と手をとり合って掃除をしようなんてありえない。この先もありません」と話す。

※女性セブン2016年12月8日号
http://news.livedoor.com/article/detail/12347935/