名古屋市が「ライバル」7都市と比べた魅力度を各都市で調査したところ、そんな結果が出た。
「名古屋が日本を支えている」。
河村たかし市長はイメージアップへ号令をかけるが、前途は険しそうだ。
「うちが調べた数字で、行きたくない街ナンバーワン。よほど危機感を持って面白い街をつくらにゃあ」。
河村氏は30日、愛知県との意見交換の場で繰り返し嘆いた。
市は6月、東京23区と札幌、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の7市に住む20〜64歳を対象にインターネット調査を実施、各都市から418人ずつ回答を得た。
どの程度行きたいか尋ねて指数化すると、名古屋は「1・4」。首位京都(37・6)の27分の1という結果となった。
「最も魅力的に感じる都市」に名古屋を選んだのは全体の3%で最下位。首位の東京23区(22・4%)の7分の1だった。「最も魅力に欠ける都市」は大阪市(17・2%)を引き離し、30・1%に上った。
名古屋市民自身も「名古屋愛」が不足しているようだ。「最も魅力的に感じる都市」で名古屋を挙げたのは15・8%。
京都(23・7%)、東京23区(23・0%)より少なかった。他の7都市では、自分の都市を「最も魅力的」と回答する人が最多だったのと対照的だった。
名古屋の観光地や食べ物の魅力を挙げてもらうと、8都市全体では「特にない・思いつかない」が2割。
「名古屋城」「なごやめし」に続いて多かった。
名古屋城が有名なことから、河村氏は「都市の一番重要な誇りになる」と持論の天守閣木造復元を力説した。
大村秀章愛知県知事は「愛知県民は黙々と仕事をして『観光はええわ。
来たけりゃ来い』という雰囲気があったのは事実だ。それがいかん」と分析。2027年に予定されるリニア中央新幹線の東京―名古屋間開通に期待感を示した。
名古屋学院大の江口忍教授(都市戦略)は「天守閣の木造化だけで集客は難しい。
集客を重視しないと、リニア開通時に経済効果を東京に根こそぎ持っていかれる」と指摘している。(斉藤太郎、安仁周)
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