縄文人直系でなかった西北九州弥生人 ゲノム解析で判明
米山正寛 2019年7月23日
https://www.asahi.com/articles/ASM7J6TNBM7JULBJ01M.html


 弥生時代に現在の長崎県周辺にいた「西北九州弥生人」は、縄文人直系と考えられていたが、
実は渡来系弥生人との間でかなり混血が進んでいたことを、国立科学博物館などのグループが
人骨に残された遺伝情報(核ゲノム)を解析して明らかにした

 九州の弥生人は三つに大別される。大陸から北部九州にやって来た渡来系弥生人、
鹿児島県付近に住んでいた、頭の前後が極度に短いなどの特徴を持つ南九州弥生人、
そして、西北九州弥生人だ。

渡来系弥生人が在来の縄文人と交じり合う形で、現代の日本人につながる人々が生じていったとされるが、
西北九州弥生人は影響をほとんど受けず、顔の彫りの深さや腕の太さなどに縄文人と共通する特徴を残していたと考えられてきた。

 今回、下本山岩陰遺跡(長崎県佐世保市)から1970年に発掘された約2千年前の西北九州弥生人の男女各1体の人骨を対象に
核ゲノムを構成するDNAの変異に注目して遺伝的特徴を解析した。2体はともに縄文人と現代日本人との中間に位置付けられた。
縄文人直系と考えられてきた西北九州弥生人も、渡来系弥生人との間で混血が進行していた可能性が高まった。