仙台に比べて“遅すぎた”開業
これほど大きな変化が生じた理由を突き詰めると、2つのポイントが見えてくる。

まず、金沢市の都市規模と機能、拠点性、さらに日本の中の地理的環境を考えると、金沢開業は、たとえば仙台開業に比べて“遅すぎた”開業という一面がある。
どちらも東京からの直線距離は約300km。国や企業の出先が集積し、行政・経済・産業・文化の一大拠点だ。仙台市は1982年に新幹線が開業し、東京からの所要時間が4時間から約2時間半に短縮された。現在は1時間半だ。

一方、金沢開業はそれから33年遅れとなった。東京―金沢間の所要時間は、乗り換え1回を含め4時間弱から、乗り換えなしの約2時間半にまで短縮された。
そして、時間距離の短縮を待ち望んでいた企業や人が、開業を契機に、一気にさまざまな行動を起こし、その流れが止まらない、という様相を呈している。