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【街 みらい】北九州市政点検 インタビュー(上) アジア成長研究所・八田達夫理事長 北九州空港の活性化が鍵
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1228/nns_181228_7716403324.html
来年1月13日告示、27日投開票の北九州市長選には、現職の北橋健治氏(65)と、共産党推薦で
新人の永田浩一氏(53)が立候補を表明し、構図が固まりつつある。北橋氏の「3期12年」の評価
が最大の争点。北九州市政に詳しい3人にその評価や課題を聞いた。初回は、アジア成長研究所(
小倉北区)理事長で経済学者の八田達夫氏(75)。市発展の鍵は「北九州空港の活性化だ」と強調する
。北九州市の人口減少に歯止めがかからない。「鉄鋼業の衰退を理由に挙げる人は今もいるが、それは
間違いだ。鉄道主流の時代は、北九州が九州地方の入り口。1960年ごろは都銀の支店、商社
従業員数は福岡市よりも多く、北九州は全国有数の支店経済の街だった」「その状況を一変させたのは、
航空時代の到来だ。福岡空港と羽田空港にジェット機による定期便が就航したのは65年だが、北九州
はそれから26年遅れた。福岡空港は68年ごろ、既に今の北九州空港と同じ旅客数に達した。それに
合わせ、九州の主要機能、北九州の人口を福岡が吸収した」−今後もその状況が続くのか。「福岡市発展
の限界も、空港能力にある。新滑走路を設けても、容量は3割しか増えない。国際線中心に年間
100万人以上の利用者増が見込め、あふれた需要を賄う役割を果たせるのは北九州空港といえる。
24時間運用できるからこそ、北九州市の未来に悲観していない。先行的な空港投資を市政の中心課題
においてほしい」
−空港へのアクセス鉄道の建設を主張している。
「小倉駅から空港までトンネルを通し、新幹線を走らせる構想だ。博多駅と北九州空港が約25分で
結ばれる。研究所としても採算性を精査している。両空港の結節と役割分担で、北九州と福岡がともに
発展できる。両市の人口を合わせると、75年ごろに名古屋市を抜いている。今後も北部九州はアジア
の中心都市として発展し、合計人口は大阪市を抜くかもしれない」−空港以外には。「佐賀県鳥栖市に
産業が集積したのは、高速道路網の交差点だからというのは良く知られている。小倉南区も九州道と
東九州道が結節しており、周辺は産業集積地になる可能性が高い。大阪方面から九州に物資を運ぶのに
、働き方改革の流れから『鳥栖は少し遠い』という話があり、北九州は最適だろう。小倉南区や
新門司地域、苅田町などでどう用地を確保していくかが重要になる」【北九州空港】九州で唯一
24時間運用可能な国管理の海上空港。2017年度の総旅客数は前年度比約17%増の164万人と
2年連続で過去最高。韓国、台北の定期便も就航する。滑走路の3000メートルへの延伸が課題。
北九州市はかつて、アクセス鉄道の実現可能性調査を実施したことがある。民営化の議論も今後始まる
。国産旅客機の飛行試験を行う計画もある。=2018/12/26付 西日本新聞朝刊=



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