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最後は人工肛門に…大きすぎる代償

 最後に取り上げたのは、日本の症例報告です。タイトルは、「直腸内で破砕せざるを得なかった巨大直腸異物の1例」。64歳男性が、自宅にあった7×7×8.5cmの異物を肛門に挿入したが、自力で摘出できず、腹痛が増悪したために救急外来を受診したというものでした。
3D-CT画像では、骨盤底にしっかりとはまった異物が確認されます。
この異物の正体は「湯呑み」。直腸異物としてはかなり大きいため、試行錯誤した結果がつづられています。

 まず、外来での摘出は困難だったため、腰椎麻酔で肛門括約筋を弛緩させ、経肛門的に摘出を試みます。
が、やはり摘出困難できず、開腹手術に移行となりました。
腹腔内から圧迫して、経肛門的摘出を試みますが、異物は「小骨盤腔で仙骨のカーブに沿って嵌頓し、微動だにしなかった」とのこと。
そのため、肛門側から圧排し、腹腔内に移動させた後に腸管を切開して異物を摘出することとしました。