2016年度に寄せられた富山県内への移住に関する相談件数は、
15年度の約9倍となる1万1787件に増え、全国順位も前年度の39位から4位に急浮上したことが総務省のまとめでわかった。
 県は、大規模な移住イベントを開催するなどした首都圏対策が奏功したと分析。
今後、若い世代や関西圏に向けた対策を強化し、移住者の拡大につなげたいとしている。

 県地域振興課は、15年度には除外していた就職・転職に関する相談数を計上したことに加え、
首都圏で相談機会を拡大させたことなどが要因とみる。
15年度に東京・有楽町で開設した「富山くらし・しごと支援センター」には、16年度から移住に加えて就職に関する相談員を1人増員。
16年冬には、実際に県内へ移住した「先輩の生の声」が聞ける大規模な移住イベントを東京都内で初めて開催した。

 相談件数の全国順位を見ると、1位は長野県で1万5021件、2位は新潟県で1万3246件、3位は北海道で1万1794件、5位は石川県で9099件。4位の富山も含め、北陸新幹線の沿線が上位に名を連ねた。

 県は15年度以降、沿線の長野、新潟、石川のほか、延伸予定の福井とも連携し、
首都圏で移住に関する合同イベントを実施。
北陸新幹線の開業で北信越への注目度が高まったことも、件数の増加を後押しした。
同課は「隣県は移住者獲得の競合関係にあるが、連携することで相乗効果もある。今後も合同イベントは続けたい」としている。

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 県地域振興課によると、2016年度に県内に移住した人は統計を取り始めた08年度以降で最多の565人だった。このうち、関西圏からの移住者が首都圏に次いで多く、将来は北陸新幹線が大阪まで延伸することから、県は大阪での移住者対策を強化している。

 今年4月から大阪市中央区の「大阪ふるさと暮らし情報センター」に移住情報コーナーを新設。県の移住相談員を同センターに派遣し、月1回の「出張相談会」を実施するようになった。


2017年08月26日 12時17分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170826-OYT1T50059.html

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