すみっこは住みやすい−。山口県下関市は本州の「隅」を強調して、日本の「中心」である首都圏からの移住を促す作戦に乗り出した。前田晋太郎市長は25日の記者会見で「一見ネガティブな要素をあえて前面に出し、ゆったり感、のんびり感をアピールする」と述べた。

 市によると、電車やカフェなどで、隅の席から埋まっていく日本人の「隅っこ好き」に訴える。市特産の「下関ふく」と組み合わせたPRキャラクター「ふくのすみ子」を作った。

 3月末から、動画投稿サイト「ユーチューブ」に「ふくのすみ子の唄」をアップした。

 ♪ついついすみっこ求めちゃう 緊張しちゃうセンターはときどきでいいの

 下関の住みやすさを“癒し系”の歌で訴える。

 移住希望者向けに、空き家バンクや就職情報を掲載したサイト「住まいる★下関」も開設した。

 市は昨年12月、JR下関駅前に移住総合窓口を開設した。これまでに延べ55件の相談が寄せられたが、実際に移住したケースはないという。